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12月定例市議会市長記者会見
記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。
会見日:2019年(令和元年) 11月27日(水曜日)
報告事項
・福山市ひきこもり相談窓口「ふきのとう」の開設について
・明治安田生命保険相互会社との健康増進に関する連携協定について
・公共施設予約システムの利用開始について
・12月議会案件・補正予算について
会議録
市長
まず,報告の第1点目は,ひきこもり相談窓口の開設についてであります。ひきこもり状態にある人やそのご家族から,早期の相談を受け,いち早い支援につなげることを目的として,一元的な相談窓口を開設いたします。窓口の名称は,福山市ひきこもり相談窓口「ふきのとう」です。開設日は来年1月6日,場所は福山すこやかセンター6階健康推進課に設置します。
毎月第3金曜日には,臨床心理士による専門相談を行い,適切な助言を行うとともに,医療・保健・福祉・就学・就労等の適切な支援につなげてまいります。寄り添い,共に考えてまいりますので,悩みや苦しみを一人で抱えず,安心して窓口にご相談いただきたいと思います。
2点目であります。明治安田生命保険相互会社から「市民の健康増進にお役に立ちたい」と,このような申し出をいただき,「健康増進に関する連携協定」を締結することといたしました。内容でありますが,「健康づくり及び介護予防の普及啓発」「働きざかり世代に対する健康増進の啓発」「特定健診,がん検診,歯周病検診等の受診率向上の取組」「その他,市民の健康づくりの推進等」に関することであります。
連携協定締結を受けた初のイベントとして,同社が主催により12月8日に福山市立動物園でウォーキングイベントを開催いたします。サンフレッチェ広島の森崎浩司アンバサダーを特別ゲストに招いて,楽しく健康作りに取り組もうというものであります。これに併せ本市でも,健診受診率向上のための啓発を行う予定としております。
今後は,同社が保険事業を通じて培った知見やノウハウ,アドバイザーの機動力等によるご協力をいただき,さらなる健康増進や介護予防の強化に取り組んでまいりたいと思っています。
3点目の報告でありますが,公共施設予約システムの利用開始についてであります。
エフピコアリーナふくやまの整備に伴い,2020年2月1日から,32のスポーツ施設において,「ひろしま公共施設予約システム」を導入します。これまでの電話や窓口での申込に加え,新たにパソコンやスマートフォンで空き状況の確認や利用予約ができるようになります。利用者の利便性が格段に向上するものと期待をしています。
空き状況の確認は24時間することができます。また予約申込ですが,午前0時から4時30分までを除いて,利用予約が可能となります。市域を超えて,福山市内のスポーツ施設を,この予約システムを使って利用することができます。市のイベントが優先はされますが,できる限り多くの方々に本市のスポーツ施設を利用していただき,スポーツを核とした地域活性化につなげてまいりたいと考えています。
なお,先ほど申しましたひろしま公共施設予約システムには,県内で177の施設が組み込まれていますので,市外のスポーツ施設の予約もこのシステムを使って可能になってくるということであります。
最後に12月議会の案件につきまして,ご説明をいたします。12月議会につきましては,本日,招集告示を行い,12月4日から開会いたします。第1次分として提出いたします内容について,ご説明をいたします。
まず,報告案件としては,「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」の1件であります。
次に,予算案件としては,「令和元年度福山市一般会計補正予算(第2号)」を始め3件であります。
条例案件としては,「福山市公立大学法人評価委員会条例の制定について」を始め8件であります。
単行議決案件としては,「福山市立城北中学校北棟校舎他解体工事請負契約締結について」を始め14件であります。
諮問としては,「審査請求に係る地方自治法第229条第2項の規定による諮問について」を始め2件であります。
