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7月定例市長記者会見
記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。
会見日:2019年(令和元年)7月26日(金曜日)
報告事項
・小中学校の空調設備整備について
・ピース・ニッポン・プロジェクトに対する本市の参加について
・福山版図柄入りナンバープレート 交付記念セレモニーについて
・服部地区へのオンデマンド型の乗合タクシーの導入について
会議録
市長
まず1点目でありますが,小中学校の空調設備整備についてであります。
小学校74校,中学校33校,義務教育学校1校の計108校の普通教室等へ今年度中の設置完了をめざして現在整備を進めています。夏休み中に工事を加速させることにより,2学期から,小学校17校,中学校5校の計22校で空調の使用ができることになります。これは学校数で言いますと全体の約20%,教室数で言いますと全体の約24%に相当いたします。
事業者には平日に加え,土曜日・日曜日・祝日を含めて工事を行っていただくなど,努力をしていただいておりまして,おかげで順調に整備が進んでおります。なお,改築工事を予定している学校や,現在学校再編で議論をしております学校,こうしたものについては2020年度以降にずれ込みますが,いずれにしても,整備の他にもリースなどのやり方によりまして,教育環境に支障がないよう対応してまいります。
以上が1点目であります。
2点目は,ピース・ニッポン・プロジェクトに対する本市の参加についてであります。
福山市はこのたび,本市出身の映画監督中野裕之さんが中心になって立ち上げたピース・ニッポン・プロジェクトという活動に自治体として初めて参加をいたしました。
このプロジェクトは,「日本を記録して未来の子どもたちに伝えていく」ということを目的に,インターネットの専用サイトを通じて,誰でも日本の風景写真や映像を記録したり,閲覧したりできるシステムを構築しようというプロジェクトであります。24日にサービスが開始されました。その中で,自治体で唯一,福山市専用のページも設けられ,鞆の浦や福山城などの風景写真や映像が地図と連携する形で収録をされています。また,現在の風景だけでなく,昭和初期の懐かしい風景なども記録をされています。
このプロジェクトを思い立った理由でありますが,中野監督の言葉によれば,「2011年の東日本大震災で街が丸ごと消滅してしまった。同時に写真やデータが無くなってしまった。みんなの思い出の色や音,そうした風景が無くなったことに衝撃を受けて日本の美しい風景を後世に伝えたいと,このように思い立ったのがプロジェクト設立の背景にある」とおっしゃっておられます。こうした中野さんの思いに共鳴し,福山市もこのプロジェクトへの参加を決めたわけであります。全国の自治体の参加の呼び水になればとも期待をしています。
また,福山の多くの方にもプロジェクトに参加をしていただいて,本市のさまざまな風景が記録されることで,福山の姿が未来の子どもたちに伝えられることを願っています。
次に,3点目であります。
福山版図柄入りナンバープレートの申込件数が今月中に1万件を超える見込みとなりました。
これを記念して,8月2日(金)にセレモニーを行いたいと思います。当日はサプライズゲストも招いて,1万件目のナンバープレート交付者を祝福したいと思っています。福山市南今津町の広島県自動車整備振興協会福山支所において,午前10時からセレモニーを行います。
このナンバープレートでありますが,交付の際に支払いの中に含まれております寄付金が,福山ナンバーを構成する市町の地域振興や観光振興に活用されることになっています。したがいまして,我々も更なる申し込み増にむけたキャンペーンに引き続き取り組んでいきたいと考えています。
6月末現在の申込件数ですが,熊本ナンバーはすでに1万件を突破して10,801件,福山ナンバーがこの時点では9,535件,第3位は仙台ナンバーで,5,223件となっています。今後とも,SNSを活用した情報発信などで,この3つのナンバーが共に連携しながら,この地域版の図柄入りナンバープレートの普及に努めていきたいと考えています。
以上が3点目であります。
次は最後の報告であります。服部地区へのオンデマンド型の乗合タクシーの導入についてであります。
服部地区は,バス路線の代替を必要としている地域であります。また,福祉施策で行う「おでかけ支援事業」も将来にわたって維持することが困難な地域であります。これはボランティアで運転を担っていただける方の確保が非常に難しいということがその理由であります。
今回,3月25日から5月末までの間で実証実験を行いました。その結果を受けての今回の乗合タクシーの導入であります。名称は「服部ぴっかり乗合タクシー」と呼んでおります。これは地域の服部小学校の生徒さんがこの名前を付けてくれたようです。蛍の絵は,これも地元の方の作品のようです。こうした作品を付けた「服部ぴっかり乗合タクシー」が服部地区を,主には高齢者の移動手段として活躍してくれるということになります。
