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2025年12月定例市議会市長記者会見
記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ、掲載しています。
会見日:2025年(令和7年)11月19日(水曜日)
12月定例市議会市長記者会見
・12月議会・補正予算について
・自動運転レベル4に向けた実証実験について
・孤立集落把握・支援訓練の実施について
12月定例市議会市長記者会見 [PDFファイル/685KB]
会議録
市長
おはようございます。
まずフィリピン共和国のバランバン町の台風被害について、ご報告と支援のお願いをさせていただきたいと思います。
今月4日、現地では台風ティノと呼んでいるようですが、台風25号により、死者や行方不明者が出たと伺っております。犠牲になられた方、あるいは被害を受けられた方に対して、お見舞いを申し上げたいと思います。
本市では11月4日発生直後に、バランバン町長にお見舞いのメールを送っておりまして、それに対する返事が、今朝6時にちょうど到着いたしました。それによれば、数千人の住民が避難所に避難をしている。死者や行方不明者も出ている。これまでに経験したことのない洪水に見舞われたのだとおっしゃっておられます。そして、救援や復旧のために、ご支援をいただける場合は大変ありがたいというお話もいただいております。
本市では、被災者の支援のため、本庁舎を含む11ヶ所に義援金箱をすでに設置しております。1人でも多くの市民の皆様方に、ご協力をいただければと思っております。また、併せて本市からも見舞金をお送りする準備を進めております。バランバン町の早期の復興を願っております。以上が1点目であります。
2点目でありますが、12月定例市議会の案件について、ご説明を申し上げます。
本日、招集告示を行いました。11月26日から開会をいたします。
第1次分として、提出いたします内容についてご説明を申し上げます。
まず、報告案件でありますが、「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」の1件であります。
次に、予算案件でありますが、「令和7年度福山市一般会計補正予算(第4号)」を始め、5件であります。
次は、条例案件でありますが、「福山市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部改正について」を始め、5件となっております。
単行議決案件でありますが、「(仮称)まちづくり支援拠点施設整備業務委託契約締結の変更について」を始め、15件であります。
以上、12月議会へは1次分として26件を提出しています。
次に補正の概要について、ご説明をいたします。
今回の補正予算額は、一般会計が63億2979万8000円、特別会計が後期高齢者医療特別会計の3237万6000円、企業会計が病院事業会計、水道事業会計、下水道事業会計の3会計で合わせて4億314万6000円、以上5つの会計の合計では、67億6532万円を追加しております。
また、繰越明許費を一般会計で3件、債務負担行為を一般会計で13件、特別会計で1件、それぞれ計上しています。
それでは、一般会計の主な内容についてご説明をいたします。
まず、原油価格物価高騰対策分であります。
今年10月分まで措置しております、学校や保育施設等の給食材料費の高騰分について、11月分以降も公費で負担することにより、引き続き保護者が負担する給食費を据え置くものであります。
介護サービス事業所、障がい福祉サービス事業所、こども食堂についても同様に、11月分以降の食材料費の高騰に対する支援を行います。
また、施設園芸や漁業用の燃油価格高騰に対する支援も行います。
通常分についてであります。
『1 子ども未来館プロジェクトの推進』は、大阪・関西万博パビリオンの移築に伴う施設及び公園の配置等の計画を検討するものであります。併せて、次年度に実施する設計業務委託に係る債務負担行為も計上しています。
『2 ばらのまちづくりの推進』についてであります。世界バラ会議福山大会のレガシーのさらなる発展に向け、大会記念ばらを福山駅前、中央公園、ばら公園などに植栽し、彩り豊かな景観づくりを進めるものであります。併せて、次年度に実施する植栽等にかかる債務負担行為を計上しております。
『3 地域資源の活用』の地域経済循環事業費補助は、国の交付金を活用し、民間事業者が、地域資源を生かした新たなビジネスを立ち上げる際の費用を補助するものであります。対象事業は、神辺町で耕作放棄地を活用して観光いちご農園を整備するものであります。