それでは,お手元の補正予算議案説明資料に基づき,補正の概要について説明をいたします。
今回補正する会計は一般会計のほか,特別会計では後期高齢者医療 特別会計,企業会計では病院事業会計の合計3会計であります。
補正予算額は一般会計が32億5,706万6千円を追加するほか,特別会計で1,453万3千円を追加,企業会計で4億1,708万8千円を追加し,合計では36億8,868万7千円を追加いたします。
また,繰越明許費を一般会計で7件,債務負担行為を一般会計で7件それぞれ計上しています。
内訳であります。一般会計ではまず,「1 安心・安全の実現」といたしまして,平成30年7月豪雨による災害復旧事業は,平成30年度からの繰越事業の一部において,地元関係者や広島県などとの協議に時間を要したため,今年度中の完成が困難となりました。適正な工期を確保する必要があることから,予算を令和元年度補正予算に再計上し,あわせて繰越明許費を設定するものであります。
また,消防機器整備費は,国庫補助金の追加内示を受けまして,消防団活動において使用するデジタル方式のトランシーバーを整備するものであります。
「2 コミュニティの活性化」といたしまして,地域集会施設 建設費補助は,鞆町石井浜町内会など11か所について,地域集会所の建設費を助成するものであります。
次に,「3 寄附金対応」といたしましては,寄附者の方々のそれぞれの思いに沿った事業に活用させていただくものであります。
「4 制度上補正を必要とするもの」といたしまして,前年度の実質収支の 2分の1相当額を財政調整基金へ積み立てるほか,障害福祉サービス事業費について,利用件数の増加などに対応するものであります。
「5 その他」の,旅券発給事務費といたしましては,パスポートの申請件数の増加に対応するものであります。
このほか,繰越明許費として,漁港整備事業など,一般会計で7件計上するものであります。
債務負担行為として本庁舎施設整備・運営事業など,一般会計で7件計上するものであります。
本庁舎 施設整備・運営事業は,災害時の業務継続性の確保のため,別棟の整備費や,老朽化した非常用発電設備や空調設備等の移設や更新に要する整備費のほか,15年間の施設運営費を計上するものとなっています。
鞆町町並み保存拠点施設整備事業は,地域住民の活動や賑わい創出の拠点となる施設の整備費を計上するものであります。
次に「特別会計」であります。後期高齢者医療特別会計で,保険料等納付金について計上するものであります。
「企業会計」では,病院事業会計で,抗がん剤など,高額薬品の購入量の増加に伴う材料費などを計上するものとなっています。
以上が今回予定しています,令和元年第5回定例市議会に提出する補正予算の概要であります。以上,12月議会へ1次分として28件を提出するものであります。よろしくお願いいたします。私からの説明は以上であります。
記者
新年度当初予算案についてお伺いします。2020度予算編成方針については先月,自然災害や人口減少対策など「三つの備え」を充実させる政策のほか,財源確保に向けた事業見直しに関する考え方などが発表されました。市長選,市議選も予定される新年度は,福山市政にとって一つの転換点となりますが,予算編成方針や今後の行政運営に向けての市長の思いをお聞かせください。
回答
私は,これまで5つの挑戦に取り組むにあたり,1年目を実行の年,2年目を加速の年としてまいりました。そして,3年目にあたる今年度は,深化の年として位置づけ,5年間の抜本的な浸水対策を柱とする「頻発する自然災害への備え」を始め,「本格化する人口減少への備え」,「備後の拠点都市としての備え」の3つの備えを特に重点的に進めてまいりました。
これまでに福山駅前の再生や福山ネウボラ,そして防災など,一つ一つに動きが出始めており,市民の皆様にも市政の変化を実感していただけているのではないかと思っています。新年度の予算編成では,「3つの備え」に引き続き注力していくことが基本になるとこのように考えております。
