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1月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月20日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2020年(令和2年)1月20日(月曜日)

報告事項

・芦田川かわまち広場(親水広場)について

・(仮称)ワーケーションふくやま推進研究会の立ち上げについて

・RPAの運用開始について

・築城400年記念事業について

会議録

市長 

 まず報告の1点目でありますが,「芦田川かわまち広場」についてであります。総合体育館に隣接する芦田川の河川敷において整備中の「芦田川かわまち広場」の完成イメージパースを本日公表させていただきます。

 かわまち広場の中央ですが,フットサルやドッグラン,グラウンドゴルフや青空ヨガ,ピクニックなどが楽しめる約5,300平方メートルの「芝生広場」がございます。この芝生広場のAコートとCコートは,誰でも無料で自由に利用できるスペースとし,真ん中のBコートはあらかじめ予約が必要な有料公園施設となる予定であります。

 この芝生広場の下流側ですが,東京オリンピック2020の正式種目となったスケートボードが楽しめる,県内最大規模の本格的なスケートボードパークを整備します。市内の専門業者に設計の監修をしていただき,最大高低差1mの変化に富んだ10個のセクション(障害物)を取り入れているほか,パークそのものがランドマークとなるような個性的なデザインを採用しています。初心者から中級者を対象に,そして子どもから大人まで,多くの方々にご利用いただき,将来,オリンピックに出場するようなスケーターが育っていくことを期待しております。

 最下流に整備している「土の広場」では,通常のグラウンド利用だけでなく,「とんど祭」のような火を扱ったイベントも開催することができます。また,芝生広場の上流側の「石畳広場」におきましては,大規模なイベントが開催される際の展示・販売スペースとして活用していただくことになります。水際には,若者に人気のSUPやボートなどが接岸できる親水護岸を国土交通省が整備し,芦田川の穏やかな水面を活かした水上スポーツが気軽に楽しめるようになります。また,護岸沿いには,サイクリングやジョギングが楽しめる遊歩道を約3kmにわたって整備し,トライアスロンなどのコースとしても利用が可能になります。

 水呑大橋の周辺には,かねてから要望のあった「バーベキューテラス」を設置します。芦田川の雄大な景色の中,スポーツで汗をかいた後に,家族や友人とバーベキューを楽しむといった贅沢な時間の過ごし方もできるようになるかと思います。以上が全体の整備概要です。

 なお,かわまち広場につきましては,3月20日の総合体育館と同時オープンの予定ですが,今後の天候次第で一部完成が遅れる可能性がございます。

 また,かわまち広場の主要な施設である「スケートボードパーク」「芝生広場」「バーベキューテラス」の3つの公園施設につきまして,本日からネーミングライツパートナーを募集することにしています。募集期間は2月末までで,2020年4月末から2025年3月末までの5年間の使用期間を予定しています。是非,多くの方々に応募していただき,この広場の魅力を一緒に発信させていただきたいと考えております。以上が1点目の報告であります。

 2点目の報告は,ワーケーションについてです。本市では,IT関係の仕事に携わるクリエイター2人を東京都と神奈川県からそれぞれお招きしまして,昨年,福山版ワーケーション事業をスタートさせております。現在,田尻町を中心に,福山で働く,暮らすことの魅力を体験していただいています。受入れに当たっては,単に仕事と休暇という2つの要素にとどまらず,市内の企業や地域との交流,そして,それらの交流を通じたイノベーションの創出などにもつなげていこうという,本市独自の体験プログラムを官民が連携して用意しました。

 具体的には,市内企業の経営者との交流や意見交換のほか,活動拠点である田尻町においては,地元の小学生などとのサイクリングによる交流や,クリエイティブ人材の育成をめざした映像制作ワークショップを開催しました。お二人はこうしたワーケーションライフを大変満喫していただいておりまして,うちお一人は,この体験期間中に本市へ移住を決められ,市内で起業もされたということです。今後は,こうしたワーケーション体験者をより多く受け入れることができるよう,しっかりとした体制づくりを構築し,他地域との差別化を進めていきたいと思っています。

