
福山市登録文化財 その2 鞆の浦アイヤ節
福山市登録文化財制度が創設され2026(令和8)年3月26日に4件が初登録されました。地域の貴重な歴史文化資源を保存・活用することを目的にしています。
「アイヤー ナァー」
初夏を彩る花火大会や町を挙げての秋祭りの会場で、にぎやかな人通りを縫うようにして明るい歌声と踊りの列が進みます。これは鞆の風物詩の一つで、町民に愛され受け継がれている伝統芸能の鞆の浦アイヤ節です。簡単な振り付けで誰でも踊りやすく、歌詞には仙酔島や保命酒など鞆の地名や名物などを歌い込んでいます。
奥羽・北陸から日本海と瀬戸内海を通って大坂へ至る西廻航路を航海する「北前船」の船乗りたちが、元禄年間(1688~1704)に港町・鞆に伝えた踊りが原型とされています。記録に残っている資料としては、江戸時代に鞆で保命酒を醸造した豪商の日記である中村家文書(福山市重要文化財)の1831(天保2)年に「俄踊り勝手次第」という記述があります。江戸時代後期の鞆出身の絵師・鎌田呉陽が描いた踊りの絵からも、その頃の雰囲気が伝わってきます。
当時は、自由に踊る「にわか踊り」というものでした。その後、潮待ちの港として多くの人と物が行き交い、さまざまな文化が集まる港町・鞆で独自に発展を遂げながら、町民に定着していきました。そして1964(昭和39)年には町の人々により「鞆の浦アイヤ節保存会」が発足し、振り付けが定められました。今でも地域のこどもたちなど次世代の踊り手たちによって受け継がれています。

<鞆の浦アイヤ節>
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