まず,国・県・市が連携した抜本的な浸水対策に取り組んでまいります。河川の改修事業は今年度,すでに新たな国の助成事業がスタートして,県の河川において改修工事が始まっておりますが,市が行っていく内水排除対策について,さらに国の支援の取り付けを期待しながら,防災対策・浸水対策を進めていきたい,強化していきたいと考えております。
次に人口減少対策への対応としては,順調に市民に受け入れられつつある福山ネウボラの取組を一層充実させるなど,子育て施策にさらに取り組んでまいります。加えて,新たにフレイル予防を推進することで,健康寿命の延伸に本格的に取り組んでまいりたいと考えております。子どもから高齢者まで安心と健康のまちづくりを進めていきたいと思っています。
また,今年度末に策定予定の駅前再生デザイン計画,立地適正化計画に沿って福山駅北口広場の整備や三之丸町地区の旧キャスパの再開発,そしてRiMの再生など,福山駅周辺に都市機能を呼び込み集約するという第一歩を踏み出す年にしたいと考えています。
また,来年3月20日にオープンする総合体育館を中心に,全国規模の大会の誘致や東京2020オリンピック聖火リレーの実施など,スポーツを核としたまちづくりも推進してまいります。
こうした取組により,備後の拠点都市としての活力と魅力の向上を図ってまいります。人口減少や少子高齢化が本格化する中にあって,課題を先送りすることなく果敢にチャレンジしてまいります。
併せて,これらの施策を着実に進めていく裏付けとなる持続可能な財政の確立に向けて,経常経費の精査はもとより,政策的経費についてもPDCAサイクルによる効果検証等を行う中で,事業の見直しに取り組むよう指示しております。また,公共施設については,民間活力も活用しながら適正配置や集約・複合化を進め,計画的に保全することで,更新費用や維持管理コスト縮減に取り組みます。このほか,多様な広告収入の拡大や遊休財産の売却,ネーミングライツ,RPA,AIなどの先端技術を積極的に導入するなど,歳入・歳出両面からなる総合的な財源確保策を具体化してまいります。
活力と魅力に満ちた都市へ職員一丸となって,全力で取り組んでまいります。以上です。
記者
市が行う内水排除対策について,先ほど「国の支援の取り付けを」と言われたのですが,これは東深津町辺りの地下に埋める下水管のことを言われているのでしょうか。
市長
そういうものが主な事業になっていくと思います。手城川流域では既に大規模特定河川事業という新しい制度を作っていただきまして,そこに採択し,5年間で河川改修事業を集中的に進めていこうという取組がスタートしました。そういう河川改修事業と市が行う内水排除対策を関連付けながら効果的な浸水対策につなげていきたいと考えており,下水道事業に対する国の一段の助成を求めていきたいと考えています。
記者
RiMの件でお聞かせください。RiMの再生に向けて前回の会見の中で「超スピード再生」という形で打ち出されましたが,再開に向けて施設の現状調査,または再開に向けての設計等を進めていかなければいけないと思いますが,そういった調査のスケジュールについてお聞かせください。
市長
これまでの国の支援を受けた調査によって,RiMの再生に向けた4つの考え方がもたらされているわけです。それをさらに詳細に調査しながら,年度末までに方向性を出していく,市民の皆様方にお示しをしていくと申し上げてまいりました。その方向性が決まらないと,その方向性に沿って,再生事業を進めていくのに必要な調査内容も固まっていかないということだと思います。したがって方向性がまとまることと併せて,必要な改修事業の内容が整備されていくということになると思います。
記者
公共施設の在り方ですが,前回,子育て機能は有したいという思いをお話になりました。現状入っている公共施設の中でどういったものを戻し,どういったものを別の所に再配置していくのか。その進捗状況と考え方,先ほど都市機能を呼び込んで集約していく第一歩の年という中でそういったことも関連していくのかなと思うのですが,その辺りの考え方についてお聞かせください。
市長
