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市長再任記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年9月1日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2020年(令和2年)8月11日(火曜日)

報告事項

現在の思い,政策運営の方向性について

・今後4年間の目標について 

 市長再任記者会見資料 [PDFファイル/684KB]

会議録 

市長 

 この度二期目の重責を担うことになりました。身の引き締まる思いであります。引き続きふるさと福山の発展のために,そして安心の市民生活のために,微力ではありますけれども全力を尽くしてまいりたいと思っています。現在の思いあるいは政策運営の方向性についてご説明をさせていただきます。

 まず何といっても現下の最大の課題は,新型コロナウイルス対策であります。国の大きな方針で,感染拡大の防止とそして社会経済活動の再開,この2つの柱を両立させていくという難しい取組を行っていくということになろうかと思います。まずは感染拡大を全力で防止するということが重要だろうと思っています。これまでPCR検査につきましては,福山市独自で1日180件の体制を整備すると申し上げ,運用をしてまいりました。8月末までにはこの体制を,1日500件まで可能となるように拡充いたします。こうすることによりまして,希望する人を全て検査に繋げていくという思いをもっています。それからインフルエンザとコロナ第2波の感染流行が重なることだけは何としても避けないといけません。これにつきましては,先の補正予算でインフルエンザ予防接種の助成を拡充いたしました。ぜひ大勢の市民の皆さん方には,来たる冬場の流行に備えてインフルエンザの予防接種を受けていただきたいと思います。

 それから7月の上旬に新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを公表いたしました。職場編そして家庭編それぞれの場所においてやるべきこと,予防対策そして万が一発生した時の対応,さらにはその後の風評被害の防止などをこのガイドラインの中に盛り込んだものでありました。このうち盆前には高齢者施設において,先行的にこのガイドラインに沿った講習を受けていただくように準備をしたいとお約束をしてまいりました。8月7日から市内に999箇所ある高齢者施設において,DVDをお配りしておりますので,独自に講習を受けていただく。そしてどれだけの講習の成果があったかということを保健所が見させていただきます。そしてしっかりとした講習の成果が上がっていると判断した場合には,保健所が修了証を各高齢者施設に対して出すという形で,現在取組がスタートしております。一般の職場については,8月末からeラーニングによる講習が始まっていくことになります。また高齢者以外の施設においても幅広く感染症予防対策の支援をこれまで6月補正,7月補正を通じて講じてまいりました。こういうさまざまな取組を今後も継続していく。そしてその時々で新たに発生した課題に迅速に対応していく。そういうことを重ねながら第2波への備えを強化していきたいと思っています。

 それからあわせて経済活動の再開であります。福山市でも7月14日以降,今日までに新たに37人の発症が確認されています。今後も気を緩めることができないという状況だと思います。そういう中で消費喚起策を同時に行っていくと。効果的な消費喚起策を行って,事業者支援もあわせて行っていくために重要なことは2つです。単発に終わらせないということ,そして効果のある大胆な消費喚起策であるかどうかということであります。8月14日に観光施設におけるキャンペーンがスタートいたします。クーポンを発行して,例えば市内で買い物をしていただけるような支援策が盛り込まれたキャンペーンが,観光施設を中心に14日からスタートいたします。もちろん国の「Go Toトラベル」,県も同様のキャンペーンを実施しておりますので,一体的にキャンペーンが進められていくということになります。7月補正では,すでに飲食に対してポイント還元を20%行うという施策を成立させていますが,これがいよいよ9月から始まります。9月の1カ月間,PayPayと協力をした消費喚起キャンペーンが始まるということであります。そして今後の話ですが,今我々考えておりますのが,12月1月,年末年明けでも消費喚起が継続するような取組を今構想しております。この間,10月11月が空いておりますが,これは国の農林水産省が「Go To Eat」という消費喚起キャンペーンを行います。そうすることによって,いわば8月から来年1月まで切れ目のない消費喚起策が行われるということになります。経済効果でありますが,30億程度の経済効果を期待するという内容になっていくものと思っております。