 そのために,「(仮称)ワーケーションふくやま推進研究会」を来月2月4日に立ち上げます。ICT化や働き方改革の進展により,新たな働き方に取り組む企業や人が増えていくことが予測されていますが,この機を逃すことなく,本市の取組を通じて多様な人材の誘致に努めていきたいと考えています。

 次は,RPAの運用を開始します。このRPAはロボティックプロセスオートメイションの略です。定型的な事務をできるだけ自動で処理するこのシステムを導入したいと考えまして,これまで実証的な導入に努めてまいりましたが,今回,4つの業務に本格的に導入し,今月末から順次運用を開始いたします。

 例えば口座登録業務ですが,これまで税のシステムと保険システムへ同じ口座情報をそれぞれ入力してきましたが,RPAの導入により,この二重入力作業がなくなり,300時間の作業時間が削減される見込みとなっています。

 今回導入する4業務合計では,1年間に合計950時間の削減を見込んでいます。また,既存システムの改修による口座登録業務の業務改善の場合は,約1,000万円という多額の改修費がかかるのに対しまして,RPAであれば約200万円で済むという経費節減効果も見込まれています。

 次年度についても業務の洗い出しの中で,導入効果が高いと考えられる10業務でRPAの追加導入を予定しており,継続して業務の効率化とコスト削減に取り組んでまいります。また,こうした成果については,福山を含めた6市町で構成をしております備後圏域の中においても積極的に共有して,互いのメリットの創出に努めてまいりたいと考えています。

 最後のご報告になりますが,まず始めは福山城の耐震改修工事に向けた現状のご報告であります。天守,湯殿,月見櫓,鏡櫓の建物について,これまでの調査で耐震安全性が十分でないということから,今年度,耐震改修工事に向けた実施設計を行っています。そして,この度の設計では,耐震性能の向上にとどまらず,天守の外観を往時のものとする外観復元工事を行うことにしています。また,天守内部の福山城博物館も来館者の方の利便性や安全性に配慮した建物になるような設計を進めています。

 福山城博物館について申しますと,現状は階段のみが移動手段でありましたが,今回の設計においてエレベーターを設置することが可能になりました。身体の不自由な方や高齢者の方,また小さなお子さまなどにも,身体への負担が少なく快適に博物館を見学していただきたいという思いから,エレベーターの設置を決定いたしました。

 また,展示内容につきましても,子どもたちや観光客も含めた大勢の皆様に楽しんでいただけるような大幅なリニューアルを考えております。リニューアルオープンは福山城築城400年の年,2022年(令和4年)9月を考えております。新たな福山城博物館の展示にご期待いただきたいと思っております。

 なお,天守の外観についても,北側の鉄板の復元や窓や格子の色彩など,往時の姿に近づけたいと考えています。

 築城400年記念事業につきましての2点目ですが,皆さんご存じのイラストが出てまいりましたが,この度,歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」と「福山城築城400年」とのコラボレーションが決定いたしました。

 株式会社コーエーテクモゲームスはこれまで,都道府県レベルでのコラボ実績を持っておられますが,単独の市との本格的なコラボは今回が初めてと伺っており,大変うれしく思っています。「信長の野望」については,ご存じの方も多いと思いますが,1983年に発売され,日本のゲーム市場において「歴史シミュレーション」というゲームジャンルを確立した有名なゲームです。

㏚企画の第一弾として,この「信長の野望」に登場する武将の中から,初代藩主水野勝成公とゆかりの深いキャラクター9人に,「福山城築城400年応援サポーター」に就任していただくことになりました。また,勝成公自身については現在,福山城築城400年のオリジナルデザインを株式会社コーエーテクモゲームスで制作をいただいておりまして,完成次第,公表したいと考えています。

