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10月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年11月18日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2019年(令和元年) 10月1日(火曜日)

報告事項

・「福山版図柄入りナンバープレート」について

・福山城築城400年記念事業について

・第70回全国漁港漁場大会について

会議録

市長

 まず,「福山版図柄入りナンバープレート」についてご報告します。カープナンバーの交付開始から1周年を迎えました。申込枚数は8月末現在で10,347件であり,「走る広告塔」として本市の知名度向上に大きな役割を果たしているものと喜んでいます。

 今回,この1周年を記念し,更なる普及促進に向けて,このナンバープレートを導入している全国41の地域の中では初めての取組として,このナンバープレートを形取ったキーホルダーを先着1,000名にプレゼントします。既にカープナンバーを付けておられる方も申込できますし,この受付期間中に新たにカープナンバーを申請した方も対象となります。

 応募方法は,郵送又はメールで応募していただけます。期間は本日10月1日から12月31日までです。詳しくは市ホームページをご覧ください。

 先着1,000名限りとなりますので,早めのご応募をお願いしたいと思います。どうかこの機会に,さらに多くの方がカープナンバープレートに切り替えていただければ,カープも来期に向けての大きな元気を貰うことになるのではないかと思います。

 また,明後日10月3日には,この1年間カープナンバーに関わっていただいた方々を講師に迎えてセミナーを開催いたします。国土交通省からも自動車局の次長がお見えになり,このカープナンバープレートの存在を,参議院の予算委員会で熊本のナンバープレートとともにご紹介をいただいた,参議院議員の有村先生も福山にお越しいただけると伺っております。また,北別府学さんも来られますし,デザインの専門家の観点から寺井先生もお越しになります。

 こうした図柄入りご当地ナンバーの意義を改めて関係者の間で議論し,楽しい会にしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 次に,2点目のご報告であります。福山城築城400年記念事業の関係でありますが,先月21日に「備後入封400年祭」と題しまして,関係の皆様方のご協力をいただきながら,天守前広場でセレモニーを開催いたしました。天候不順もありまして21日だけの開催になりましたが,これを機にさまざまな地域で入封400年を記念する事業が行われます。

 神辺地域でありますが,10月4日から11月17日の期間中,「水野勝成 神辺城入城400年祭」と題して,神辺町観光協会や自治会,文化団体等で構成した実行委員会によるさまざまな事業が行われる予定であります。

 まず,今月19日には前夜祭が開かれます。神辺本陣周辺の三日市通りでは夜店が,廉塾周辺の七日市通りでは提灯による装飾が行われる予定です。

 翌日の20日ですが,オープニングイベントとして,三日市,七日市の通りをメイン会場に,「町家見学」や神辺各学区の団体による「まち踊り」などが行われます。

 また,神辺城跡や御領古墳群,砂留,葛原邸といった神辺地域の歴史文化資源を巡るバスツアーも予定をされています。

 そして,11月10日にはフィナーレイベントが開かれます。「神辺はね踊り大共演会」が神辺文化会館で開催されると伺っています。神辺の各地域には「はね踊り」が伝わっていますが,それらの踊りが一堂に集まり発表される。これは自治会連合会神辺ブロックの皆さん方による提案で実現するものだそうです。初めての試みだと聞いています。

 この他,神辺地域では期間を通して神辺歴史民俗資料館での企画展や,水野勝成,神辺城に関する講演会,そしてシンポジウムなど,多彩な催しが予定されています。

 また,神辺以外の地域,沼隈・内海地域においては,11月10日・17日の両日,福山工業高校の生徒による県史跡「草深の唐樋門」の模型披露や,喜多流大島能楽堂による「福山名所コンサート」,地元漁業組合が中心となったイベント「自然の恵み感謝祭」が開催されることになっています。

 次に鞆でありますが,来年1月3日に,沼名前神社能舞台での能楽,そして新市町内においては,2月に相方城跡の見学会や,山城に関する講演会が予定されています。

 福山市内,地域の歴史文化を発信し,次の世代につないでいく取組が2022年の築城400年に向けて各地で広く展開していくことを期待しています。

 次に,3点目の報告であります。第70回全国漁港漁場大会が今月29日に福山市で開催されます。70回の節目となる全国漁港漁場大会が広島県では初めて開催されます。場所はリーデンローズです。