 それから2点目でありますが,これまで5つの挑戦というお約束を市民に対してお示しをしてきました。この5つの挑戦を4年間,市役所職員一丸となって推進をしてまいりました。そして少し福山が変わってきたという声をやっと聞けるようになりました。この「変化を確かなものにする」これが今後4年間の目標であります。この4年間にはどんなものが確かなものとして福山に姿を現すか,景色が変わるか。2022年度が一つの節目になるのだろうと思います。まず築城400年事業のその年になります。天守が復元され,全国に2つしかない天守内の博物館が完全リニューアルされ,この中にはエレベーターも設置されるということになりますから,内部の姿が一新されます。それに加えて,天守のライトアップによりまして,この福山城ライトアップ事業の全容が現れるということになります。これが2022年度です。あわせて駅の北口広場の整備が順調にいけば,2022年度築城400年にあわせて完了するということになろうかと思います。さらに教育面で言いますと,公立小学校とすれば全国初のイエナプラン教育校がスタートします。そして特認校「広瀬学園」が開校する年でもあります。それから2023年度にはどういうことが行われるか,どういう景色が現出するかということでありますが,旧キャスパの跡地が再生いたします。鞆の山側トンネル工事が完了いたします。福山港の機能強化が完了することになります。そして,5カ年をかけて行う抜本的な浸水対策の完了年にあたる。これが2023年度であります。この年,前年で大きく都市インフラが整備をされるという時期になろうかと思います。その先の2024年度になりますが,この年にはごみ処理施設が完成します。また学校の耐震化が100%完了するという年であります。就任時には,福山市の耐震化が極めて遅れている。それによって広島県全体の耐震化が他県に比べて大きく遅れをとっているという話を知事から聞かされまして,「一緒になって進めましょう」ということで取り組んでまいりましたこの小中学校の耐震化が,いよいよ100%という数字で完了するということになります。また学校図書館のリニューアルも完了いたします。1年遅れましたが,2025年度には世界バラ会議がいよいよ福山にやってくるということになろうかと思います。また,完了しているわけではありませんが,いくつか新しい取組も盛り込まれています。一つは2020年度中には,駅前広場の機能の検証から入る駅前広場の見直しについての議論がいよいよスタートすることになります。それからもう一つは2番目の柱でありますが,子育ては福山ネウボラの拡充により進んでいきます。7月末までで,累計約51,700件の相談を受けました。とうとう50,000件の相談をこの7月に超えました。一定の頼りにしていただいているということだろうと嬉しく思っていますが,福山ネウボラを引き続き取り組んでいきます。そして福祉はフレイル予防対策であります。そして残る医療でありますが,市民のあるいは備後地域の市民住民の大きな安心になっているのが福山市民病院です。福山市民病院の本館を中心に,建て替えを行いたいと思っています。この4年間の間に調査・設計に着手をし,建て替えに着手をしていきたいと思っています。何のために建て替えをするのか,何のための機能強化か,ということですが,小児医療の拠点機能をこの福山市民病院が担うということを一つの目標にしております。それから周産期医療です。出産間近・出産直後を周産期といいますが,その周産期における医療の拠点機能を福山市民病院が果たせるようなそういう機能強化のための本館建設を行いたいと思っています。それに伴いまして,西館東館の改修も一部行われていくことになろうかと思います。また本庁舎の防災機能の強化についてもこの4年間の間に議論がスタートしていくことになります。スポーツ施設の再編についてもこれまで計画を作って市民にはご提示をしておりますが,スポーツ施設再編の動きについてもこの4年間の間に,具体的に市民の皆さん方にお示しをしたいと思っております。

 こうした4年間を展望する中期成長戦略を策定いたします。2021年度を初年度とし,向こう5年間の中期成長戦略を念頭に置きたいと思います。実は現在も総合計画というものがあります。それを1年前倒ししまして,この年をスタートにしたい,二期目のスタートに合わせたいということであります。この戦略における視点でありますが,ポストコロナを見据えた都市づくりということになるのだと思います。