 今回応援サポーターとなる9人の武将のキャラクターには,福山城築城400年記念事業のポスターやチラシ,パンフレット,市の公式サイトやフェイスブックなどさまざまな媒体に登場していただくことになります。本日から9人の武将による㏚が開始されることになります。また,こうしたキャラクターを活用した㏚グッズも制作することにしておりまして,築城400年記念基金へのご寄附に対する返礼品にも活用していきたいと考えています。以上,私の方からは4点の報告をいたしました。よろしくお願いいたします。

質疑応答

記者

 質問は3点ございまして,続けて質問させていただこうと思います。1点目は,就職氷河期世代への支援についてです。近年,80代の親と50代の引きこもりの方がともに生活し困窮状態になる「8050問題」が課題として挙がっています。引きこもり対策を巡って福山市は1月6日に引きこもり専門窓口を開き,専門機関へつなぐことも視野に対応しておられます。

 ただ,「8050問題」の背景の一つに,30代半ばから40代半ばの「就職氷河期世代」が希望する職につけず,そのまま引きこもりになってしまったというケースも指摘されています。そのような世代の就労の後押しを市としてどう進めていくか対策はありますか。また昨年末,岡山市が氷河期世代を対象に事務職員採用を表明しました。福山市の独自採用などは考えていますでしょうか。

 2点目は,東京オリンピックの盛り上げについてです。東京五輪に向けた聖火ランナーが昨年決まりました。市在住ランナーの中には重い病気から復帰した方もおられ,お世話になった方への感謝とともに走ると意気込んでおられます。この方に限らず,市として聖火ランナーをサポートしていく仕組みを検討されていますでしょうか。また大会本番に向け地域を挙げて盛り上げていく方策はありますでしょうか。

 3点目は,平和の発信についてです。今年は戦後75年を迎えます。平和を祈念する8月6~9日は東京五輪のクライマックスに当たり,熱狂の渦中にあります。福山市では8月8日は福山空襲の日であり,福山空襲へ思いをはせるとともに恒久平和を誓っています。東京五輪は世界へ平和の尊さを伝える絶好の機会でもあり,どのように福山市として平和の尊さを発信していくか取組はありますでしょうか。

市長 

 まず1点目であります,就職氷河期世代に対する支援ですが,本市ではこれまでもさまざまな要因から社会生活に困難を抱える若者の社会参加を促すために,青少年育成自立支援事業として実施している「社会体験活動プログラム」の中で,さまざまな取組を行ってきました。また,国の地域若者サポートステーションなどと連携したフリーター・ニートの就労支援セミナーや相談会も行ってきました。

 こういう取組が行われる一方で,令和2年度の国の予算で「就職氷河期世代活躍支援プラン」が盛り込まれ,正規雇用への就労促進とともに,ひきこもりからの脱却を支援することとなっています。これから審議される政府予算案の中に盛り込まれたということであります。

 本市では,こうした動きと歩調をあわせながら,今月,ひきこもり相談窓口「ふきのとう」を開設いたしました。そして,生活困窮者自立支援センター「すまいる・ねっと・ワーク福山」などと併せ,就労に関するさまざまな支援を行っていきたいと考えています。

 なお,就職氷河期世代,これは30代半ばから40代半ばまでの世代の方を指しておりますが,こうした世代への福山市への職員採用については,先行して試験を実施している他の団体の状況を参考に,今後,応募機会の拡大をどのように図っていくのか,あるいは試験の実施方向をどうするのかなどを含めて検討していきたいと考えています。

 次は,東京オリンピックの盛り上げについてお尋ねがありました。

 聖火リレーの実施・運営主体は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会でありますが,県の実行委員会を含めて,市との連携をしっかり取りながら,市内在住のランナー候補者が安心してリレーに臨んでいただけるよう必要なサポートをしていきたいと考えています。