併せて、事業が2カ年にわたるため、次年度の実施分については、債務負担行為を計上しております。
『4 事業費の整理に伴うもの』及び『5 制度上補正を必要とするもの』は、説明資料に記載をしている通りであります。
『6 寄附金対応』は、寄附者の方々の思いに沿った事業に活用させていただくことにしています。
『7 その他』であります。地域集会施設の建設費を助成するものなどであります。
特別会計であります。
『1 後期高齢者医療特別会計』は、保険料等納付金の精算やシステム改修を行うものとなっています。あわせて、システム改修に係る債務負担行為を計上しております。
企業会計の主な内容をご説明いたします。
『1 病院事業会計』は、注射用薬品費など、高額医療品の購入増に対応するもの。
『2 水道事業会計』は、配水管布設工事で発生した漏水事故の示談交渉に係る弁護士費用等の特別損失と損害賠償金を計上するもの。
『3 下水道事業会計』は、全国特別重点調査の実施結果を踏まえ、下水道管路の応急措置を実施するものであります。
繰越明許費であります。人事給与システム改造事業など3件を追加するものであります。
債務負担行為でありますが、指定管理料の他、次年度の市制施行110周年記念事業の準備経費、弁天島花火大会への負担金や、広島県の地震被害想定の変更に伴う津波避難地図作成業務委託、竹ケ端運動公園の陸上競技場や野球場の耐震診断業務委託の追加を計上するものであります。
以上が今回予定しております、令和7年第5回定例市議会に提出する補正予算の概要となっています。
次は、自動運転のレベル4に向けた実証実験についてのご報告であります。
本市では2017年度以降、自動運転の実証実験に取り組んできました。
これは、運転手不足の解消などの課題に対する、将来の移動手段の確保という観点、また、未来のモビリティサービスを実現するその第一歩とするという目的、課題認識から、取り組んできたものであります。今年度は、国内最先端の車両を使い、過去で最も長い3か月間の実証実験を行うというものであります。
運行の期間は、12月1日から来年の3月4日までであります。この間、様々な時間帯、例えば、朝や夜、また土日などの異なる曜日を使い、来年度レベル2で実装することをめざしておりますが、そのための、いわば最終的な実証実験という位置付けになろうかと思います。
12月3日から一般の試乗も予定しております。市のホームページをご覧いただければと思いますが、11月25日の正午から、希望される方については、日にち、時間の予約を受け付けるということになっております。
今回は、来年度実装するレベル2に向けての実証実験であります。レベル2というのは、運転手が運転主体となり、システムがうまく稼働するかどうかをチェックするというものであります。
ルートは福山駅の南口からエフピコアリーナふくやままでを予定しております。従って国道2号を跨いで進むということであります。運賃は無料となっています。
車両は、まわローズで使っている、車長7メートルほどの小型バスを活用する予定になっています。乗客数は13人です。着席のみで利用していただきます。
今回の実証のポイントでありますが、レベル4の実績がすでにある事業者と連携をします。これまでは、車載のセンサのみで、位置情報を把握しながら、実証実験を繰り返してきましたが、様々な課題があり、今回は、センサに加えてカメラも車両に搭載して、より位置情報の把握の正確性を期すということをめざしています。そうした最新鋭の車両を使うということであります。こうすることにより、昨年度の実証実験の課題でありました、1つは、前に別の車両が割り込んできたときに、急ブレーキが発生してしまうという安全上の課題がありましたので、詳しく周囲を把握できるセンサやカメラにより、急ブレーキの発生を回避するということをめざします。また、エフピコアリーナに行く手前、福山駅前大通りの、はるやまがある大きな交差点でありますが、たくさんの車線がある中を右折するという実験も、今回やってみます。そうしたことも含めまして、長期間様々な環境のもとで実験を重ねていこうということであります。
さらに、車載のセンサやカメラだけで、周辺状況を確認することに加えまして、今回、道路横に新たにインフラ協調センサを設置することにより、より広い範囲の状況を確認するという状況を重ね合わせながら、安全に右折につなげていくということを試みていきたいと思っております。この複数車線の道路の中で右折するというのは、難しい技術を要するようでありまして、それを乗り越える必要があるということであります。
こうした今回の実証実験を踏まえまして、来年度にはこのレベル2の実装につなげ、さらに実験を加えて、2027年度には、あくまでも特定の条件のもとではありますけれども、システムが様々な状況を把握しながら、運転手なしで目的地まで運行する、自動運転のレベル4の実装という段階に到達していきたいと思っております。