 そしてそれはどういう手段を用いるのかというと,一つはデジタル化だと思っています。なかなか我々の生活に現時点では馴染みの薄いデジタル技術でありますが,実は少子高齢あるいは過疎,そうした課題に直面する地方にこそ,このデジタル化の恩恵は大きいのだと確信をしております。この中には,市民の皆さん方から強い要望のある「子ども未来館」の構想についてどのような整理をするのか,あるいは新しい働き方,行政のデジタル化,あるいは地域のデジタル化,そうしたものを念頭に置きながら議論をしていくことになろうかと思います。

 それから国際戦略でありますが,すでに決定している2025年度の世界バラ会議に向けてどのような国際都市をめざしていくか。そしてまたMICE戦略というものを作りましたが,その中で「産業MICE」「エリアMICE」という福山のMICE戦略の特徴である2本柱が提示をされました。「エリアMICE」という言葉は馴染みのない言葉ですけども,これは「MICE」というと今までのイメージは大きなコンベンションホールがあるところでしかMICEは誘致できない。こうした従来の発想を覆し,施設に頼らないエリア全体がMICEの場所になる。例えばお城もその可能性の一つになります。もちろんリーデンローズが主会場になるかもしれません。あるいは伏見町の一角でそういう議論が行われるかも分かりませんし,RiMの1階でそういう議論が行われるかも分かりません。そうしたエリア一帯を国際会議の場所として使いながら進めていきたいというものが「エリアMICE」であります。こういう手法を駆使しながら国際都市戦略を打ち立てていきたいと思っています。

 地域戦略でありますが,この間福山市は周辺の市町と一緒になって,共に力を合わせて豊かな生活に向けた努力を続けてきました。改めて地域の個性を引き出して地域が元気になる。そんな議論をこの中期成長戦略の中でしていただきたい,していきたいと思っています。全てのエリアを念頭に置いたものになるのか,一部のエリアを念頭に置いて戦略を立てるのか。あるいはエリアという発想ではなくて,資源をテーマとした戦略となるのか。これは今後色々議論をしながら整理をしていきたいと思っています。

 こうしたことを今念頭に置きながら,今後4年間の市政運営の柱を具体化していきたいと思っています。私の方からは以上であります。

記者

 本日選挙会において,正式にご選任となりました。当選証書も付与されました。正式に当選が決まったお気持ちと二期目の抱負を改めてお願いします。また福山市長選においては,以前の松永市との対等合併,旧福山市時代を通じて市長選は戦後初の無投票ということになりました。市民の方からは「投票の機会がなく残念だ」という声も聞いたことがあります。この無投票というのは,選挙で投票用紙に名前を書いてもらって当選するということよりも,責任が重いという考え方もありますけれども,改めてそれについてのお考えやお気持ちをお聞かせください。

市長 

 まず無投票になったということについての私の受け止めであります。有権者の皆さん方の立場からは,選挙戦を望んでおられた方は少なくなかったのだろうなという思いは私もしております。2月に立候補を表明して今日まで,当然心構えとすれば選挙戦になり,そうなった以上は私の思いをより多くの市民の方にお伝えをするという心構えで進めてまいりましたが,結果については一候補者であります私とすればどうしようもないことであります。今後さまざまな機会を通じて,市政の方向性をしっかりとご説明をして多くの市民の皆さんの理解と共に市政運営を進めていきたいと思っています。「スピード感」「情報発信」「連携」という市政運営の基本は変えるつもりはありません。そして現場主義も大切にしてきました。今後さらに現場主義に徹して,市民の可能な限り多くの声をしっかりとくみ取りながら謙虚な市政運営に努めていきたいと思います。