 この大会には,全国の漁業関係者が約1,300人集まります。多発,激甚化する自然災害に備えた漁港・漁場等の強靭化対策や水産資源の回復と漁場の再生など,漁業・漁場に関わるさまざまな問題を討議していく会議となっています。

 本市では2024年に世界バラ会議福山大会を控えていますが,それに向けてMICE機能の強化に取り組んでいく必要があります。こうした今回の漁港漁場大会についても,その訓練の第一歩として関係者それぞれが全国大会あるいはMICEにおいてどのような役割を果たしていくか,それを改めて意識する場としたいと思っています。

 この他にも11月には「第11回ユネスコ全国大会ESD研究大会」が福山市立大学で開催されます。また来年6月には第61回外国人による日本語弁論大会が開催されます。

 これからバラ会議に向けまして,さまざまな全国大会を誘致し,それを着実にこなしていくことで,2024年につないでいきたいと思っております。

 以上で私からの報告を終えます。

記者

 市長就任3年を迎えられての振り返りと今後の市政運営についてお尋ねします。市長が初当選されてから9月で3年となりました。就任当初掲げられた5つの挑戦の実績や課題のほか,西日本豪雨を踏まえた浸水被害対策など,任期中に発生した問題への対応について,ご自身でどのように振り返られるのか,また残る任期でどのような形に仕上げていこうと考えておられるのか教えてください。

 また,1年後に執行される市長選について,2期目に挑戦する意思がおありかどうか,現時点の考えをお聞かせください。

市長

 私は市民の皆さんに5つの挑戦を約束してまいりました。まずは,このお約束を着実に果たしていくことが私の責務と考え,1年目は実行の年,2年目は加速する年,3年目は取組をさらに深めていく深化の年と位置付けながら,市の職員とともにスピード感,情報発信,連携を合言葉に市政運営を行ってまいりました。

 この他にも,この3年間にさまざまな出来事がありました。少子高齢社会がいよいよ本格化し,人口減少の波が福山にも押し寄せる,出生数が4,000人を割る,西日本豪雨災害を経験する,あるいは,子育て世代に対するさまざまな声を車座トークで耳にする,そういう中で新たな取組も進めてまいりました。

 5年間かけて行う抜本的な浸水対策もそうであります。また,子どもの医療費助成の拡充,空調機の設置,そうしたことにも果敢に着手してまいりました。また,駅前再生の動きも,民間事業者の理解もいただきながら,少しずつ動きが見え始めたと考えています。

 まだまだ取組は緒に就いたばかりであります。もっともっと住みよい,住み続けたい,そして活力のある輝く福山にするべく,私に残された任期は1年であります。この1年を使ってひと踏ん張りしなければいけないと思って気を引き締めています。

記者

 福山城伏見櫓と筋鉄御門の国宝化調査についてお尋ねします。先月14日に市民対象の報告会が行われ,その中で広島大学の学芸員の方から筋鉄御門について,2階の櫓部分における柱の約8割が昭和の修理時に新しい部材に変更されたこと,京都伏見城から移築されたという言い伝えが,実は水野勝成が建てたものだという見方が強まりました。また,伏見櫓からは豊臣秀吉期の伏見城からの移築を証拠付けるような資料の発見はなかったことなど,総じてこの調査結果を市長はどのように受け止めておられますか。

 また,このことから,国宝化調査から筋鉄御門を外す考えはございますか。伏見櫓につきまして,国宝化の可能性はまだあるにしましても,今後,新資料の発見に向けて現在行っている市ホームページでの呼びかけではあまりにも心許ないような気がしております。昨年,ちょうど1年前の市長会見でも私が述べましたように,2015年に国宝になりました松江城では資料収集に向け懸賞金を懸けた,あるいは全国の自治体においても懸賞金を懸けるなどの取組が進んでおります。今後,伏見櫓の国宝化に向けて,新資料の収集という上でどのようなことを考えられているのか教えてください。

