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10月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年12月4日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2018年(平成30年)10月1日(月曜日)

報告事項

・台風24号の対応状況について

・福山駅周辺のにぎわい再生に向けた取組について

・ハワイ州マウイ郡への親善訪問団の派遣について

・福山版 図柄入りナンバープレートについて

・災害復旧について

会議録

市長

 おはようございます。
 まず,報告に入る前にお手元の災害対応状況について資料を用意しております。
 先週末の台風24号に関する対応状況につきまして,まずご報告いたします。

 土曜日の午後に注意報が出て,早めの対応をしていただきたいという事から,3番目の避難情報の発令のところですが,ほぼ4時に避難準備・高齢者等避難開始を発表させていただきました。特に高齢者の方について早めの安全な,明るいうちの避難をお願いするという対応をいたしました。そして日曜日の午前中から順次警報が発令される状況になりました。それに応じまして,避難情報レベルを一段上げまして,避難勧告を順次発表いたしました。

 まず午前中には,前回の7月豪雨の時に災害の起きました地域を中心に避難勧告を発出しました。それから,今回は,雨雲の動きが非常に予測しがたいものがありました。気象台でも午後から夕方にかけて,あるいは夕方から夜にかけて雨雲が消えかけたという時期もあったのですが,再び雨が降り,河川の水位が上がるという状況を踏まえまして,午後4時過ぎ頃以降,順次吉野川・瀬戸川・羽原川・山南川こういうところで,危険箇所に限定をした避難勧告を発出いたしました。
 県と一緒になりまして,きめ細かく河川ごとの水位を確認する中で,こうした避難勧告に繋げてまいりました。そして,深夜23時48分にすべての警報が解除され注意報に移行するに至って,全地域での避難勧告,避難準備・高齢者等避難開始情報を解除しました。こういう動きを取りました。

 この間,国には,福川にポンプ車を2台待機していただきました。瀬戸川への排水に協力をいただきました。先程申しましたように,県も各河川に現地職員を派遣していただきまして水位情報をチェックしていただいた。特に,2度決壊をいたしました吉野川につきましては,幅広い範囲で目を光らせていただいたという状況であります。

 裏面をご覧いただきたいと思いますが,避難場所はこの間21カ所を開設いたしました。この中には,ペット避難所も7カ所用意をしました。前回は5カ所でしたから,今回は少しずつ増やしながら対応していったという事であります。最大が122名の避難者です。これが9月30日,日曜日の夜8時の段階です。そして,23時の段階で25名おられましたが,現在は,1人もおられない,こういう状況になりました。安全にご自宅に戻っていただいたという事であります。

 その他の被害状況でありますが,けがが3名,住家被害は南蔵王で1カ所,非住家被害は東深津で2カ所,いずれもこれは確認中であります。道路冠水が18カ所,こういう状況です。そして,市道の通行止め,一番下でありますが,17カ所あったという状況です。引き続き,今後も予想される台風被害等に対する備えを万全にしていこうと思っています。
 以上が,台風24号に関する災害対応の状況であります。

 それでは,報告に移らせていただきます。
 まず1点目ですね。福山駅前デザイン会議の議論を受けました,駅周辺のにぎわい再生に向けた取組についてであります。

 歩行者空間の創出のための実証実験を,10月29日から11月17日にかけて,駅の南北を周辺に実施をいたします。
 まず, 11月2日から4日にかけて,伏見町内の道路の一部を車両通行止めとする予定です。そして,動線上に飲食店を設けるなど,にぎわいを生み出す仕掛けもしながら,歩行者優先の空間を生み出していきます。これは,駅周辺の回遊性を高めるため,福山城から中央公園に至る歩行者動線の強化を目指そうという実験であります。現在,リノベーションスクールの参加メンバーやUR都市機構などと連携して準備を進めています。

 また,駅の北側では,福山城南側道路の歩行者専用化の実証実験を行います。これは昨年の10月,本年の6月に続き,3回目となります。期間は,10月29日から11月4日までの今回は平日を含みますが,一週間を考えています。午前7時から午後8時までの間を「二之丸お散歩エリア」として歩行者天国化し,周辺道路における自動車交通への影響調査を行います。要するに,通勤時間帯を含めて今回は実験をしてみようという事です。