 それから二期目の抱負であります。これまで一期目は5つの挑戦という公約を掲げて市役所の職員とその実現に注力をしてきました。先ほども,5つの挑戦のこれから花を開かせ実を結ぶいくつかの取組事例についてのご説明をいたしましたが,決して守りに入ってはいけないと。これまでやってきたことの着実な実現だけに我々の時間を費やすことになってはいけないと。新たなことを発想し,新たな汗かきをする。そうすることによって5つの挑戦の幅をもっと広げて,あるいはもっと深めていくと。そうすることで福山がより輝き,故郷を誇りに思う。そうして福山の名前が全国に発信される。そんな取組にしていく必要があると思っています。引き続き攻めの行政を,しっかりと市役所の幹部職員と共有をしていきたいと思っています。先ほども申し上げましたが,大きな方向性については中期成長戦略でお示しをします。そして具体的な個別施策で早急に手を付けるべきものについては,早ければ9月補正の中に盛り込んで,議会のご理解を得ながら一刻も早く着手に入っていく,そんな思いをもっています。

記者

 先ほど駅北口広場の整備が順調にいけば2022年度に完了と言われたのですけども,JRとの協定では今年度中に更地にして引き渡すという内容になっておりまして,バスの送迎場も絡むのですが,そういったことを含めてJRと手続きが進んでいないような感じがするのですが,本年度中に土地交換は完了するのでしょうか。

市長 

 本年度中にJRと具体的な詰めを行いまして土地の交換を終えると。こういうことについては着実に進めていきたいと思っています。一方で一部の市民の方から反対をする声があります。私もよくよくご主張を読ませていただきましたが,誤解に基づくご主張もあると。あるいは十分経緯をご存じないが故の反対論のように見受けられる点もある。ただそうしたことについては,ご理解をいただけるようにしっかりと説明しないといけません。そういう仕事も加わってきておりますので,そうしたものも含めてできる限り予定通り進めていきたいと思っています。ただ一方で,JRが非常に経営的・事業的に困難な状況に入っておられるという話を新聞報道で聞いています。そういうJR側の事情もしっかりと踏まえながら,着実に整備を進めていきたいと思っております。

記者

 もう1点は,市民病院の本館のことを先ほど言われて壮大な構想だと思ったのですけれども,いつ頃完成をさせたいという目途はおもちなのでしょうか。

市長 

 これは大掛かりな大変な整備になると思います。今の時点で言えるのはその程度です。

記者

 老朽化に伴うものなのか,それとも先ほど言われた周産期のためのものなのでしょうか。

市長

 もちろん整備されたのが1977年ですから,そういう意味では一定の年数は経っています。その後色々な機能が追加されたことによりまして,病院全体としての機能的な配置といいますか,そういうものも課題として出てきています。先ほど申し上げましたように,市民病院が受け止めるべき新たな医療ニーズが出てきている。そうしたものが色々積もり積もっているものですから,これはやはり大掛かりな見直しをしないといけないという思いであります。

記者

 先ほどの質問の関連ですが,駅北口の開発の関係で,福山城の公園の方にバスの乗降場を移すという計画が当初2月の段階ではあったと思うのですが,そこはその通りで間違いないでしょうか。

市長

 暫定的な利用の方策の一つとしてそうしたイメージ図を提示したことは事実です。ただ最終的にそこで決定をしているという意味での提示ではなかったということです。

記者

 私の理解では,2022年の築城400年,この時には観光バスの駐車場としての機能ということで考えておられたと思うのですが,それまでは暫定的に使っている当初の方針ということだったと思うのですが,それはいかがですか。

市長

 最終的にどこに観光バスの送迎機能を定めるのか。あるいは一般市民の方の送迎機能をどこに置くのか。それも含めてまだ最終的に決定をしているわけではないということであります。

記者

 いったんは暫定的に使うのだけれども,その先どこかで最終的には南側の方も含めて検討するという認識でいたのですが,そうではないということでしょうか。

市長

 暫定的に福山城の東側の公園の一部を使うというイメージ,あるいは案の一つは確かに提示させていただきましたけれども,まだそこに決定したというつもりはないということです。

記者

 今の段階では,改めて南側も含めて再検討するということになっていると思うのですが。

市長

 以前から南側を含めて色々検討していくという整理になっていました。

記者

 暫定的に使った後の話ではないのですか。

市長

 いえ。暫定利用も含めてまだ決めていたわけではないということです。

記者

 私の取材では,その当時は,そこということで決まった後に,住民の中で色んな声があって,そうではなくて南側も含めて,当初の暫定的に持っていく場所も含めて,南側ということも考えて,検討し直すと私は取材の中で理解をしていました。