市長

 今回の調査結果の受け止めであります。結論は確たる結論が出されたわけではないということだと思います。したがって,受け止め方ということになりますが,伏見櫓については,いろいろな事実が確認されたと聞いています。中古材の転用については,どこかで使われていたものを再利用している痕跡・形跡,こうしたものが数多くみられた,あるいは現場合わせといいますが,突貫工事でその現地で部材を組み合わせる,そうして建造していった跡がみられるなど,さまざまな状況が確認されました。

 また,古式な構造,古い時代の建築構造であるということも確認できました。形式には,徳川系の構造・様式があまり特徴的に見られなかったという調査結果も一方では出てきました。

 したがって,徳川家が再建をした,つまり豊臣家が作った伏見城の移築ではなくて,徳川家が再建をした伏見城の一部が移築されたというのが定説ですが,その定説を覆すことはできませんでしたが,秀吉が築いた伏見城の一部が福山に移築された可能性も依然残っているということだろうと思います。

 それから筋鉄御門にもお話がありました。これにつきましても多くは申し上げませんが,結論としましては,まだ移築の可能性は残っているということであります。福山城が築城された際に新築された可能性も高いということではありますが,移築の可能性はまだ残っているという結果でもあると受け止めています。

 したがって,今私たちはかつて国宝であった伏見櫓と筋鉄御門の国宝化に向けた調査に着手をいたしましたが,今しばらくはその調査を進めていきたいと思っています。

 類似の建物の調査,あるいは文献での調査,さらに科学的な調査を行う,例えば,使用材の年代判定するという科学的調査などもまだ残っていますので,こうしたものをしばらく続けていきたいと思います。ただ,いつまでも続けていくというわけにもいかないので,今回の調査結果を踏まえて,我々は今後具体的に何をしていくのか,どのくらいの期間をかけてその調査を行うのか,そういうことをしっかりと踏まえながら今少し継続していきたいと思っています。

 懸賞金の可能性についても助言いただきました。それも一つのやり方かもしれません。将来そういうことをしてみるということも可能性として否定しているわけではありませんが,先ほど申しましたように,しばらくはまだやるべきことがあると考えています。

記者

 今日から消費税率が上がりました。市長は大蔵省・財務省出身の方でそちらも専門かと思いますが,専門家として今回の増税への受け止めと,現在は地方自治を預かる立場として,地域経済への影響などどのように考えておられるか見解をお聞かせください。

市長

 この消費税率の引き上げは,少子高齢社会に必要な社会保障制度を維持していくために必要であり,国の財政健全化を進めていく上でも不可欠なものです。さらには子育て施策も含めた財源を確保するためにも必要な制度改正だということで,長い時間をかけて国民的な議論が進められてきました。それが今日からスタートをするということだと思います。

 市内においては,これまで報告を受けたところによれば,目立った駆け込みや混乱,そうしたことは耳にはしていません。ただ,今後こうした消費税の引き上げに伴う地域経済や消費者の混乱が起こらないように引き続き国と自治体とで役割分担しながら,注視していかないといけないと思っています。

 消費者からの相談や苦情の受付は,市の消費生活センターが窓口となります。それから事業者からの問い合わせについては,経済部の産業振興課が窓口になります。そういう統一的な窓口をそれぞれ設けまして,この引き上げがスムーズに地域に定着していくような体制をしっかりと整えていきたいと思います。

記者

 残りの任期が1年ということに絞った質問ですが,残り1年でどういったことを成し遂げたいということがありますか。

市長

 私が3年の間に着手してきた事柄は1年の間に全て結論が出るというものよりは,一定の年数をかけながら粘り強く取り組むことで将来の福山の活力につながっていくものが中心だと思っています。

 例えば,自然災害への備えもそうであります。あるいは,道路の渋滞解消や港湾機能の強化,鞆の振興にむけた取組などさまざまであります。これまで私はそうしたインフラ整備も含めながら5年間で福山は大きく様変わりしていくと申し上げてきました。したがって,この1年間にこれまで取り組んできたことをしっかりと4年の中でやるべきことを取り組んでいくことに尽きると思っています。