 本市では,東京オリンピックに向けたメキシコ合衆国のホストタウンとして,県内最多の8競技の事前合宿受入れを予定しています。2018年には2競技,そして2019年には5競技の合宿が実施されました。そして,さまざまな交流も行われ,東京オリンピック開催に対する意識を高めることができたと考えています。また,選手団の合宿時以外の場においても,「¡Viva México!声を届けるプロジェクト」や「みんなアミーゴ」のCD化,メキシコ料理教室の実施などにも取り組み,機運の醸成に努めてきました。また,今年の消防出初式では「オリンピックカラー一斉放水」が行われましたし,成人式では「みんなアミーゴ」の歌と踊りが披露されました。

 今後は,5月の聖火リレーの後,メキシコとパラグアイオリンピック選手団の直前合宿が受け入れられる予定となっております。6月下旬から7月にかけて合宿が実施されることになります。今年はいよいよ本番直前の合宿ということであります。東京オリンピックの出場権を得た選手達が実際にやってくるという合宿になりますので,これまで以上にレベルの高い,そうした練習が見られるものと期待しています。合宿中の練習は原則公開になります。より多くの市民の皆様方に合宿を実際の目で見ていただきたいと思っております。

 また,JOCとのパートナー都市協定というものを福山市は持っております。これに基づいて市内の中学校へオリンピアンを派遣する「オリンピック教室」や,市スポーツ協会と連携して実施する「オリンピアン招へいオリンピック教室」は引き続き実施し,機運の醸成に努めてまいります。

 最後に,平和の発信についてお尋ねがありました。オリンピック・パラリンピックは「スポーツの祭典」であると同時に「平和の祭典」でもあります。オリンピック憲章は,「すべての人間は生まれながらにして自由で平等である」という「世界人権宣言」の理念を基に,スポーツを通して「人権を守り 平和に貢献する」ことをめざしています。

 本市が加盟している「平和首長会議」では,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が進めている「折り鶴づくり」を通して,戦争のない世界を実現する活動「PEACE ORIZURU プロジェクト」により,「核兵器のない平和な世界」の実現に向けた機運の醸成につながる取組を行うこととしています。

 福山市は1945年(昭和20年)8月8日,空襲によって市街地の8割を焼失し,多くの尊い人命を失いました。この惨禍を市民が深く心に刻み,先人のたゆまぬ努力により戦後復興がなされ,今日の平和な社会があることを忘れてはいけないと思います。戦後75年という節目でもあるオリンピックイヤーにあたり,改めて平和の尊さを心に刻み,「平和非核都市福山宣言」の趣旨を踏まえる中で,核兵器のない,戦争のない平和な社会の実現に向けて,一層の平和行政の推進に努めてまいります。以上でお答えといたします。

記者

 2点ほどお願いしたいのですが,まず1点目は,先日イコモスの会長が鞆の視察に来られ,町並みや景観などへ高い評価を発信されましたが,今回来られたのに合わせて市長として面会されたのかどうかということと,市長の世界遺産化への考え方,それから今後検討の余地はあるのかどうかについてお聞かせください。

市長

 今回イコモスの関係者が来福をされまして,そして15日にはフォーラムが開かれたと伺っております。鞆の文化的価値が高く評価をされたことは地域にとっても,そして本市にとっても誇りに思っています。これも,これまで地域の皆さん方と協力しながら重伝建地区指定や日本遺産の認定,そしてユネスコの世界の記憶登録はこうした取組がなされてきた成果であると考えています。

 鞆が世界遺産になり得る価値を真に有するかどうかについては,文化財の専門家や本市そして住民の方々によるさまざまな議論が今後も重ねられていく必要があると考えています。現時点ではこうした高い評価をいただきました鞆の価値を将来世代にしっかりと継承し,そして同時に住民にとっても暮らしやすい生活環境を実現する。こうした二つの柱をしっかり踏まえながら,住民と一緒にそして広島県とも一緒にまちづくりを進めていきたいと考えております。