この乗合タクシーの特徴について少し申し上げますと,他の地域の同様の乗合タクシーは,単一の事業者が専用の車両を使って行っていますが,今回の取組はタクシー事業者6社が参加します。そして既存の車両を弾力的に活用し,その時々の利用状況の合間を縫って,空いているタクシーを互いに融通しあいながら利用者の予約に対応していくということであります。
また,これまで実験を進めてきました新たな「予約配車システム」によって,この運行が実現をするということになります。電話による予約と,新しいアプリによるスマホを使った予約,この2つの予約方法を引き続き使っての事業になります。
今後でありますが,近い将来の自動運転の社会の到来を踏まえれば,アプリを使った予約システムが,できるだけ普及するような知恵を出していきたいと思っています。
また,病院や商業施設が行き先として想定されていますが,そういう所と連携したキャッシュレス化の実験も,併せてこの事業を通じて考えていきながら,さまざまな生活サービス連携の創出に取り組んでいきたいと思っています。当面は高齢者等の移動手段として維持させ,また利便性の高い内容になるよう進化させていきたいと考えています。
以上で報告を終わります。
記者
広島県が4月1日時点での認可保育施設に入ることのできなかった待機児童数を公表しています。福山市では10人でした。「待機児童ゼロ,子育てのしやすいまち」と掲げてきた市としてどう捉えるかが一つ。
もう一つは参院選についてです。市長が選挙前に,現職2人を支援すると表明されていましたが,結果はご存じの通りです。その受け止め,今後への期待などをお聞かせください。
市長
最初の待機児童に関するご質問です。
今年度,初めて4月に待機児童が10人発生いたしました。この10人は全員が0歳児から2歳児までの低年齢児でありました。低年齢児の保育ニーズの高まりが今回大きく影響したものと分析しています。
待機児童の解消には,受け皿と保育人材のそれぞれの確保が必要であります。まずその受け皿については,2006年度から本年度にかけて2,318人分の利用定員を拡充いたしました。受け皿については十分な確保ができていると思っています。
一方の保育人材の確保ですが,引き続き一層の努力をしないといけないと考えています。これまで,離職抑制のための処遇改善やいわゆる潜在保育士の復職に向けた取組を行ってきましたが,本年度からは,新たな確保策に取り組んでいます。こうした2つの確保について引き続き取り組んでいきまして,待機児童ゼロをめざしていきたいと思っています。
また,10月の無償化に向けて,ますます保育ニーズが高まっていくと,こういうことがあります。本年度作成を予定しています「第二期子ども・子育て支援事業計画」の中において,昨年12月に実施した子育てに関するニーズ調査やこれまでの利用状況を踏まえて,そのニーズを計画に反映し,十分な保育が行える環境の整備に努めていきたいと思っています。以上が1点目のご質問に対するお答えです。
2点目であります。参議院選挙の結果についての感想をお尋ねいただきました。現職を支援すると申し上げてきました。結果はこういう形になりました。これが県民の民意だと受け止めています。いずれにしましても,選挙を通じて各候補者ともに「広島県のために働く」と,こういう強い決意をそれぞれ語っていただいておりました。今後のご活躍に大いに期待をしたいと思っています。以上です
記者
小中学校の空調設備についてですが,まずは数字の方をお聞きします。現時点で小中学校や義務教育学校が何校あって,その内,整備する予定の教室が何校あるのか。それから,この夏休み終了時点での設置を予定している全ての小学校・中学校,義務教育学校,それから普通教室の数を教えてください。
教育次長
整備が必要な学校数をまずお答えします。小学校が74校,中学校が33校,義務教育学校が1校の108校です。
設置する教室数です。全体で小学校が1,236教室,中学校が527教室,義務教育学校が15教室で合計1,778教室となります。
8月末の整備完了教室数ですが,先ほどの1,778教室に対して446教室ということになります。
記者
学校の数を教えてもらえますか。
教育次長
小学校が17,中学校が5,義務教育学校1校ですが設置済みです。合計23校ということになります。
記者
今まで設置したものも含めて,全て設置済みになる校数及び教室数と考えていいわけですか。2学期から運用開始するのが17校と5校ですか。それ以前に設置されているものもあるということで。
教育次長
以前というのが特定の教室へ設置してあるものがどのくらいあるかということでしょうか。
記者
今回新たに設置するものと,それ以前に既に設置されている学校もあると思うので,それを含めた設置が終わっている小学校・中学校の数を教えてください。
教育次長
終わっているのは義務教育学校1校だけです。部分的に付けているというものではなくて,学校全体で必要な教室に全て設置できる,そういったところが今済んでいるのが義務教育学校1校ということです。