 例えば,駅前の賑わい再生にしても,これは当面2022年の築城に向けて駅の北口の整備に着手するなど,一定の将来の一里塚というものを意識しながらそれまでに何を取り組む,そしてその最初の年として例えば私の就任4年目の1年間は何をする,こういったことを市民の皆さんに改めて分かりやすく説明しながら市政運営をしていきたいと思っています。

記者

 5年とおっしゃったのは,起点は市長が就任した最初から数えて5年ということですか。

市長

 いえ,今年度から数えてということですね。

記者

 福山道路についてお伺いします。年内にも長和と赤坂の間の工事着工が始まると聞いています。災害時の山陽道とのダブルネットワークの観点からも必要だといわれていますが,福山道路着工が始まることへの期待の声と,入札で業者が決まって,いつ頃工事着工になるのか,明らかにできるものがあれば教えてください。

市長

 福山道路の必要性については,これまでも何度か説明してまいりました。一つは渋滞解消です。産業活動や市民生活への影響を排除しないといけないということです。

 それから,最近我々がよく気をつけてみないといけない事柄ですが,渋滞を避けるために生活道路に車が流れている可能性がある,その生活道路は通学路であり,子どもの通学の安全性をしっかりと確保していかないといけないという声が強まってきています。そういう意味からも福山道路の必要性はあると思います。

 それから先ほども申し上げましたが,福山港の機能高度化のための事業が行われています。福山港がいくら機能強化されても,その背後に控える物流に支障が生じたのであれば,港湾事業の効果が十分に発現されないことになります。こういうインフラ同士の連携を確保していく必要性もあると思います。

 それから記者も仰いましたように,災害時のダブルネットワーク,そうした機能も見逃すわけにはいかないと思います。そういう意味では,福山道路を着実に進めていくということを,これからも国に対してしっかりと要望していきたいと思います。

 それから工事着手について,国にいつから具体的にスタートしていただけるのかというお願いをしています。我々の願いは年内に工事着手ということを言ってきましたので,これが実現できればという思いで国にお願いしています。

記者

 福山道路の関連で,以前市長は福山道路に関して,期成同盟会を立ち上げられて,今後は備後圏域の政財界を含めて新たな組織の検討というものも今後必要になってくるのではないかというお話がございましたが,その進行状況はいかがですか。

市長

 まだ具体的な形にはなっていませんが,地元の組織・広域的な組織が効果的に活動できるようなタイミングに合わせて組織化していきたいと思っています。

 東は笠岡まで既に道路がきています。西は木原トンネルの工事が着実に進んでいる。この福山地域だけがぽっかりと物流の動脈が欠如するということであっては,全体の効果の発現にも支障をきたすという思いで,広域的な取組に組織を拡大しながら国に対するお願いを強めていきたいと思っています。

記者

 それを含めて今後3.3kmが着工したあと,残る13.2kmの対応が焦点になると思うのですが,その13.2kmの事業化に向けてより広域的なものを作っていきたいというお考えですか。

市長

 私はまずは,この3.3kmを作ることが大変な事業でありますから,近隣の皆様方の力もいただきながら,3.3kmを着実に作りあげていく。まだ竣工年度もまだ明らかにできていません。そういう状況ですから,当面は今の事業化区間を着実に進めていきたいと思います。

記者

 福山道路について,地権者や地元から反対の声も届いていると思いますが,今回の3.3kmの事業化判断をされた2001年から20年間近くかかってようやく着工という形でかなり時間もかかって,これから少子高齢化時代になってきた中,はたして道路が必要なのかということも長いスパンも考えていく必要があると思いますが,市長はどうお考えですか。

市長

 今,仰られたことも一つのご見識だと思います。ただ3.3kmの区間についてはB/C(ビーバイシー)上も効果がみられていますし,先ほども申しあげましたように防災面・産業面・生活面など,さまざまな面からその必要性については変わりありません。3.3kmの工事については,できるだけ早期に着実に進めていきたいという思いに変わりはありません。