前回の記者会見で申し上げたRiM再生についての5項目の中に,最小のコストで超スピード再生につなげていきたいということを申し上げました。どの程度の床面積を使いながら再開の第一歩を踏み出すのか,これはとても重要な判断になると思います。したがいまして,その床面積の中にどのような機能を適正配置することができるのかということは,床面積が決まれば決まっていくということになろうかと思います。ただ,その整理が行われる前でありますが,私の考えとしてはこれまでRiMの中にあって,市民に親しまれてきた,あるいは市民に頼られてきた子育て関連施設だけは,なんとか残す形で再スタートしたいという思いを述べたということであります。
したがって,それ以外の公共施設の何を再開後のRiMに戻していくかということについては,年度末にお示しするであろう方向性を踏まえながら判断がなされるということであります。
記者
「最小限度の床面積を活用して再生」という形を言われていましたが,市長の中で最小限度の床面積とはどの程度を想定されていますか。
市長
具体的な想定はまだ早いと思います。そこはよく専門家の考えも聞きながら,再生後のRiMが市民に無用な不安を与えることのないような,堅実な取組につながっていくように,そして三之丸地区の賑わいの一つの核となれるようなことを念頭に置きながら考えていきたいと思っています。
記者
「市民の声を取り込んでいきたい」ということが前回あったと思うのですが,どのような形で短期間の間に民意をくみ取って,あるべきRiMの姿を示そうとお考えでしょうか。
市長
既にデザイン会議という会議が動いています。そして,公民連携会議という官・民が参加する会議もあります。そうしたさまざまな場所を通じて意見を聞いていくことは十分可能だと思うし,あるいは他の意見をくみ取ることも考えていってもいいかもしれません。
いずれにしても,これまでデザイン会議を中心に駅前再生の議論が進んできました。このRiMの再生もその中の一つに位置付けています。したがって,デザイン会議を中心に市民の意見のくみ取り方を考えていって欲しいと思います。
記者
先ほど「スポーツを通じたまちづくりを加速させていく」という意味のことを言われたのですが,近頃福山市内においても民間の人が中心になって,スポーツを通じた地域活性化の動きが顕著かなと感じています。
具体的には,野球の「ローズファイターズ」がアンダー15の中学生チームを創設したり,サッカーチームを運営している「福山スポーツコミュニティクラブ」が,名前を「福山シティクラブ」に改称したうえで,将来的にJリーグへの参入をめざすということで,未来ビジョンを発表されたりしたのですが,こうしたスポーツを通じた地域活性化の可能性について市長はどのような認識をお持ちでしょうか。
市長
ローズファイターズの取組は,「働きながらスポーツの夢を追い続けることができる」という先進的な取組だと高く評価しています。
そして,今お話のあったように,他の競技種目でも若い人たちが中心になってスポーツを盛り上げていこう,あるいはプロスポーツを福山から生んでいこうという動きにつながってきていると思います。とても元気の出る取組だと思って勇気付けられる思いです。そうした民間の取組に行政がどのような支援をしてさしあげられるか,引き続き考えていきたいと思いますし,スポーツを拠点にまちづくりを進めていこうという思いをこれからもしっかりと共有しながら,進めていきたいと思います。
行政としてまずは,エフピコアリーナを使ってどのようにスポーツを盛り上げられるか,来年はオリンピックイヤーでもありますから,そういったことも意識しながら,行政としてもしっかりと取り組んでいきたいと思います。
記者
両クラブとも現行では自分たちの力で運営していくという方針のようですが,いずれまた何かの形で行政の協力なり支援なりを求めてくるようなことがあれば,内容にもよると思いますが,行政としても応えていくという姿勢でよろしいでしょうか。
市長
そうですね。それぞれの役割分担があります。それにしたがって支援の内容も役割分担に応じたものになると思いますが,できるだけ民間の動きが自立して継続できるように協力したいと思っています。
記者
本格的には来年だと思うのですが,既に尾道市の百島で行われているひろしまトリエンナーレについてお尋ねします。