市長

 住民の反対があったから検討し直すという意識は私にはありません。

記者

 今再検討されて,場所を示される時期はいつ頃を考えておられますか。

市長

 それはまだ私の中では整理はできていません。

建設局長

 一応年度内に土地交換に向けて進めています。そのためにはある程度北口広場を更地にしていくことが必要になってきます。工事をする期間を考えれば,9月10月ぐらいには方針を決めていかなければ今後の作業ができないと考えております。

記者

 5つの挑戦は,これからの4年間でこれまでの挑戦というものを一つ一つやっていくだけではなく,新しいものにも果敢に取り組むという話があったと思うのですが,その中で今回示されたもので新しいものというのは市民病院になるのでしょうか。

市長

 その他には,駅前広場の見直しの検討ということです。それから社会施設の再編計画としてはすでに公表していますが,先行的に再編していきたいというのはテニス場,水泳場です。このようなスポーツ施設の完了の目途を2024年度頃に置きたいと思っております。

記者

 子ども未来館構想について言及されました。議会の一般質問でも場所は言われず,駅周辺にどこか必要だというような発言をされていたのですが,具体的にどの辺りにいつ頃というようなお考えはございますでしょうか。

市長

 いえ,まだその辺りも含めてしっかりとした議論が必要だと思います。それと当時はなかったことなのですが,コロナの問題が出てきました。コロナ禍にあって,ウィズコロナというべきかポストコロナというべきかよく分かりませんが,そういうコロナとの関連においてどういう子どもの施設・屋内施設・社会教育施設がというものが望ましいのか,その在り方も改めて議論しないといけないと思っております。

記者

 それは子ども未来館を造らないというわけではなく,造るのだけれども構造などを議論するということでしょうか。

市長

 そういうことです。造らない理由で言っているつもりはありません。

記者

 市民病院のことなのですが,答えの中で新たなニーズが出てきているというお話がありました。どのようなニーズに応えようとされているのか整備する理由と,整備して地域にどういう効果が出ることを期待されているのかということをご説明いただけますでしょうか。

市長

 一つは小児医療です。365日24時間救急の小児医療の拠点を,この福山市民病院が担っていくということであります。子育てに優しい福山市,子どもの医療についても万全の体制を整える。福山市民だけではなくて,福山・府中医療圏,さらには県境を越えた笠岡や井原からもたくさん利用されていますので,そういう備後圏域の安心の医療の体制作りにも役に立つ,貢献をしてくれると思います。それから産科医が不足をしています。そういう意味では産科医療の拠点,特に注意,ケアの必要な周産期についての医療拠点機能を福山市民病院が担っていく。これは地域の大きな安心材料になっていくと思っています。

記者

 3点質問です。まず築城400年について,2022年も残すところ後2年ですけれども,それに向けた意気込みを教えてください。

市長 

 福山の魅力は産業だけではなく,歴史や文化,伝統の魅力が非常にたくさんある都市だということを申し上げてきました。その中でも福山城というのは,多くの市民が誇りに思っている,いわば福山市のランドマークでもあります。福山城がこれまであまり市民の関心の的になってこなかったというのを,私自身寂しく思っていました。400年という大きな節目を多くの市民が自分たちの歴史を振り返る機会にしたいという思いで,この築城400年事業を構想し,5つの挑戦に盛り込んだということであります。これは是非とも成功に終わらせたい。多くの市民が参加をして良かったと,それぞれに良い事業だったと思えるようなものにしていきたいと思っています。