記者
それ以外は全く済んでいないということですか。
教育次長
普通教室と特別教室の一部に付けることにしておりますが,今回必要として整備をすべき教室に学校全体として設置できているのが義務教育学校1校ということです。
記者
はい,分かりました。
市長
また改めてよくご説明してあげてください。
記者
今の質問に関連して,順次設置していかれるということで,期待感を一言教えてください。
市長
大変期間が限られた中で,多くの普通教室に空調設備を設置していくことは,大変色んなご苦労もあると思います。事業者にも苦労があると思うし,教育現場においても教育関係に影響がない形で進めていかなければならないという意味ではさまざまご苦労がある。そういう中にあっても,できるだけ早く子どもたちの教育環境を整備してあげたいという強い気持ちに変わりはありません。今回先行的に22校の整備を,夏休み明けになってしまいましたけれども,それでもかなり順調に進んでいったと思います。年度内に当初の目的が達成されることを引き続き願っています。そのためにもさまざま努力をしていきたいと思っています。
記者
参院選のことを蒸し返すつもりはないのですが,今回の結果を受けて今後めざしていくべき備後地方の発展や福山市の産業・経済の発展に何らかの影響が出るというお考えはありますでしょうか。また,激戦ということで,こういう結果になるということを予想されていたのかどうかも含めてお答えをお願いしたいと思います。
市長
結果的にこういうことになりましたが,それを事前に予想するだけの経験も能力もありませんので,先ほども申しあげましたが,県民の民意ということだという受け止めをしています。
結果がどうあれ,私たちがめざすべき方向には変わりありませんし,そのために市が行うこと,県が行うこと,国において行うこと,それぞれの役割分担に応じた取組が重要だと考えていますし,そうした方向性を全体が共有していただけるように我々の声を国政の場に持ち込んでいただくことを期待しております。
記者
参院選ですが,市長は明確に現職2人の応援演説もされました。市長が応援演説などを特にされなかった自民党の河井候補が当選されました。政権与党の中枢に近いとされていますが,今後,河井議員とはどういう接点を持っていかれるかお聞かせください。
市長
現時点では特に具体的な考えを持つには至っていません。今後さまざまな機会でお会いすることもあるかと思いますが,そういう機会を通じて福山市の思いをお伝えするような機会も出てくると思っています。
記者
来月から立地適正化計画に基づく地域別カルテの住民説明会が始まるという話があります。30年後の人口がどう移るかというのを絵で示すという新しい取組を福山市は始められますが,こう使って欲しいというメッセージがあれば聞かせてください。
市長
立地適正化計画で示しております地域別カルテは,2050年の福山市において都市機能を誘導する地域や居住機能として誘導する地域,それを色々推計するとこういう形になるということを示したものです。それは,市民の生活空間を何らかの意味で強制しながらそういう姿に持っていくというものではありません。市民の皆さんがそれぞれ将来像を念頭に描きながら,参考にしながら,ご自身の今後の生活の在り方を考えていくというものになります。
もちろんそうした場合にあって,行政サービスの提供が効率的に行えるように我々も努力していくということになっていきます。これからさらに人口減少が進んでいきますので,そういう意味では我々も効率的な行政サービスの提供を,合理的な市政運営,そうしたものに努める責務があるという観点から,立地適正化計画というものを作っていくということであります。
記者
空き家の対策についてお尋ねします。神村町に特定空き家に指定されている建物がありまして,今春以降に傾きが進行して倒壊の危険性があった建物ですが,地域住民からの声もあって,市も危険性の把握はされているとは思いますが,所有者が多いため通常の手続きで撤去するというのはかなり時間がかかりそうな雰囲気だとお聞きしています。
先日,尾道市の方でも所有者不明の空き家が略式代執行による強制撤去が始まった所ではあると思いますが,福山市の方ではこの空き家に対してどういう対応を今後とっていくのかお考えがありましたらお聞かせください。
市長
まず神村町の空き家の対応について言えば,所有者もある程度把握しております。そういう意味から言えば,これまで十分勧告を行って,改善にはつながっていませんが,やはり引き続き強く勧告を行っていくということが原則だと思います。
一方,危険度が高まっているということを考えれば,同時に略式代執行の事務も進めていって,タイミングを逃すことなく適切な処理につなげていくという準備も必要になろうかと思います。そうした事務を現在も進めているということであります。