 これに引き続きまして,11月12日,一週間ほど間をおきまして11月12日から11月17日までの6日間,同じ時間帯・同じ区間で今度は,西から東に向けて一方通行とした場合の交通影響調査を行いたいと考えております。色々なバリエーションを想定しながら,いろんな状況を想定しながら実証実験を深めていくとこういう取組であります。

 この実験に合わせまして,11月3日には福山城築城400年記念プレ事業といたしまして, 福山工業高校電子機械科の生徒による福山城のバーチャル・リアリティ体験会を行います。天守閣の最上部から板が飛び出していて,その上を歩いていくというような体験ができる,そういうバーチャル・リアリティのようです。また,初代藩主水野勝成公ゆかりの地,愛知県刈谷市からゆるキャラの「かつなりくん」と「刈谷城盛上げ隊」がイベントを盛り上げるために来てくださるそうです。

 この他, 11月24日,25日の両日,駅周辺の将来像を検討する「トレジャーハンティング@福山」を開催いたします。 
 これは,デザイン会議で提案された4つのエリア「福山城,中央公園,伏見町,三之丸町」を,参加者が歩く中で,まちの魅力を再発見していただき,それぞれのエリアの将来像を提案していただくものです。提案内容については,2日目の報告会,25日の報告会で発表していただくことにしております。
 今後,実証実験の検証結果やトレジャーハンティングの提案内容を踏まえ,(仮称)デザイン計画を策定していきたいと考えています。

 また,こうした様々な取組を通じて市民の皆様には,にぎわいが復活した将来の福山駅前,あるいは中心市街地の姿をイメージしていただければと思っております。
 多くの方にお越しいただきたいと思っております。以上が1点目であります。

 2点目は,ハワイ州マウイ郡への親善訪問団の派遣についてであります。
 10月3日から7日にかけて5日間,私を団長として,市議会議員,職員,市民訪問団等,総勢15名で,本市の親善友好都市であるハワイ州マウイ郡を訪問いたします。

 今年は,本市とマウイ郡とが,2008年(平成20年)5月17日に親善友好都市提携を締結してから,10周年を迎えます。
 今回の訪問を通して,これまでの親善友好の歩みを互いに確認するとともに,本市とマウイ郡との絆を一層深める機会にしてまいりたいと考えております。
 また,市民訪問団は,現地の幼稚園を訪れ,日本の昔話の絵本を英語で読み聞かせをするなど,独自の交流も予定されていると伺っています。

 次に,3点目は,「福山版 図柄入りナンバープレート」について御報告であります。
 本日から,カープのマスコットや球団ロゴをデザインした,福山版のナンバープレートの交付が開始されました。

 先月28日現在の事前申し込み数は2,381件を超えました。これは,地方版図柄入りナンバープレートを実施する予定の全国41地域における事前申し込み数の約4分の1を占めています。もちろん全国で第1位であります。
 次点は「くまもん」,熊本県熊本市ですね。それが1227件と伺っております。多くの皆様が,心待ちにしていただいていたあらわれじゃないかと,大変うれしく思っております。

 交付料金については,普通車が8,500円,これに1,000円以上の寄付を行うことで,フルカラーにすることができます。寄付金を活用して地域振興にも役立てたいと考えています。
 このナンバープレートを着けた車が走る広告塔として,福山の名前を広く全国へ向けて発信していただけることを強く願っています。
 なお,交付開始を記念いたしまして,本日12時から,本庁舎北側広場で,記念セレモニーを開催します。協力のお申し出をいただきました民間企業のカープナンバー車両が集結します。
 また,特別ゲストとして,福山市出身で,広島東洋カープでも活躍された江草仁貴さんをお招きしています。一緒に交付開始を盛り上げていきたいと考えております。

 4点目であります。先の7月豪雨等以降の,災害復旧についてご報告をいたします。
 被災した道路や河川などについては,先週から,国の災害査定が始まり,段階とすれば,本格復旧の段階に入っています。