実行委員会の会長は知事が務めておられますが,市長も副会長に名前を連ねています。観光などの効果が期待されていると思いますが,一方では公金を使うことへの苦情,市民や政治団体の全国組織を名乗るようなところからも来ていると聞いています。福山市については今年度予算を盛られてないと思いますが,現場からは新年度予算に向けて予算要求も出ていると聞いています。そうしたイベントに副会長に名を連ねていることも含めて,公金を使うことについてどう思われるか。
それから,同様のイベントで「あいちトリエンナーレ」では政治家として愛知県知事の大村知事と名古屋の河村市長が表現の自由をめぐって真っ向から対立するような見解を述べられていますが,市長は一政治家として,この表現の自由との絡みについてどう思われますか。
市長
ひろしまトリエンナーレに福山が本格的に関わっていくのは来年度からになると思います。一定の行政としての協力ですが,来年度,負担金を出すという計画になっています。負担をするにふさわしい,そうした内容の展示になるよう我々も展示内容については十分関係者と協議をしていきたいと思っています。
それから表現の自由のことについてお話がありましたが,表現の自由は守られなければいけない権利だと思っています。一方で市民からお預かりしている税金を使うにあたっては,多くの市民のご理解が得られないと使うことはできないと思っています。そうしたことを考えながら,個別事例について判断をしていくということになると思います。
記者
補足ですが,現状,市や美術館といった文化施設にも市民あるいは政治団体を名乗るグループから,公金を使うことについて「公金を使うことは好ましくないのではないか。」「公金を使ってまでやるのか。」という苦情が複数来ていると伺っていますが。そういった声に対して市長はどう思われますか。
市長
ひろしまトリエンナーレに負担金を拠出するのが問題だということではなくて,「特定の主張に対しての支援をするということは望ましいことではないのではないか。」というそういうクレームではないでしょうか。
記者
それについてはどう思われますか。現状,関連イベントが行われていますが。
市長
関連イベントについて,特にその内容に問題があるというクレームをいただいていると,私は理解していません。そして,来年度の事業についてもひろしまトリエンナーレの事業にふさわしい展示内容になるように関係者と協議をしていきたい,市民の理解も得られるような展示内容にしていきたいと思っています。
記者
西日本豪雨で3歳の女の子が亡くなった駅家町のため池について,今月取り付け道路の工事の準備が始まって,来月から本格的に工事に取り掛かるようになったということです。これについて受けとめを聞かせていただけますでしょうか。
市長
昨年,大変つらい事件が起き,当該地域をどのように安全な地域に変えていくかということについて,地元の皆さん方と協議を進めてきました。そして,最終的に理解を得られ,整備工事に着手できたことに安堵しております。今後は,地元に引き続き説明をしながら,二度とあのような悲しい事故が起こらないような地域にしていきたい。着実に工事を進めていきたいと思っています。
記者
ため池の対策について,市としては今後どう取り組んでいきたいというふうにお考えですか。
市長
新しい基準で防災重点ため池の数が,一気に175カ所から1,110カ所に増えました。そして,安全対策のためにはまず管理者を特定することから始まるということで,今,担当部局が全力をあげて管理者特定のための作業を行っていますが,長年管理を十分に行われてこなかったため池が多いために時間を要しています。そしてまた,短期間で終えたいということで県も財政支援の枠組みを確保していただいておりますが,取組は長期化していくということも十分ありうるだろうと思っています。そういう意味で,大変数の多いため池を安全なものにしていくためには,引き続き時間と支援が必要だなということを改めて課題として受け止めています。したがって,ため池の下流域に生活される市民の皆さん方には,その上流にため池があるということをいち早くご説明をし,万が一決壊をした時にはどういう状況になるかという意識をしっかりと持っていただくよう説明もしていく。ソフトとハードの取組をうまくかみ合わせることで安全度を向上させていきたいと考えています。
記者
ため池の決壊は,先月の台風19号で東北や関東の方でも発生していました。国に対してこのため池に関する対策について要望等あればお聞かせください。