以上が、自動運転についてのご報告であります。
報告の最後でありますが、11月23日に実施いたします、防災訓練の内容についてご報告いたします。今回は、孤立集落を把握し、円滑な支援につなげていくという訓練を実施したいと思っています。
令和6年に発生した能登半島地震の教訓は、現地の被害情報が災害対策本部になかなか届かなかったということであります。孤立集落も50か所弱発生いたしましたが、そうした孤立集落を念頭に置いた、支援訓練をしていきたいと思っております。
先ほど申し上げました教訓を踏まえながら、広島県でも、地図上で調査を行いまして、孤立可能性集落を把握、抽出しております。それによれば、本市では78集落が該当するということでありました。これを受けて、改めて本市では、現地調査をしまして、78の集落を、リスクの高い順に、高、中、低と3つに分け、そのリスクが特に高い地区12集落を特定いたしております。従ってこういう集落の孤立を防ぐということが、我々の目的でもあります。
ここでいう「リスクの高い」というのはどういうことかといいますと、一本の道路以外に迂回路がないという集落をイメージしており、そして、その課題は通信が途絶すること、ライフラインに甚大な被害が生ずること、道路が寸断されて、行き来ができなくなることだろうと思いますが、それぞれこれまで、衛星携帯電話、発電機、簡易トイレを配備し、対応をしておりましたが、今回は道路が寸断された場合、ドローンを使って、被害の状況を調査しよう、あるいは、支援物資をドローンで運ぼうということが、調査の主眼になってまいります。
朝9時から、中条小学校で実施をいたします。中条学区では平成30年の7月豪雨の際に、実際に一時的に孤立いたしました。そうした経験を踏まえて、今回、効果的な訓練を行っていこうということであります。
内閣府、広島県が参加します。協定事業者が、ドローンの運航に関わってくれます。
まずは、防災ヘリコプターが上空を偵察するというところから始めます。そこで孤立集落が発生した可能性が非常に高いという把握が行われ、それを受けて、今度は調査用ドローンが、現地に飛び、被害状況のより詳しい調査を行います。
まだ、スピーカー機能がついており、この集落の方々とやりとりができます。やりとりをしながら、状況をより正確に把握して、それが本部に伝わるということもできます。
そうしたことを踏まえながら、大型輸送ドローンにより、緊急性の高い支援を、まずはいち早く届けるという取組もしてまいります。距離は3.5km離れたところに、物資を搬送すると、最大で40キロまでの物資を積載することができるドローンを活用しようということであります。
このヘリコプターが、飛ぶ前になると思いますが、いち早く、現地の学区の自主防災本部が、孤立集落の発生の状況を災害対策本部に伝えるというところから、この訓練が始まっていくわけで、現地の初動対応についてもしっかりと確認をしながら進めていきたいと思っています。
以上が、私からの報告であります。
記者
1点ずつさせていただきます。
1点目ですが、11月9日の知事選で16年ぶりに横田新知事が誕生しました。
知事選に関する市長の受けとめと、今後県に協力を求めていきたい施策などがあればお聞かせください。
市長
まずは、県民の声を隅々まで聞き取っていただき、県民に身近な県政を進めていただきたい。それをまずは期待をしたいと申し上げます。
福山が特にお願いをしたいことでありますが、これまでも湯崎知事とともに、本市の基盤整備の骨格であります福山道路、そして、これは県の事業になりますが、神辺水呑線の新規事業化に向けた取組を進めてまいりました。引き続き、お願いをしたいと思います。
また、湯崎県政のもとで、鞆のまちづくりが着実に進んでいます。引き続き、鞆のまちづくりについての支援をお願いしたいと同時に、近年、漁業が疲弊をしております。直近でも、牡蠣養殖についての大きな被害が生じるなど、海洋環境が大変厳しい状況に置かれています。新知事の専門分野でもありますが、漁業振興にもお力添えをお願いしたい。大いに期待しています。
また、人口減少の問題でありますが、若者や女性が住みたくなる地域づくり、広島県づくりについても、取り組んでいただけるものと期待をしています。
しっかり連携をしていきたいと思っております。新しい知事には、県政の発展に向けて、強いリーダーシップを発揮していただくことを大いに期待しております。
記者
知事選の投票率で、福山市が前回に続いて、県内の自治体では最低という形になってしまいました。国政選挙を含め、市内の投票率が伸び悩む傾向にあると思うのですが、市長の受け止めと分析、今後の対応についてお聞かせいただければと思います。