 また,宅地内の土砂等の撤去状況でありますが,これまでに,申し込みの受付件数が102件です。うち撤去完了が36件でありますが,年内には全て撤去を完了したいと考えています。

 次は,ため池ですが,下流の家屋や公共施設等に被害を与える可能性のある農業用ため池について,7月から8月にかけて農林水産省が緊急点検を行いました。
 この結果,応急措置が必要とされた市内のため池数は,60ヶ所でありました。

 今回の甚大な浸水被害の状況を受けまして,再度災害を防止する観点から,8月に,国・県等とともに,「福山市域における浸水対策協議会」を立ち上げました。
 一方,県でも同様の動きがありまして,有識者による「今後の水害・土砂災害対策のあり方検討会」の「砂防部会」,「河川・ダム部会」が開催され,今回の災害の検証が始まっています。

 福山市はですね,この部会のうち「河川・ダム部会」としっかり連携をしていくことになります。そして,福山市における協議会,11月に予定していますが,この第2回の協議会では,県の議論の情報収集に努めながら,各河川における被害の発生要因と分析と対策のあり方について,議論を深めたいと思っています。

 ここのポイントですが,この福山市における議論の成果をですね,31年度予算にしっかりと盛り込んでいく必要があることから,第2回の福山協議会を,11月に予定しています。
 おそらく県の「河川・ダム部会」もその頃には,第2回の議論が行われると思いますが,そうしたものを通じて,11月中には第2回を踏まえまして,福山市では中間取りまとめを致します。この,中間取りまとめに添った形で早めの予算提示に努めていこうという思いを強くしております。

 次に,「被災者支援相談窓口」についてであります。
 被災者支援相談窓口については7月19日から本庁舎3階この階の33会議室に「被災者支援相談窓口」を開設してきました。

 9月20日現在,延べ相談件数は1,253件ありました。これとは別に,電話による相談件数が,延べ1,172件ありました。合計で2,425件ということであります。
 開設当初は,「り災証明」の申請受付や発行業務,あるいは「災害救助法」に係る各種支援制度の案内や説明業務が多くあったわけでありますが,現在は「り災証明」の再発行,あるいは,見舞金・義援金についての問合せ,宅地以外の土砂撤去相談などの業務が多くなってきております。

 そうした相談内容・相談受け付け内容の変化も踏まえまして,本日から本庁舎1階に窓口を移します。
 1階の「市民相談課」内に,同じ窓口を移しまして,引き続き,相談業務に当たっていきます。拠点支所における取組は,従来どおりでございます。
 今後も,被災された市民の皆様への丁寧な対応を心掛けて,一日も早く日常の生活にお戻りいただけるよう支援を継続してまいります。

 以上であります。

質疑応答

記者

 7月の西日本豪雨災害から間もなく3カ月となります。
 現在,備後圏域の8市町で共有している地域課題はどのようなものがあるのでしょうか。また,9月議会でも質問が多くありましたが,河川や排水機場の対応,ため池の復旧状況,災害ごみの処理状況についてを教えていただけたらと思います。

 それと,農林水産省は9月6日,ため池の緊急点検結果を発表しまして,応急措置が必要と判断したため池が全国に1,540カ所あって広島県内は534カ所,福山市内は60カ所に上ったと発表しています。福山市内の60カ所については重要ため池に該当していたかどうかや,法面などにどのような対策を取っているかを教えて頂けたらと思います。

市長

 まず,1点目でありますが,備後圏域における共有している地域課題についてであります。
 例えば,がれき等の撤去に関する財政支援ですね。国の支援策の運用の統一化の問題。2点目は,河川の浸水対策の抜本的な強化が必要である,そういう認識。3点目は堆積土等除去による河川流下能力の一刻も早い向上ですね。それから,防災重点ため池の追加指定,あるいは,対策工事の実施に向けた財政支援,さらには,中小企業,また,三原では大企業も甚大な被災を受けられましたね。そして農業への支援。こうしたことを共通の課題として,確認をし合ったという事であります。