記者

 先日26日に厚生労働省が全国424の公的病院の再編統廃合で実名公表しましたが,その中には岡山では笠岡や井原,広島では尾道や三原など備後圏域に該当する病院があげられております。福山市として今後,再編等の議論にどのように関わっていくのか,首長同士の協議の場などがあるのかどうか,そのあたりを教えてください。

市長

 2016年に広島県が地域医療構想を出しています。これは二次保健医療圏ごとの構想であります。したがってその中に含まれるのは福山市・府中市・神石高原町ということになります。したがって今回新聞報道にあった病院名からいいますと,府中市内の病院については,直接関わりがあるということです。

 基本的には地域医療構想を策定した広島県が,その地域医療構想の実現に向けて関係の市町,病院事業管理者も含めて,今後の安定的なそして良質な医療サービスを地域に提供するような体制を作り上げることができないかという観点から議論を進めていくということだと思います。

 それに加えて,地方からの要請によって,国と地方の協議の場が設けられるということもあるようです。地方の思いを協議の場を通じて国に伝えていくということも併せて重要な機会として進められることになると思います。

 効率性を忘れてはいけないということはその通りだと思いますし,一方では地域ごとの特殊性もあります。地元の合意がなければ再編も現実問題としてはなかなか難しいという問題もあります。そうした状況の中でもう少し丁寧に議論を深めていくという作業を急いでいくのだと思っています。

記者

消費税の話ですが,バブル経済の崩壊,それからその後のデフレ,超低金利,今回の消費税引き上げということで全体からすると年金生活者を中心に国民生活のさらなる負担になります。もちろんこれは政府が考えることでしょうが,消費税引き上げについて個人的な所感があればお聞かせいただけますでしょうか。

市長

 先ほども申し上げましたが,消費税のあり方という議論は,これからの社会を維持していくために必要な制度改正だということで,議論が重ねられ,今回スタートしたということだと思います。

 もちろん,引き上げによる地域経済に対する影響がないとはいえないと思います。あるいは,住民生活に影響がないということではないと思います。だからこそ,さまざまな施策があわせて実施されているということだろうと思います。

 消費税率引き上げの問題ではなくて,社会経済の変化にどう国全体として対応していくのかという問題については,さまざまな施策を総動員しながら対応していく必要があると思います。

記者

 もう1点,城の整備について市教委の方で検討会議がありまして,石垣の整備や櫓の再建といった将来的な計画もあるようですが,会議の中で一部の委員から天守閣については耐震工事が必要だということで,建て替えとか内部・外部のリニューアルも含めた議論もあったりしたのですが,改めて方向性,その辺りはどのようにお考えでしょうか。

市長

 耐震性がないということで,耐震工事をすると申し上げてきました。「建て替えるべきだ」「木造建築で建て替えるべきだ」という議論もありました。ただ,今の制度や資料の状況からいいますと,木造であれコンクリートであれ,建て替えをすることはできません。

 今の技術からすれば,必要な耐震工事を施せば,あと20年あるいは場合によっては30年,そうした一定程度長い期間を市民や市外の方々に親しんでもらえるということを考えて,耐震工事が望ましい選択肢だと考えました。

 したがって築城400年に向けて,耐震工事プラス内部の福山城博物館のリニューアル,そして天守の外観を当時を彷彿とさせるようなお化粧直しといいますか,そうしたものをやっていこうというのが現在の方針です。

記者

 そうしますと内部のリニューアルだけでなくて,外観も建設当時にできるだけ近づけるような工事にも意欲を持ってらっしゃるという理解で良いでしょうか。

市長

 福山城の大きな特徴の一つは,天守の北側に鉄板張りが施されているということでした。これは北側からの防御がどちらかというと弱い,そうした弱点を補強するための鉄板張りで,これは全国で一つしかありません。そうしたものをぜひこの耐震工事に併せて復元というべきか復興というべきか,当時の姿に近づけたいと思っています。

記者

 スケジュール感としてはいかがでしょうか。

市長

 耐震工事は2年。2020年から2021年の2カ年かけて必要な工事をするということです。

記者

 外観の工事もそれなりに終わらせるということでしょうか。

市長

 そのように聞いています。

 以上。