 この専門家の方と面会をしたかどうかというお尋ねがありましたが,面談の機会は今回持っておりません。

記者

 つまり,現時点では,市長としては鞆の世界遺産化については考えていないということになるのでしょうか。

市長

 先ほど申し上げましたが,世界遺産の取組については幅広い関係者がもう少し議論を深めていく必要があると考えております。そうした動きを見守っていきたいと考えております。福山市が行うべきことは県と地元との間で議論となった「山側トンネル案」整備の着実な推進,そして,それに伴う県と市が行う鞆のまちづくりです。こうしたものを地域の皆さん方と一緒になってしっかりと進めていきたい,同時に鞆の価値をしっかり次の世代に伝承していくことにも努める,こういうことだろうと思っています。

記者

 世界遺産化が全てではないということになるのですか。

市長

 当面は県や地元と連携して鞆のまちづくりをしっかり進めていきたい,同時に鞆の価値をしっかり守っていきたいということです。

記者

 先の参院選をめぐる河井案里さんの疑惑をめぐって,本人それから夫の河井克行氏が報道の前に出てきましたが,その説明責任について今回の2人の対応についてどのように受け止められたのかお聞かせ願いますか。

市長

 十分な説明が有権者に対して必要だということを申し上げてきました。現時点でも十分な説明はなされていないんだろうと思っています。多くの有権者の受け止めもそのようなことではなかろうかと,このように思っています。

記者

 福山城のリニューアルオープンに関して,先ほど市長はエレベーターの設置が可能になると言われましたが,2022年9月のリニューアルオープンする際にエレベーターも供用開始になるという捉え方でよろしいでしょうか。

 はい,それで結構です。

記者

 お城などにエレベーターを設置するのに際して,文化財,築城当時のものに近代的な設備を付けるのはどうかという議論は必ずあるのですが,あえてエレベーターを付けるという決断をされた理由を先ほども少し触れられたのですが,もう少し詳しく教えていただきたいと思います。

市長

 もちろん幅広く文化庁と協議をしながら耐震工事を進めてきておりますが,あの天守そのものは文化財ではありません。したがって,文化庁とも色々情報共有してまいりましたが,市の判断で可能となったということであります。

記者

 400年事業についてですが,エレベーターについてこれは天守内に設置するということで,天守の前には階段があると思うのですが,その辺のバリアフリー化などの検討は考えられてますでしょうか。

市長

 天守の前の福山城公園,天守への入り口も含めてですが,それについては文化財としての価値を守っていく必要があります。そういう意味から,天守まで至る間のバリアフリー化については,文化財としての価値を守る上で,あるいは外観を守る上で,景観を守る上で,文化庁との協議が必要であり,一定の制約を受けるということになります。したがって大掛かりなバリアフリー化は難しいんじゃないかと考えておりますので,どの程度までのバリアフリー化が認められるのかについては,引き続き文化庁と協議をしているという状況であります。

記者

 福山城博物館内の改修ですが,その間,収蔵品等はどのようにされるのでしょうか。9月議会の時には,美術館の収蔵庫が足りないというような話もありましたが,実際収蔵庫は足りているのかどうか,どのように福山城内の宝物を分散するのか考えられていますでしょうか。

市長

 もちろん,一旦どちらかに移してその後,何を再び博物館に戻していくのかというようなことを整理していく必要があります。

文化観光振興部長

 仮置き場につきましては,今ご指摘の美術館ということに決めているわけではありません。市内の施設を現在調査中でございまして,その中で一時的な保管を行う予定にしておりますので,まだ最終的な保管位置を決定してはおりません。検討中であるということでございます。

記者

 福山城の改修の関係で新たな展示にも期待していただきたいということでしたが,そのバリアフリー化などによって観光客にとっては,更に来やすくなると思うのですが,改めて改修によって期待される部分をもう一度お伺いできますでしょうか。