記者

 次に学校再編について,とりわけ山野町に関連して2点質問させてください。7月14日に山野町内会連合会長が市長あてに学校再編や山野町の将来像について直接市長と意見交換をしたいという要望書を出されました。その回答について,聞くところによりますと,本来は市教委・企画政策課・北部支所の事務方で意見交換をする予定だったところですけれども,その回答書を渡される際に,地元関係者の方から地域活性化や学校再編での福山市の協議には意見の相違があるので応じるつもりはないというような回答があったそうです。これにつきまして市長は,なぜ地元の方との面会・意見交換をされなかったのか。それに合わせて山野町,特に学校再編で学校が地域からなくなる山野町や内海町のような地域の今後の活性化に向けた動きについて,どのように今後されていくのか,お考えを聞かせてください。

市長

 学校再編については,教育の在り方とそして地域活性化の問題と分けて議論しましょうと申し上げてきました。今もそういう思いに変わりはありません。そして,まだ教育委員会と山野町の住民の皆さん方との間では十分整理ができていません。そういう整理ができていない段階で,おそらくなかなか冷静な議論ができないと思います。それともう一つはこの学校再編の問題は,どちらが正しくてどちらが間違っているという問題ではないと思います。それぞれに思いがある。そうしたものをできるだけ議論を十分しながら,最後は教育委員会を信頼してほしい。行政を信頼していただきたいという思いをこれまでもそして今ももっています。最後には,教育長の掲げる教育再編の考え方に私は全幅の信頼を置いている。という3つの理由から,今山野町の皆さん方とお会いする段階ではないと判断しています。

記者

 学校再編に関連して,耐震化が2024年度までに完了するということなのですが,これは再編先の学校ありきの話なのか,それとも既存の小中学校を全て耐震化するという話なのかどちらでしょうか。

 

教育次長

 福山市においては,当然既存の校舎を,今は耐震改修から改築の方へシフトしていっています。まずはこれに全力を挙げて取り組んでいっているということです。学校再編との関わりでいけば,我々が目指している再編時期を見据えて,耐震化もあわせて検討して,現在の計画で2023年度には耐震化が完了するということで計画をしております。

 

記者

 山野小など再編される学校で今耐震化は済んでいないのですが,これは再編された先の学校は,耐震化されているから山野小は耐震化されないままというお答えということでよろしいでしょうか。

教育次長

 山野については,小学校は耐震性がありません。中学校は耐震性があります。今言われた再編先というのは加茂を想定していますけれども,加茂については耐震化というより小学校の方を改築しておりますので,再編後の学校で安全性を確保していくという考えでやっております。

記者

 学校の教育の在り方と地域の活性化の在り方は分けて考える必要があるということを市長はおっしゃったのですが,例えば東京都立大学の社会学の山下教授が,地域の基盤としてインフラとして教育環境というのは欠かせないもので,これがなくなると子育て世代も定住しなくなるし,過疎化が進む,地域の消滅に繋がるようなことが全国で起こってきたという指摘をなさっていますが,そういう指摘があってもやっぱり学校と地域の在り方というのは分けて考えるべきだとお考えでしょうか。

市長

 ある1人の有識者の方の意見が,そのままあてはまるケースだけではないですね。さまざまな事情があり,さまざまなやり方がある。山下さんが色んな意見を色んなところでおっしゃっていることは私も存じ上げています。

記者

 山下教授の考えに限らず,教育がなくなった地域が本当に果たしてその後も存続していけるような考えやプランがあるのでしょうか。

市長

 子どもの立場からすれば一定の規模の中で,切磋琢磨して色々な経験もできて,そうした教育の場を提供してあげるということも必要です。やはり今の教育委員会は,「すべては子どものために」です。子どもの視点からどう教育環境を作ってあげることが重要なのか,そういうことを基軸に置いています。私もそういう考えを十分理解しているつもりです。

記者

 市民病院の建て替えについてですが,先ほど色々な機能が加わって,小児医療の救急的な機能ということで考えておられるということですが,やっぱり今の建物を建て替えるということは,結局そういう機能が加わってきているけども手狭ということなのか,その辺りの必要性をもう少し伺いたいのと,この4年で耐震設計をされるというお話がありましたが,着工の時期は例えば2026年度辺りを見据えておられるのでしょうか。