市長
前回だけではなく、ここのところ県内では最も低い投票率になっています。今回の受け止めですが、候補者それぞれが抱えられる論点が、重なってないです。従ってなかなか論争が深まらなかったということなのだろうと思います。
また、例えば、市議会議員の選挙などに比べて、市内を回る選挙カーや、あるいは街頭演説の回数などがどうしても少なかったために、県民の関心、有権者の関心が薄かったといったものも影響してると思います。さらには有権者の政治離れなども加わり、その結果が投票率にあらわれたんだろうと思っております。
こうした状況について我々も、色々な取組を進めておりますが、今回は特に、新たに有権者となる18歳の方について、最初の投票を経験していただこうということで、市内の高校2校で、期日前投票所を設置しました。そして、対象となる高校生、そして教員も含めて、かなりの方に、生徒でいえばほとんどの方に、投票していただけたと考えております。やはり、若いときから関心を持って、そして関心の高いときに、投票行動の第一歩を記すということが重要だなと思いました。投票された生徒さんからも、投票できて、いわば、大人の仲間入りもできて、社会人として1歩が記せたという声もいただいているようであります。
それから、期日前投票所の数も含め、投票機会の確保については、取り組んでおりますが、引き続き、投票所はしっかりと確保しながら、投票しやすい環境づくりをしていきたいと思ってます。
また先ほど主権者教育のことを申し上げましたけども、高校生だけではなくて、小学校、中学校といった段階から、出前講座をしながら、模擬投票も実施するなどしております。
そうしたことを今後も、地道に継続をしていきたいと思っています。
記者
先日、エフピコRiMの2階部分の運営事業者の公募が不調に終わってしまいました。
以前の市長定例会見では、事前ヒアリングで希望する事業者がいるということもおっしゃられていましたが、なぜこういう結果になったのかという要因を分析されていたら教えていただきたいと思います。また今後の方針ですが、再び公募を実施する方向性なのか、再公募をする場合は募集要項などを変更しないのか等、現時点での方針があればお聞かせください。
市長
前回申し上げた通り、運営事業者として前向きな意向を示している事業者はいました。ただ、その後、別の社内事情によりまして、応募することを断念したということと聞いております。それから、今後についてでありますが、テナントの希望のある事業者にも改めて話を聞いております。引き続き、早期に事務所を開設したいのだと、そして人材育成や企業間連携交流の事業に取り組みたいのだという意向を伺っておりますので、当初の予定通り2028年4月の供用開始を前提に、再公募を年内にも行いたいと思っています。
その際には、直近のサウンディング調査の状況も踏まえて、募集要件の変更も、もちろん考えながら進めていきたいと思っております。
記者
自動運転バスの関係でお伺いさせてください。
レベル4に向けたステップという資料がありましたが、2026年9月は、まちづくり支援拠点供用開始の時期、2027年度以降は(仮称)子ども未来館の工事着手などを見据えておられるのかと思いますが、その一帯の整備とあわせて、レベル4に向けて、実用化することへの市長の思いを、背景も含めてもう少しお聞かせください。
市長
おっしゃる通りのタイミングのとらえ方であります。
2029年度に(仮称)子ども未来館が供用開始されれば、今あるエフピコアリーナの周辺と一体として、全世代交流型のエリアが誕生することになります。そうしたところと、現状の市の中心部である福山駅前周辺とのアクセスを高めていくということは、重要な視点だと思っております。そうすることによって、一体的な都市が形成されていく、そのための第一歩になっていくというふうに考えています。
また、来年9月からは、まちづくり支援拠点施設の2階に老人大学が、移転、開校します。やはり高齢者の方が多く通われるという意味でも、安全な移動手段、あるいは便利な移動手段を確保するということも、大きな条件の1つになると思います。そういうことを踏まえまして、こうしたスケジュールを設定しております。
自動運転というのは、未来の都市を形成していく上での、大きな第一歩になると思います。そうしたところから、今後の都市のあり方を、構想していきたいと思っております。
2029年度の(仮称)子ども未来館の供用開始を念頭に置きながら、レベル4の実装を2027年度に設定していこうということであります。
記者
先ほど市長の方からも言及がありましたけども、牡蠣の大量死に関して、広島県をはじめ瀬戸内海広域で被害が出ており、福山市でもそういう状況にあるのかなというふうに思っていますが、市長として、福山市として、何か対応、アクションを起こすお考えがあるのかどうか、お伺いさせてください。