市長
すでに農水省あるいは財政当局にも要望をいたしました。大きく2点です。先ほどの繰り返しにもなりますが,ため池新法に基づく管理者の把握に時間がかかる。市内に全てのため池が約2,200あります。そのうち管理者が特定できたものが約1,500です。残り約700のため池の管理者の特定に引き続き時間がかかるだろう。したがってその管理者特定のための作業についても国に支援をしてほしいとを申し上げています。
それから国の財政支援が今のところ見通せるのは,平成30年度の補正から3カ年の緊急対策であります。平成30年度補正,平成31年度,それから令和2年度。つまり,来年度いっぱいで今の緊急3カ年対策は終わるということになっているわけですが,ため池の管理者の特定が行われた後,ため池診断とか改修事業などの事業が後に続いてくる。そうしたことを考えると,令和3年度以降の国の支援は不可欠だということを国に対して申し上げてきました。
記者
去年7月のため池決壊の事故について市としてさらに検証を進めるという考えはありますでしょうか。
市長
事故については第三者による調査をいたしました。調査の結果も地元の人にはご説明申し上げました。そしてこれまでの間,整備事業,ため池を一つ廃止する,その上にあるグラウンドを廃止する,そうした方向性について説明をし,一定の理解をいただいて工事着手の運びになりました。今後は整備を着実にすることで地元の安心につなげたいと思っています。
記者
ひきこもり相談のことでお伺いしたいのですが,いわゆる福山市全体のひきこもりの現状が一体どういうものか,一定程度,市としても把握していかないと,相談窓口の効果検証は難しいと思うのですが,その点について今後市として調査等するお考えはあるのかということと,ひきこもりの人は外へ出ていくこと自体が非常に難しいので待っているだけでは機能しないのではないかと考えますが,市から何かアプローチしていく等のお考えはおありでしょうか。
市長
市内のひきこもりの人数については内閣府の調査に基づく推計によって人数を把握する方法をとっています。その調査によれば,市内には約4,000人のひきこもりの人がおられると推計をしています。
40~64歳までの人はそのうち約2,000人,半分程度と推計しています。一方で2018年度の引きこもりに関する相談件数実績は121人でした。推計人数の約3%ということになると思います。そうしますと,もっと相談につなげていかないといけないということだと思っています。まずは電話で相談をしていただきたいと思っています。そして,状況を色々お伺いしてアセスメントしながら,課題の整理をし,優先順位をつける。そして,対応内容について方向性を出していく。その上で必要があれば訪問を行う。こうするのが効果的ではないかというように考えています。もちろん情報収集する中で,困難なケースがあれば迅速に訪問しながら,重症化を防ぎたいと思っています。
ひきこもりの高齢化,長期化,あるいは病気を有している場合など,さまざまな課題がありますが,そうした課題をなんとか克服していきたいと考えています。
記者
公共施設予約システムのことで伺います。今後,文化施設等での活用は検討されていますでしょうか。
市長
文化施設にもインターネット予約システムを導入していきたいと考えています。現在どういう施設を対象とするか,担当部局で検討をしています。
記者
いつからというのはありますか。
市長
まだ具体的には考えておりません。まずはこの32施設で運用開始するにあたっての課題をできるだけ早く整理しながら,次の段階につなげていきたいと思っています。
記者
昨日プレスリリースがあって,市職員の採用試験を実施するということで,土木1種の技術系は思っていた人数が確保できず,年齢制限も緩和し追加募集したと伺っていますが,市長として「どんな人に応募してほしい」とか,「どういうことをめざしてほしい」とかあればいただきたいのですが。
市長
これは土木職・技術職に限らず全ての職員に共通する話だと思いますが,福山を変えていく,福山の安心・安全を担っていく,そうした明確な目標を共有できる人に市政運営に参加をしていただきたいという思いを基本として持っています。
以上。