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12月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月18日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2018年(平成30年)12月25日(火曜日)

報告事項

・2018年を振り返って

・学校図書館の充実について

会議録

市長

 おはようございます。今年最後の記者会見となりました。一年間,大変お世話になりました。
 最後ということもありますので,私の方からこの一年間を振り返っての思いを述べさせていただきたいと思います。

 何よりも,まず7月の豪雨災害の事を挙げなければならないと思います。尊い命が失われ,約2,000haが浸水する甚大な被害となりました。3つのことを強く思い知らされました。
 まず,浸水被害に対する備えの重要性ということでありました。2点目は,排水ポンプの脆弱性についてでありました。そして,3点目は,ため池の対策の緊急性,この3点についてでありました。

 発災直後から,企業や全国のボランティアの方を含む多くの方々からご支援をいただきました。改めまして,心から感謝を申し上げたいと思います。
 復旧は,未だ道半ばであります。「二度と床上浸水被害は起こさない」という強い決意のもとで,抜本的な浸水対策の策定に向けて,現在,国・県と共に詰めの協議を行っております。また,ため池の安全管理についても県と共に早期に進めて参りたいと考えております。

 次は,5つの挑戦についてであります。その取組を加速した年であったと,このように位置づけております。主なものについて,私の思いを申し述べさせていただきたいと思います。

 まず,福山駅前の再生でありますが,今年3月には,国の地方再生モデル都市に選定されました。国との連携が確認をされた,そんな出来事であったと受け止めています。また,リノベーションまちづくりに向け,4月には「築切家守社」が設立をされました。
 また,フクビズと広島銀行の連携により独自の融資制度「にぎわい」が創設されまして,起業の支援体制が整い,リノベーションスクールによる第1号の店舗が開店をいたしました。旧キャスパ・旧と~ぶホテル跡再生への本格的な事業化に向けた動きも加速をし始めております。

 また,福山駅北口の整備に向けましてJR西日本から提案書も提出されました。このように,再生に向けた動きが次々と連鎖し始めていると,このような思いを感じております。現在は,福山駅前再生デザイン計画の策定に向けた議論が順調に進んでおります。このデザイン計画の中にこれまで頂いた,あるいは今後提案されるであろう諸々の考えを盛り込みながら具体化に向けた第一歩にしていきたいと思っています。

 2点目でありますが,子育てについてであります。
 就任以来,子育てナンバーワンの都市を目指すと,こういう思いをお話して参りました。また,人口減少対策としても取り組むべき喫緊の課題と受け止めています。

 「あのね」であります。「福山ネウボラ」であります。
 新たに今年,市立大学附属こども園にも開設をし,この約1年半で23,000件余りの相談を受けつけました。 
 子育ての不安や負担の一定の解消につながっているのではないかと,このようにまずは受け止めています。「社会全体で子育てをする」と,この必要性も近年言われておりますが,こうした取組の拠点にして行きたいと,このように思っております。まだまだこれから発展をさせていかないといけない政策であります。引き続き注力をして参ります。

 また,待機児童ゼロでありますが,この調査が発足して以来,待機児童ゼロを継続して参りました。
 昨年は制度が変わりまして一時的に待機児童が発生いたしましたが,今年,年度初めには待機児童ゼロになっております。今年も中間的な調査では,一時的に場合によっては待機児童の発生もあるかも分かりませんが,最終的には待機児童ゼロの実現を目指して参りたいと思います。

 そして,もう一つは子ども医療費の無償化の拡充でありました。
 県と共に行いました「福山市子どもの生活実態調査」からは,経済的理由から受診控えが見られる,特に中学生家庭で見られると,こういう調査結果を得ました。
 これを受けまして,乳幼児の医療費の無償化を外来・入院ともに中学生までに拡充しました。そして,「子ども医療費助成制度」という形に制度を変えていったわけであります。

 こうした医療費助成の拡充については,私が就任以来行ってきました車座トークでも数多く市民の方から要望をいただきました。そうした声にも応えることが出来たと考えております。

 2017年(平成29年)の合計特殊出生率は,1.67となりました。2016年の1.60から少し上昇したわけでありますが,一方で,出生数は3,964人となり,2016年の3,879人から増加したものの2年連続での4,000人割れということになっています。
 引き続き,危機感をしっかりともって人口減少対策,そして子育て政策の充実に努めていきたいと思っています。