市長

 病院側とスケジュールについては詰めていきます。その上で,日程が設定されるということになります。それからその具体的な構造上の問題については,また改めて担当の方からお話をさせていただきます。

保健福祉局長 

 市民病院については先ほど市長がご説明申し上げました通り,特に子育て,あるいは周産期こういったところの機能を強化していくというニーズが,この圏域全体にございます。そうした中で,スペース的にも当然今のままでは足りない状況は明らかでございます。その他もろもろの診療科目の効率的な配置,こういったことも課題になっておりますので,そういったことを含めて今,検討をされていると聞いております。

記者

 検討が始まったのは,ここ最近なのか,それともずっと前からあったことなのでしょうか。

市長

 内々には,以前から市民病院の方では議論していると思います。

記者

 それともう1点,子ども未来館に関しても,市長の中でこのようなものができないかというイメージがあれば伺いたいです。RiMの中のものづくり交流館では色んなものづくりを体験できるスペースもあると思いますが,その辺りとの違いやどんなイメージをされていますでしょうか。

市長

 よくよくこれから全国の事例を勉強してもらって,あるいは今後のそうした「子ども館」「科学未来館」そうしたものの在り方を勉強した上で,整理をするのが良いと思います。私も十分知見があるわけでありません。ただ言えるのは,確かにものづくりのまちで触れる,見る,そうした体験をすることが,子どもの未来に大きな意味をもつ。これはその通りだと思います。やはりそこに,デジタル社会の新たな技術に子どもが直に触れ,そうした時代を生き抜くセンスや感覚をもって,刺激を受けて成長する,そんな場所にしてみたいなという思いはもっています。

記者

 この機能は何か新しく建物,箱物を作るのか,それとも今あるものを活用するのか,そのあたりもしイメージがありましたら教えてください。

市長

 まだまだ構想を議論してもらおうということであります。

記者

 今月で閉店するRiMですけれども,それに関する受け止めと,市長は「スピード再生」という言葉をよく使われますが,スピード再生は本当に可能かどうか思いを教えてください。

市長

 最小のコストで超スピード再生をめざしたいと申し上げてきました。そして,そうは言っても色々検討すべき手続きがあるということで,担当の方で議論してくれています。その結果,2022年の4月に再開したいという思いをもっています。こういう時代ですから,なかなか先が見通しづらい状況でありますから,今までのように施設ありき,規模ありき,大きな建物があるからそれを全部使ってやらないとインパクトがないのではないかという発想だけは捨てなければいけない。まずは1日も早く戸がたっている状態を解除する。閉まっている状況を再開に繋げていく。これが一番重要だと思います。そして地域の人が自らそのRiMの場をまちづくりの核にしていく。そうした思いをもって議論をしながら,駅前あるいは駅周辺の賑わい再生の一つの拠点としてまずは小さくスタートさせていきたいと思っています。

記者

 もう1点は福山の認知度に関してです。先ほど市長の抱負の中で,福山の名前が全国にとおっしゃっていましたけれども,民間の調査ですと中核市60ある内で,認知度が58位という実態もございまして,二期目で起爆剤となるような何か試案というものはございますか。

市長

 これはなかなか一朝一夕にはいかない問題で,私も毎日悩んでおります。悩んでおりますが,着実に成果が出ていることも事実です。ただ,まだまだレベル感として認知度が低いがために,各種調査において福山の名前がなかなか登場する機会が少ないので,多くの市民の皆さん方はまだかという思いを強めておられると思います。例えば,福山アンバサダー制度がありますが,福山アンバサダーの総フォロワー数がいくらか,あるいは市のSNSの合計フォロワー数や,あるいはLINEの登録者数がいくらあるか。あるいはメディアの露出度がいくら増えたか。そうした統計を個別に就任前の状況からとってみれば,着実にあるいは相当程度加速度的に,数字は改善してきているという実感を我々はもっています。したがって,これまでやってきたやり方は間違っていないと。これをさらに進める工夫をしながら,強化をしていくということにより,いつかある時突然,福山の名前が出てくるということもあるのではないか。それを夢見ながら,愚直に頑張っています。

 以上

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