 また,その他にも事務レベルでの協議を致しました。その中では,被災住宅の改修に対する支援の問題,避難所の運営に対する問題,特に,そこに市町の職員をどのように貼り付けていくか,職員の確保ですね。それから復旧工事にあたっては,監督者のいる事業者の確保についての課題を協議致しました。

 それぞれ,この課題の解決について,取組を行っていますが,例えば,がれき等の撤去では,まずは,備後圏域の自治体が共通して対応をとって進めていこうと合意をし,対応に入ったということであります。すぐに,何でも解決につながっていくことは,そう多くはないと思いますが,引き続き定期的に協議をしていくことは重要だな,意義があることだな,と感じました。引き続き7月豪雨の災害対応に向けた連携の場を持っていきます。

 今後,このようなことが再々あってはならないんですけども,必要があれば直ぐに共通の対応が取れるように連携を深めていきたいと思っています。

 それから2番目ですね。河川や排水機場,ため池の復旧状況や,災害ごみの処理状況についてご質問がありました。
順を追って,ご説明を致します。

 河川でありますが,流れを阻害しています流出して溜まった土砂の撤去や,水圧に流された,抉られた,痛んだ護岸に対する仮設の土のうの設置とか,緊急対応ついては概ね完了をいたしました。
 また,排水機場でありますが,ポンプ等に不具合が生じたものについては,点検し,必要に応じた応急措置を実施しています。

 土地改良区が管理する八尋排水機場というのがありますが,八尋排水機場では排水に支障のないよう仮設ポンプを設置する形で,応急対応としています。つまり,八尋排水機場だけが応急対応が十分になされていないため,仮設ポンプでそれを補完する形で応急対応としている,ということですね。

 それから,ため池でありますが,二次災害防止のために,ブルーシートや土のう設置を行いました。また,併せて低水位管理実施をするなど安全確保を図っています。 
 河川・排水機場・ため池,いずれもですね,本復旧が今後取り組まれていくわけですが,現在,測量・設計・積算等こうした準備を進めて,整ったところから順次,工事発注を行い,早期の本格復旧に取り組んでいく,こういう段取りになってきます。

 災害ごみでありますが,9月21日現在の災害ごみの受入量ですが,一般の持込は約3,224トン,地域の仮集積場の被災ごみは約2,563トン,合計で約5,787トンとなっています。
 例えば,2年前の災害と比べますと,2年前の災害ごみは190トンであります。ただし,2年前は土砂・がれき等出ておりませんので,今回,土砂・がれきが,先ほど申し上げました総量のうち3,467トンありましたので,それを除きますと2,300トンくらいになりますかね。つまり,2年前190トンあったごみが今回は2,300トンに上ったということであるかと思います。

 処理状況でありますが,燃やせるごみは全量処理を終えました。燃やせるごみが参考までに申し上げますと,約 862トンありました。
 これは全量処理を終えました。また,タンスなどの燃やせる粗大ごみ,これについても処理を終えました。
 これが約658トンであります。また不燃ごみはテレビや冷蔵庫等家電リサイクルの対象品目や処理困難なものを除いて,市の処理施設で処理を終えました。
 家電リサイクルの対象品目や市の処理施設で処理が困難なものは民間処理を行いますが,今年度内に処理が終わる予定であります。そうした物が全体で604トン。遅くとも年度内までに全て処理を致します。

 次でありますが災害等廃棄物処理事業がございます。
 これによって公費での半壊以上の家屋の解体が支援を受けることができます。対象になる半壊以上の家屋が市内で35件ありますが,そのうち20件が家屋解体の意向を示されております。そうした支援策を使いまして家屋解体を住居については進めていくことになります。

 また,宅地内に堆積した土砂混じりがれきの撤去であります。
 制度が運用される前に自力で撤去された方がおられます。117件の方については遡及して費用を支援する,そういう制度が適用できます。そうした方については,随時申請を受け付けております。こういう状況であります。