 振り返りの次は,「鞆」であります。
 今年の5月に鞆の浦をテーマとしたストーリーが「日本遺産」に認定されまして,国の重伝建,そしてユネスコの「世界の記憶」と合わせて,国内で唯一,3つの評価を受けることになりました。国土交通省の「みなとオアシス」にも登録をされました。鞆の価値が改めて確認をされた出来事であったと思います。

 もう一つ,鞆については,埋め立て架橋計画の撤回の代替案となる「山側トンネル案」のルート案3案が,初めて示されたという大きな一歩を示した年であっただろうと考えております。
 思い返しますと,今年の1月に県の地元説明会がありました。そして,それを受けてこの問題の窓口であります町連協から県に対する要望書が出されたわけでありますが,その中で,トンネル案について早急に具体的な計画を作成し,提示をし,協議を願うと,こうした旨の要望がなされました。これが,一つの大きなきっかけになっただろうなと,こういう思いをしております。
 今後は,町連協から先の地元説明会を受けて改めて地元の意見を取りまとめた意見書あるいは要望書が県に出されると,このような動きも聞いております。もし,そのような要望書が出されることになれば,市も地元の意見がしっかりと伝わるように精一杯の後押しをしていきたいと思っております。
 県においても,地元の意見をしっかりと受け止めて早期にルート案の絞り込み,あるいは成案を得るようなご尽力をいただきたいと強く要望したいと思います。

 最後でありますが,ふくやま未来づくり100人委員会についてでありです。
 委員や未来づくり応援団の皆様など,オール福山で1年がかりでの議論を経て,私の後ろにあります未来図を描いていただきました。1枚は市役所の市民ホール,そしてもう1枚はいつも私の部屋(市長室)に飾ってあります。毎日,この未来図を見ながら30年後の未来に思いを馳せております。
 今年度は,この100人会事業の継承事業として「未来づくりミーティング」を開催してまいりました。来年2月頃には,本市の未来づくりに向けて市民が自ら企画をする新しい提案がなされるものと聞いています。

 以上,申し上げましたが,人口減少が進む中,若者や女性に選ばれる街づくりにスピード感を持って取り組んで参りました。そして,備後の中核都市として輝きを放ち続けるよう,未来にむけた基礎を一つ一つ積み上げて参りました。このような1年であったと振り返っています。

 それから,2点目の報告に移らせていただきます。
 2点目は学校図書館の充実についてであります。これが最後のご報告となります。
 私は就任以来,子どもの学びを支える教育環境の整備に力を注いで参りました。校舎の耐震改修工事,それから中学校給食の完全実施,ICT教育機器の整備等であります。

 また,公立小中学校の全普通教室へのエアコン設置も当初の予定を前倒しし,来年度末までの整備完了を目指すことにしました。
 こうした中,就任以来継続してきました「市長と車座トーク」の中で,児童生徒や地域の皆様から,学校図書館を充実して欲しいといった声を聴きました。

 特に,児童生徒さんからこうした声が何回か私に届けられました。福山100NEN教育として取り組んでいる「子ども主体の学びづくり」の為にも,学校図書館の図書の充実と環境整備は必要であります。  
 なんとか「車座トーク」でいただいた声にも応えたいと考えまして,2019年1月から概ね5年をかけて公立小中学校の図書を充実させていくことと致しました。そして,企業や団体の皆様にも趣旨にご賛同いただき,ご寄附を頂きたい,ご寄附をお願いして参りたいと考えております。

 図書についてでありますが,例えば宇宙や環境,動植物といった子どもたちがワクワクしたり,知的好奇心を喚起されるような分野,自然科学系が中心となるかも分かりませんが,こうした分野,あるいは,日本と諸外国との関係など,自ら学んだり確かめたりする主体的な学びを支援するような,そんな図書の充実に努めていきたいと考えております。
 そして,環境整備でありますが,リビングルームのような温もりのあるくつろぎの空間の中で,児童生徒が楽しみながら夢を膨らませる,そんな学校図書館を目指していきたいと考えています。

 子どもたちが本のページをめくりながらイメージを育む感性を育て,「学び続ける力」を強めていけるよう,皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
私からの説明は,以上でございます。

質疑応答

記者

 幹事社からは2つを一括して代表質問をさせていただきます。
 まず,1点目は福山市新年度当初予算(案)の編成についてです。
 来年度は,市長が就任されて1期目4年の事実上の集大成の年となりますが,新年度当初予算(案)を編成し,市民に示すことへの意気込みをお聞かせ下さい。

 2つ目の質問です。
 若者世代の投票への呼び掛けについてですが,来年は統一地方選挙が行われます。
 福山市に限っては関係ありませんが,市内でも県議選など選挙戦が繰り広げられます。若者世代への投票の呼び掛けなどで関心を高める手段は検討されてますでしょうか。