市長
福山市の南部で牡蠣養殖に加わっておられます生産者が、21名おられるというふうに聞いております。県東部の牡蠣の生産量は、県全体で比べますと、決して多くありませんが、特に内海町では「内海かき小町」というブランドに力を入れていこうと、沼隈町も「あぶと牡蠣」というブランドを進めておられますから、こうした事態を本当に我々は深刻に受けとめています。
今日、鈴木農林水産大臣が県内に入られるという話がありましたものですから、早速昨日、我々から、広島県に対して、県の事業者もその場に参加させてほしい、県東部の状況も、大臣に伝えたいという申し入れをしました。県の方からは、それは残念ながら対応できないけれども、県東部の状況についてもしっかりと県から大臣に伝えたいという言葉もいただいております。そういう意味では、この生産者の意向を、すぐに県や国に伝えるという体制は、一応できているのかなと思っております。あとは県の方で、国とも相談をするだろうと思いますが、支援策を検討されているということを聞いておりますので、その連絡を待って、迅速な対応につなげていきたいと思っております。
記者
自動運転バスの件で確認させてください。
まず、この度連携される事業者を変更されまして、ティアフォーとの連携ということになるということですが、これまで一緒にされてきた日本モビリティはレベル4の実績はなく、これからの実証実験には対応がそもそもできなかった、例えばプロポーザルとかにも入ってこなかったということなんでしょうか。
もう1点、レベル4に向けたステップについて、それぞれ来年9月からレベル2実装、2027年度からレベル4実装ということなのですが、この実装というのはどういうことかというと、例えば民間事業者さんのバスに必要な機器を取り付け、民間バスでもできるようにするということなんでしょうか。
市長
事業者の変更でありますが、2027年度にレベル4の実装をめざしていくという日程感を前提とした場合には、レベル4実装の実績がある事業者と連携を組んでいかないといけないという判断から、事業者を今回変更いたしました。今回、新たなパートナーになったティアフォーという会社はもうすでに、国、あるいは国家公安委員会の許認可を取った実績を持っているという事業者でもあります。従って、そういうことを評価して事業者を変えたということであります。
それから、実装というのは、おっしゃるようなイメージで結構です。事業者が決まり、そして、その事業者が商業運行を担っていくということを実装というふうに言っています。
記者
昨今、日中関係が緊迫をしており、中国外務省が日本への渡航を控えるように呼びかけていますが、こういった状況が、福山にどういった影響が出そうかという受け止めと、今後どういった影響が考えられるか教えていただければと思います。
市長
両国それぞれにご主張はあるんだと思いますが、ぜひそれぞれ双方が冷静に対応していただき、解決の道筋を互いに探っていただきたいということを期待しています。
それから、本市への影響について、まず、中国からのインバウンドでありますが、昨年1年間で約1万2000人、インバウンドに占める割合が、13.6%ほどおられます。これは県の統計による数字になっています。そういう意味では、本市観光への影響が出れば、決して小さくないというふうに懸念をしております。福山ホテル旅館組合や、宿泊事業者からの聞き取りを行った結果、現時点では、宿泊キャンセル等顕著な影響はまだ出てきていません。
引き続き状況を踏まえていく必要があると考えています。
検証から、今後の取組が生まれてくるのだという思いを持っています。
記者
9月の定例会見でも伺っていたかと思いますが、福山市立大学の前にある福山港湾の内港の埋め立ての状況が今どのような感じか、また進捗があれば、ご教授いただきたいと思います。
市長
その時にご報告した状況と、基本的には変わっておりませんが、国に調査をしていただきました。そして、そこに軟弱層があるという話を伺っております。軟弱な地盤があるということのようであります。こうしたことを踏まえて、どのような対応がありうるのか、引き続き調査をしていただいてるという状況であります。
以上が、内港の埋め立ての調査の状況であります。
記者
ちなみにどのタイミングでめどになるかというのは、お聞かせ願えますでしょうか。
市長
どの程度まで調査が進捗してるのかつぶさにまだ聞いておりませんので、いつをめどにするかということについては、現時点では申し上げる材料を持っていません。
記者
補正予算で計画費として計上されている(仮称)子ども未来館のクラゲ館の移築の話ですが、万博閉幕で1ヶ月過ぎたのですがその後協会と何か話の進展があったかとか、現状どういう状況になってるのかがわかれば教えてください。