 1点だけ訂正をさせていただきます。
 ごみの処理状況を説明を致しましたが,もう一度整理を致しますと,燃やせるごみ862トンについては,全量処理をいたしました。これは先ほど言ったとおりです。
 次にタンス等燃やせる粗大ごみについては,これも処理を終えましたと申し上げましたが,50%処理を終えました。
 半分処理を終えました。そういうふうに訂正をさせていただきます。

 最後は,ため池への対策等でありますが,先ほど申しましたように,応急措置が必要と判断された60カ所のため池のうち,重要ため池は5カ所ありました。

 また,法面への対応についてのご質問がありました。崩落した堤体法面へはブルーシートの設置,そして土のうの設置,そうすることによりまして,被災した箇所が拡大しないような応急措置をしております。

 また,ため池が決壊して土砂が下流へ流出した,そうした箇所が1カ所ありますが,そういった所については下流水路に堆積した土砂を撤去して水の通りを確保します。
 そうすることによって下流域への被害防止を図っています。こういう対応をしています。

 もう一度申し上げますと,農林水産省がチェックをした応急対応が必要な箇所は,60カ所あります。これとは別に,市が独自に応急対応の必要ありと判断したため池が36カ所ありました。
 60足す36カ所の96カ所について応急処置を現時点で終えているという整理になるかと思います。

 以上でお答えと致します。

記者

 追加で1点だけよろしいですか。
 浸水対策についてお尋ねしたいんですけども,昨日の台風では手城川とか吉野川・福川で水位が上昇して,避難勧告などが発令されていますが,西日本豪雨や9月の大雨のときに同じような状況が繰り返されている。
 福山の降水量を見ると,他の地域より突出して多いわけではない。なので,このような状況が続くと中々,住民の方もやっぱり何度も避難しなきゃいけないという状況になると思うので,抜本的な対策というのが必要になってくるのかなと思いますけども,それについてはどういうふうにお考えをおもちですか。

市長

 これまでも申し上げてきたかと思いますが,また,議会でも答弁してきましたが,7月豪雨災害を受けて抜本的な対策を国・県そして市で講じようとしていた矢先の今回の台風24号であります。
 したがって,現時点でできることは最大限やったということが今回の災害対策になります。

 ご質問にあります特に,手城川流域や,瀬戸川流域,福川流域等における浸水被害を根本的に軽減するような方策については,できるだけ早いタイミング,例えば我々が目指しているのは新年度予算に向けて国の制度が適用できるような体制・受け皿を県と市で作っていく,こうした取組に繋がるように,今,全力を挙げて取り組んでおります。
 場合によっては,もし,年度内に補正予算の編成がある場合には前倒しをして,そうした補正予算にも計上できるような対応に繋げていきたいと思います。

 例えば,これまで県を中心に河川改修事業は進んできました。
 手城川流域で言えば残り16年かけてやると,こういう大きな事業に取り組んできました。
 それを大幅に圧縮して重点的に緊急的にやるということになると,技術的にも大変困難を伴うことも予想されます。
 今,そうした課題について県と市で必死になって取り組んでいる状況であります。

記者

 災害や安全対策が一緒になった形の質問になるかも知れませんが,市の北部のことについて少しお伺いします。

 先日,神辺や駅家の方で電車に小学生がはねられるという痛ましい事故がありました。その前の年にもバイクの事故もあそこで起こっています。
 今回の浸水の時もそうでしたが,かつてはあの辺りは多くが水田で,それが宅地化に伴って当時整備されたインフラが現在の生活に合ってないところが沢山ある。
 以前,浸水対策については,ポンプ場の増強とかで対応されるということでしたけれども,全体的にあの辺りの街自体が都市化に合っていないようなインフラの整備のように思えるんですけども,その辺りというのは,抜本的に何か手を入れられたりするようなお考えとかあるのでしょうか。

市長

 現時点でポンプについて何をするかということについては,はっきりとした方針はまだ出ておりませんが,検討はしております。
 もちろん,先ほど例示的に手城川と山手地区・瀬戸川・福川の事例を挙げさせていただきましたが,浸水対策というのは,広く市内広範囲に発生いたしましたので,そうしたところを中心に,どのようなインフラ整備が必要とされるのかというような事を考えている,それがお手元の資料にあります現在の本市における協議会の事業でございます。