 以上2点,お願いいたします。

市長

 新年度は,私の約束である「5つの挑戦」を「深化」させていきたいと考えています。
 そしてそのために,次代を担う子どもたちの健やかな成長などを支援する人口減少対策,抜本的な浸水対策,そして都市の魅力向上,この3つの取組を集中的に取り組みたいと考えています。

 まず,人口減少対策でありますが,行政の取組だけでは限界があります。危機意識と役割分担を市民や産業界と共有できるように,アクションプランを作成致します。そして,人口減少対策の実効性を高めていきたいと考えています。
 先週19日,総合戦略推進会議の中に人口減少対策検討部会を立ち上げましたが,その部会がそうした市民総ぐるみの人口減少対策の大きな方針固めをする,そうした組織になるのだろうなと,このように思っております。

 2番目は浸水対策でありますが,国・県と共に県河川改修事業の大幅な加速化を目指して参ります。また,本市の役割としては,水路改修や排水機の整備を集中的に実施して参ります。
 抜本的なこうした浸水対策には,来年度以降5年から7年程度,そうした長期の取組は避けられません。その間の暫定的な対策にも並行して取り組みながら,減災・防災の質を少しでも上げていきたいと思っています。

 3つ目は都市の魅力向上でありますが,福山駅前再生の動きを一層加速させます。リノベーションまちづくりや福山城周辺の整備を進めて参ります。(仮称)デザイン計画の策定を2019年度末までに行うと申し上げてきておりますが,要すれば,エリアとして捕らえながらそのエリア価値を高めていく取組に入っていくということになるかと思います。

 また,新総合体育館,公園,そして(仮称)かわまち広場を同時完成いたします。競馬場跡地を活力と憩いの空間へと再生し,賑わいを創出していきたいと思っています。現時点で,新総合体育館の工事出来高ベースで捕らえました進捗が5割弱であります。約46%と報告を受けています。
 着実に新総合体育館の整備が進んでいるということだろうと思います。それと合わせて,一体的な当該エリアの拠点づくりを目指して参ります。

 それから10年,20年先の福山の姿を見据え,地域課題の解決などへ先端技術を積極的に活用した快適な都市づくりや,あるいは,循環型社会の構築に向けた取組,こうした事にも取り組んでいきたいと思っております。
 まだまだ,今,庁内で来年度予算に向けた具体策の検討を行っている最中でありますので,先ほど申し上げましたような大きな方針を超えて具体的に申し上げることはまだ難しいのですが,引き続き「活力と魅力に満ちた福山」の実現に全力で取り組んで参りたいと考えております。

 2点目の質問であります。若者世代の投票への呼び掛けについて,ご質問がありました。
 来年の統一地方選挙では,4月7日県議会議員一般選挙が執行予定となっています。全国的な投票率の長期低落傾向,特に若年層の投票率が低い状況となっておりまして,本市におきましても同様の課題をもっております。

 福山市選挙管理委員会では,来年の県議会議員選挙に向け,若年層に向けた選挙への関心を高める取組として,今年の新有権者となる高校3年生に,投票のやり方など分かりやすくまとめた「投票ポケットブック」を先週配布致しました。
 また,この度の選挙からは,広島県選管により選挙公報が作成されることになっているようであります。
 新聞折込等による配布と同時に,高等学校や大学,企業の独身寮等への設置をお願いして,候補者の情報が周知されるように努めていきたいと考えております。
 その他,高校・大学への出前講座や,成人式やふくやまマラソンのイベント会場においても,呼びかけをしていきたいと思っています。

 また,選挙期間中の土曜日には,本市の「明るい選挙推進協議会」と選挙管理委員会が広島県選挙管理委員会と合同で,駅前で街頭啓発を行う予定にしていますが,特に若年層対策といたしましてフラッシュモブという取組を実施する予定しているようであります。
 実際,多くの高校生や大学生と接していますと,福山市の歴史や現状を学び,そして,福山や日本の未来に対する思いを強くもっている,そんな若年層が多くいると感じています。
 若い人たちには,これからの街づくりは自分たちが主役なんだという,そういう思いをしっかり持っていただき,そして相応しい候補者を自らの責任で選ぶ,こういう思いを持っていただくことで投票行動に繫がっていくと,期待したいと思っております。以上です。