空き家について言いますと,福山市の場合には,全市調査を行いまして,2,680棟の空き家に対して何らかの対応が必要だという整理をしています。何らかの対応というのは,解体処理もあれば再利用もあるという意味であります。そういうものに対しては老朽度と周辺に対する影響度を勘案しながら,どういうあり方が望ましいのかということを計画的に進めているということであります。参考までに言いますと,これまでに特定空き家について,65件認定しました。そしてその認定された特定空き家65件のうち,25件については既に解体を済ませたということであります。全体の数が多いので計画的に空き家対策は進んでいっているのではなかろうかとみています。
記者
24日で東京オリンピックまで1年を切りました。そこで,東京五輪での観戦チケットについてですが,ホストタウンには30枚ほど割り当てられているかと思いますが,現在福山市はホストタウン用のチケットの購入申し込みはされているのかどうか。していなければその理由をお聞かせください。
また,来年の大会に向けて市民応援団のようなものを構成するご予定はあるのかどうかお聞かせください。
市長
チケットの処理の件については後ほど担当からご説明いたします。
市民応援団というのは,具体的に決めているものはありません。これから何度か合宿を繰り返し,そしてオリンピックに出場する競技が最終的に決まり,また選手も最終的に決まっていく,そういう取組が深まっていく,コミュニケーションが深まっていく,交流が深まっていく中で市民の思いも聞きながら,市民応援団の可能性については考えていきたいと思います。
市民局長
オリンピックチケットの配分についてですが,具体的にまだ検討いたしておりません。今後,詳細が決まりましたらまたご連絡させていただきたいと思っております。
記者
一部報道にも出ましたが,昨年起きた踏切の事故で,国の運輸安全委員会が遮断機とかのない踏切の指導がされていなかったという指摘がありましたが,その受け止めと何か対策を取られる予定がございましたら教えてください。
市長
調査報告書の中にも,交通安全教育の必要性が指摘されていました。学校現場もそして地域においても,踏切の危険性に対する子ども達への教育や周知についてはもちろん一定程度行っていましたけれども,この報告書を踏まえれば,もう少し踏み込んだ安全教育が重要だということを言われたと受け止めております。改めて地域そして学校現場での交通安全教育の徹底に努めていきたいと思っています。
一方で,警報機とかそういうものが全くない第4種踏切について,まだ市内には3か所残っています。そうしたものを今後どうしていくのかという課題が福山市にはあります。全て踏切を廃止するのか,それとも警報機と遮断機を付けて第1種踏切に格上げをして安全度を高めていくのか,地域の住民の声をしっかりとJRも聞き届けていただいて,適切な対応につなげていただきたいと思っております。
記者
環境大臣が来年4月からレジ袋を有料化するという方針を先日発表されましたが,福山市では広島県内で唯一,広島県が進めるレジ袋の有料化の取組に自治体として参加しておらず,多くのスーパーが福山市はレジ袋を無料で配布している現状がありますが,国の制度がそうなると,福山市民にとっても今まで無料で貰えていたレジ袋が有料化になるということで,特に福山市の行政として何かあるか分かりませんが,市長としての受け止め,今後の市民への環境啓発等々お考えがあれば教えてください。
経済環境局長
レジ袋の有料化については,国の方で今そういった検討が進んでいるという理解はしています。本市においては,レジ袋についての有料化はしておりませんが,紙の収集,ペットボトルの収集といったところでのリサイクルの活動はしておりまして,そういった活動は引き続き市民に啓発活動を含めてやっていきたいと考えております。
国の動向を踏まえつつ,今後どうしていくのがいいのかというところは検討していきたいと思っております。以上です。
市長
私も大臣発言については承知していません。担当の方から国の動きについて報告を受けながら,今後の取組については考えていきたいと思っています。
記者
ちょうど1週間ほど前に,京都で放火の事件が起きて,34人の方が亡くなったという痛ましい事件がありました。自治体によってはガソリンスタンド側に購入者の情報など書き留めるようにという指導等が行われていますが,福山市としての受け止めと,もし何か対策をお考えであればお聞かせ願いますでしょうか。
市長
大変痛ましい事故だと思いながら報道を見ていました。現時点では福山市で特段の対応を取ることは考えていませんが,改めて必要な対応の余地があるのかどうか考えてみたいと思います。
記者
廃プラスチック等の収集は,今まで市民の方を対象にやっておられたのでしょうが,今後,事業所の廃プラも自治体が回収するようにとのことで国から言われていると思いますが,その辺についてお考えはありますか。
経済環境局長
具体的にまだ国の方からそういった要請は来ていませんので,今後そういったことがあるのかどうかも含めて,情報を引き続きアンテナ高く収集しながら状況を見ていきたいと思いますけど,今のところはそういった情報は特に入ってございませんし,国からも何か指示を受けたということもございません。
以上。