記者

 西日本豪雨から3カ月が経ち,6市2町の備後圏域の連携のあり方についてですが,そもそも6市2町で元々あった場合はどこかの自治体が被害にあった場合,相互に応援しましょうということが基本線であったと思うんですけども,今回のように同時多発的に各市町が被害にあった場合,その場合の備後圏域の連携を市長が経験されて,浮き彫りになった課題と初動を含めて今後の方向性について改めてお聞かせいただけたらと思います。

市長

 今回,まず全般的に感じたのは,国が様々な手厚い支援策を打ち出してくださる,これは大変被災地にとってはありがたいことでありますが,省庁が分かれている,法律が分かれている,そういう中で微妙に対応の内容が変わっている。
 あるいは打ち出すタイミングについてタイムラグがある。そうしたことは現地での動きの足枷にもなるんですね。

 我々が頭の中でしっかりと整理した上で,被災された方に対応をしないといけないという意味では,少し我々の受け止めの混乱に繋がるという事があります。そういう課題意識を恐らく備後圏域の複数の首長が共有したんだと思います。

 首長が集まって国の制度がこれからどう自立し統一化されるか,それまでの間にやるべき事を迅速にやっておきたいという思いで一致をしたという事だと思いますね。
 もちろん,市町によって被害・災害の様相はまちまちですから,共有できるところで部分的に共有しながら,より迅速な対応に今後は努めていけるように,この協議の場が深まっていけばいいなというふうに思っています。
 そういう意味で先ほども大変な深い意義を感じているというふうに申し上げました。

記者

 もう一点,福山市が果たす役割について,どのようにお考えですか。

市長

 備後圏域の全体の動きを加速化していくということ,それから国に対して,迅速にしかも地域の実情を正確にですね,しっかりと繋いで行くということが備後圏域の中核都市としての責務じゃないかなと思います。
 もちろん知事に対する要望等につきましては,圏域の首長と共にいち早く行動を,今全体としてと言いましたが,それ以外のところでしっかりとしたリーダーシップを果たしていく,そういう事かと思います。

 今回,浸水被害対策について,当初は西日本の中でも広島の西部の土砂災害,大変,悲惨な状況でありました。
 隣の倉敷の真備町の浸水被害,これもまた甚大でしたね。そうした両者が意識されすぎたという感じがありました。

 それに対して福山は,この2,000ヘクタールも浸水したという事実をしっかりと受け止めてほしいと,三原でも大きな浸水被害があって,大企業も含めて,多くの方が被災されたということを訴えていった結果ですね,国の理解も深まってきたというふうにも思っております。
 引き続き,そうした責任を果たしていきたいと思っています。

記者

 もう一点だけ。
 話は変わるのですが,先日,職員の飲酒運転に伴う懲戒免職処分の取り消し訴訟で,控訴を棄却する判断が下されましたけれども,これを受けてですね。
 もちろん上告等検討するということですけども,福山市として職員基準の見直しとかですね,改めて再検討するという事はございますでしょうか。

市長

 現在,まだ未定です。

 飲酒運転は悪質であり,重大な事故を引き起こすそういう事案であります。だから,これを厳しく対応していくという事が基本だと思います。

 そういう意味で私たちは,必要な対応を取ってきたというふうに,今でも考えています。ただ,司法からそうした判断が出てきたという事ですから,現在,どういう対応をするのか考えていきたいと思いますが,冒頭に申し上げました基本線は,やはりあるべきなんだろうと私は思っています。

記者

 市長も東京に行って募集された兼業人材(戦略推進マネージャー)についてお伺いしますが,彼らが就任して半年が経ちました。これまでの活動をどう見ていらっしゃいますか。

 例えば,市長が「なるほど」と思うような働きかけがあったら教えて頂きたいということと,あと,彼らの任期は1年間という事ですけども,今後,人材活用の継続をされていくのかどうか見通しがあれば教えてください。