記者

 2点ありまして,1点は災害についてですが,先ほど浸水対策について,国・県・市と詰めの協議をされるという事をお話いただきましたが,手城川・瀬戸川など何回も浸かる地域にとっては,どのような具体的なことが詰めの協議まで来ているのかというのが住民の関心ごとではないかと考えます。
 予算編成前ではありますが,どの辺りまで協議が進んでいるのかをお話いただければと思います。

市長

 先ほども申し上げましたように,発災直後から取り組んできました防災対策・減災対策,特に抜本的な浸水対策の協議,発生直後から続けてきている訳です。そして,何が有効な対策なのか,どこまで期間を短縮できるのか,そうした論点を議論してきています。

 二次補正で盛り込まれるべきものがあるのかどうか,あるいは,当初予算で盛り込まれるのか,そうしたことも含めまして,今,国の予算編成と一体となった動きとして議論をしているということを,まず,市民の皆様方にはご理解を頂きたいと思います。

 これまで,そうした議論に注力するあまり市民の皆様方に情報の提供量が少なかったとすれば,それは,今後の議論の中で可能な限り途中経過も含めてお伝えできることについては,できるだけお伝えをしていきたいと,このように思っています。現時点では,そういう答えになるかと思います。
 もちろん,何度もこの間,浸水被害を被っておられる地域の思いについては,私が直接自ら国の方に直接お伝えをし,国の方では,そうした地元の声をしっかりと受け止めていただいていると,このように感じております。

記者

 先日,政府の方が中枢中核都市に福山市を選定されましたが,人口減少時代の中で,今後,中枢中核都市としてどのように備後圏域を牽引されていくか,また,これに対する政府への自治体としての要望,支援体制を含めてお答えいただければと思います。

市長

 全国で82市が選ばれた中枢中核都市の一つに織り込まれているということで,私どもも大変嬉しく思っております。 
 また,この問題は事前に動きや情報が分からなかったものですから,我々もどうなるのかと正直,気を揉んだのですが,結果的に入って安堵をしております。

 この前の県と市の,市長会の県知事と市長との懇談の場がありましたが,その中でも,私からこの中枢中核都市の指定を県としてどう受け止めているのかという問題提起を質問しました。
 つまり,これは市の問題であって,市とその周辺の問題であって,市がもっぱら取り組んでいくべき課題と考えるのか,それとも地域政策の一環として広域自治体である県も中枢中核都市の取組にしっかり関わっていくのか,連携していくのか,そういう質問は申し上げた訳でありますが,県の方からは県行政としてもしっかりと中枢中核都市に関わっていきたい,連携していきたいという話がありました。まずは,広島県においてはそういう枠組みの中で,今後取組が進んでいくと思います。
 一方で,総務省を中心にやってきております連携中枢都市との整理はどうなるのだろうかという疑問といいますか,思いがまだ私の中にあります。
 今後,色々制度の内容が具体的に示されてくる中で,そうした交通整備などをしっかり行いながら,目指す方向は連携中枢都市と同じ,あるいは,これまで申し上げてきたことと同じでありますが,その取組を一層後押ししてくれるという制度・政策だと受け止めながらしっかりと活用していきたいと思います。

 地方創生交付金の支援上限額が増えると,そのようなありがたい支援が当面はいただけるのだろうと思っておりますが,どのような分野に新たに活用されるのか,それが私たちの目指す方向と一致しているのか,一致しているのであれば十分な活用をしていく意味があると,このように前向きに受けとめております。

記者

 先ほど,市長のお答えの中で浸水対策として,来年度から5年から7年程度の見通しをもっていると言われましたが,これは国・県の河川改修事業が来年度以降5年から7年かかるという意味ですか。

市長

 それも含めて,今後の議論の詰めを待たなければいけませんが,やはり,抜本的な河川改修事業・内水排除事業ということになりますと,これは1年や2年では当然できませんね。
 そういう意味では一定の年月をかける必要がある,かといってこれまでのように,例えば手城川流域の総合治水対策にあと16年かかると,こういう訳には市民感情からしてもいかないと。そういう意味で,大幅な加速化を,今,国にお願いしているということです。
 最終的に,何年の計画になるのかということは,結論を待たないと分かりませんが5年とか7年とか年月がかかるのではなかろうかと,このように考えているということであります。

記者

 5年から7年というのは,国なり県からの回答としてそれくらいかかりますよと,いうお答えをいただいているということでしょうか。

市長

 いえ,そういう訳ではありません。
 これは最終的な議論の結論を待たなければいけないということであります。

記者

 ということは,市長の個人的な予想の範囲以内で5年から7年くらいかかるだろうというお考えですか。

市長

 そうですね。

 以上。