市長
移築誘致に我々が手を挙げておりましたが、今月の下旬頃にはその結果が出てくると聞いています。
記者
結果が出たら市長のコメント付きで広報してください。
市長
もちろんそうします。私たちも期待をしながら、その結果を待っているということです。
記者
クラゲ館の件で引き続き質問です。まだ結果は出てはいないけれども、施設配置の予算を組むという理解でよろしいでしょうか。
市長
それを想定してということです。結果が出たときに、迅速にその後の整備につなげていけるように、ということです。
記者
先月6日、福山市名誉市民の松本卓臣先生が亡くなられました。枝広市長と松本先生は、一橋大学の同窓ということ、そしてまた、市長におかれましても、松本先生のご自宅に幾度となくご訪問されたというふうに伺っております。
我々報道陣にとりましても、松本先生が、福山市に茶器を寄贈する際の、市長表敬の場で取材をさせていただいたりもしてきました。その際の、松本先生の得意顔なお顔が今も思い出されます。改めて、松本先生のご逝去にあたって、市長のお気持ちをお聞きください。
市長
松本先輩とは、公私にわたってのご指導をいただいてきました。大きな穴がぽっかりあいたような、そんな気持ちを持っています。そして何よりも、福山市民にとっても、大きな損失だろうと思います。心から改めてご冥福をお祈りしたいと思っております。
大変様々な分野で活躍された方でした。改めて言うまでもないと思いますが、大きな存在を失ったと思っています。
特に個人的な思い出とすれば、城泊を福山で始めようというときに、月見櫓の茶室を改修いたしました。そして茶室の名を市民につけていただきたいというふうにお願いをし、そして清風楼という茶室名に決まりました。そしてそのときに、「揮毫は枝広君、君がしなさい」ということまでおっしゃっていただいて、大変まずい腕ではありますけれども、揮毫をさせていただきました。そのときに、その書の原本を見ていただいたんですが、「君の使ってる墨は、良くないな」とのように、大変な、鑑識眼といいますか、芸術文化に対する目を持っておられた方であったと思います。従って、福山市あるいはふくやま美術館にご寄贈いただいてる松本コレクションの数々は、それぞれ大変な価値を持つ、もちろん金銭的な価値もあるし、文化的な価値もあるものだと思っています。改めて、もっともっと、本市にお力添えをいただきたいと思っておりましたが、残念なことになりました。ご冥福をお祈りいたします。
記者
続けて質問させていただきたいと思います。
松本先生に関しまして、これまでの功績を検証するためにも、市の方で松本コレクションによる追悼展でありますとか、追善茶会など、長年のお礼をお返しできるような機会をお考えいただいてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
市長
おっしゃるように、何か偲ぶ会を考えていきたいと思っております。もちろんご当家ともご相談をしていきたいと思っております。「商工ふくやま」という雑誌に、「数寄者の一品」というコーナーを、松本名誉市民は持ってこられました。松本コレクションの中で、一品ずつ、その作品の由来や意味を、名誉市民みずからが話し、それを美術館の学芸員が整理されたコーナーをずっと72回続けてこられました。改めてそういう作品を、振り返っていくという取組も、1つの考えかもしれません。いろいろと関係者のご意見を参考にしながら考えていきたいと思っています。
記者
今回、高市総理大臣が、非核三原則の見直しを検討という話が出ていますが、市長として、この問題について、ご意見を聞かせてください。
市長
総理がどのようなご発言をされてるのか、詳しく存じ上げてるわけではありませんので、詳しいコメントはもちろん差し控えますが、平和を希求してきた日本国民にとって、非核三原則は、放棄してはならないテーゼだと思ってます。
記者
今週末、リーデンローズで5年間休止していた福山音楽コンクールが復活します。市長ご自身も、長い歴史の中で出場されたことがあると聞いていますが、何か思い出とかあったら教えて欲しいです。
市長
大いに思い出がありますね。
地方都市が実施する音楽コンクールでは、最も歴史の古い音楽コンクールが、福山音楽コンクールだと思います。それが、6年ぶりに再開されるということになりますから、とても喜ばしいことだと思っています。再開を機に、若い人たちがこのコンクール出場の経験をステップに、さらに、音楽に目覚めて、音楽の道を深めていただくきっかけになれば、素晴らしいなと思っています。私も小学校1年生から6年生まで6年連続で出た、そんな思い出があります。
以上。