市長

 具体的な事例については,担当の局長に答えさせます。

 なかなか週1回来て頂いて,しかも,みんなが揃う機会が少ない中で,どうチームとして力を発揮していくか,これは,そんなにたやすい事ではないと思っていました。
 だけども,個人個人の能力に頼るだけではですね,やはり組織は動かないという意味で,早い段階から経営戦略監にチームの取りまとめの依頼をしました。

 そういう中で,企画財政局と連携をしながら議論が進み,先般発表させて頂きました人口減少対策についてですね,従来ない新しい視点からの論点のフォーカスが出来ていったように思います。

 具体的な事例ではありません。それは,事務方に任せますが,例えば人生のそれぞれの段階や生活の形態というんですかね,そういうものを「ペルソナ」という形で整理をしてですね,そういう人たちが,どういうニーズを持っているのかをあぶりだして,そこに,人口減少対策をぶつけていこうと,そういう手法は非常にこれまでにない効果のある手法じゃないかと,私は,そこで「なるほど」と,思いましたね。
 そこにDBJ,日本政策投資銀行も色々助言をして頂いた。そういう意味では民間人がチームを組んで私たちに刺激・気付きを与えてくれている。
 これも「なるほどね」という思いであります。もちろん,これから新年度予算に向けてそうしたマネージャーチームの発想をどのように政策の形に変えていくかというそれぞれの局長の腕の見せ所になっていく訳でありますね。
 そういう中で,本当の「なるほど」というのが出てくるように頑張っていきたいと思っています。

 人材活用の継続については,出来たらもう少し,そうした取組を続けていけばいいかなと思っていますが,職員の声も聞きながらですね,最終的に判断していきたいと思います。

 私は,非常に今,滑り出しとしてはいいので,もう少し一緒になって汗をかきたいと思っています。

企画財政局長

 先ほど市長の方からお答えさせて頂きましたとおり,この3月から戦略推進マネージャーが福山市役所に入って頂きまして,人口減少対策を始め,民間の視点,外部の視点をですね,様々なご意見を頂きまして,取り組ませて頂いております。

 その中で企画財政局を始めとしまして,各部局にも張り付いて頂きまして,現場の各部局としっかりと議論して政策を進めていきたいというふうに考えています。
 政策を進めているところでございます。具体的なところ,現在5人の方に入って頂いておりますけれども,先月に中間報告といったかたちで戦略推進マネージャーの活動報告についてご報告をさせて頂いております。
 こちらの具体的な中身についてはですね,説明する場を作らせて頂けたらと思っておりますので,こちらのほうでよろしいでしょうか。では,そちらで説明させていただきます。

記者

 災害ごみの処理状況ですけども,先ほど現在の処理状況の進捗度合いで,市長の率直な受け止めと,今後ですね,現在,可燃ごみのRDF処理とかが,広域の自治体間でされているじゃないですか。
 それで,その災害ごみの処理についても福山市が広域連携の下,受け入れるとかですねそういうお考えがあるのかどうか,その2点をお伺いしたいのですが。

市長

 例えば2年前に比べてどのようにごみの進捗がどう進んでいるかということについては,後で担当のほうからお答えいたしますが,災害ごみの広域の受け入れについては,これは県が判断しているんですね。
 そういう意味では,県からそういう話があれば,それはもう,地域にあるいは市町に貢献するという任務がありますので,最大限協力はしていきたいと思っております。
 今は県が指定した広域の災害ごみの処理の施設で処理がなされているという状況で,現在,福山には特に県から話は来ていないと,こういう状況だと思います。

経済環境局長

 ごみの処理の状況にどのような感想を持っているかという質問がありましたが,2年前から比較して,今回,先ほど市長からも説明がありましたけれども,大変量が多くなっております。
 そうした中で,燃やせるごみなどについては,全力で処理を終えさせて頂き,大変速やかにごみの処理が終わっているかと思います。

 これには,実際災害ごみに出されたときには,かなり分別とかできないまま皆さんごみに出されておりますけども,こちらのほうを収集したうえで,職員一丸となって分別を進めた結果,処理のほうも大変速く,スムーズに進めることができたと考えているところでございます。
 以上でございます。

 以上。