市長

 現在,専門家の意見も聞きながら,コンテンツ,展示内容については議論しております。したがって,はっきりしたことをご説明することはできないのですが,例えば単に見るだけではなくて体験できる,触れる,あるいは物が置いてあるだけで動かないというのではなくて,躍動感がある,動きがある,そうした市外の観光客や子ども達にとっても魅力のある,そんなリニューアルにできればいいなと思っています。

 そして,先ほど,「天守の中の移動,バリアフリー化は,エレベーターによって一定程度改善するけれども,それではどうやって天守までたどり着けるのか」というお話もございました。先日,グリーンスローモビリティの社会実験を行いました。駅の北口福山城口からお城の北側の坂道を経由して,天守前広場までグリーンスローモビリティが走るという取組も行いましたが,そうしたことも活用しながら,体の不自由な方にも天守の福山城博物館に来やすくなると,こうした工夫をグリーンスローモビリティにとどまらず,色々とリニューアルオープンまでの間に検討していきたいと考えています。

記者

 先ほどの河井案里参議院議員の質問にも関連するのですが,河井参議院議員におかれましては,精神疾患の診断書が出てる上で,国会に来られない状態が続いておりますが,同じく選挙で選ばれる市長さんからして,「いっそのこと辞職すべきじゃないか」というご見解はないですか。

市長

 私の立場からそうしたことを言及するのは控えますが,とにかく県民がそして有権者が望んでいる,そしてご本人もカメラの前でお約束をされた「十分な説明」というものが待たれる,そういうことだろうと思います。

記者

 別件ですが,市の人権部門の活動だと思いますが,ふくやま人権大学で LGBT の当事者の方を招いて,その方は確か男性から女性に性別適合などをされた方と聞いていますが,そういった方を招いての講演会が行われました。全国の自治体の中では,一部,その同性カップルを公的に認定して,例えば市営住宅の入居や公立病院の手術の同意などができるような動きを東京の世田谷とか渋谷などがしていることは有名です。それから宝塚,私の前任地の三重県伊賀,あるいは札幌などでも動きが広がっていますが,福山市としては何かそういう考え方はございませんか。

市長

 その LGBT の方々に対する社会的なバリアをどのように解消していくかということは,今日的な社会問題,社会的な課題だと考えています。こういうものにどう行政が対応していくのかということについては,引き続き現在も検討中であります。出来る限りその当事者の皆さん方の悩みをしっかりと受け止めながら必要な対応に努めていきたいと思っています。

記者

 福山城の件ですが,2017年度に「築城400年記念事業基本方針」を策定されております。これは22年度までの6年計画で作られていますが,3年間が過ぎて折り返し地点に着いたかと思います。実行委員会会長の市長にとりまして,この400年事業を振り返られてみて課題を感じられたこと,あるいはこうした方が良いのではないかと感じることなどありましたら教えてください。

市長

 なかなか市民総ぐるみで大きなプロジェクトに取り組むということは,そう易しい問題ではないですね。機運をどうやって醸成するのかというようなことに努めてまいりましたが,まだまだやるべきことが多いと思います。ただそのような中で,昨年「入封400年事業」という節目を迎えました。そして,さまざまな地域で水野勝成公に関係する取組が行われました。そして片やお城の整備を通じて,多くの市民の皆さん方に「築城400年の年が近づいている」「それに向けて景色が変わっていっている」,そうした思いを持っていただきつつあるのではないかなと思っています。募金委員会もできまして,市外の皆様方からも関心を持っていただく,こういう段階に入ってきております。残り3年間ということになりますが,引き続き「築城400年」という大きな節目を多くの市民でその意義を分かち合える,そんな取組につなげていきたいと考えております。一歩一歩,その年に向けて取組が広がっていっているという段階にあろうかと思います。

以上。