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10月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年11月12日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2020年(令和2年)10月28日(水曜日)

報告事項

行政のデジタル化について

地域活性化会議について

 10月市長定例記者会見資料 [PDFファイル/1.51MB]

会議録

市長 

 私から2点,ご報告をいたします。まず1点目は,行政のデジタル化についての取組であります。昨年度本市では「ふくやまICT戦略」を策定いたしました。7つの分野から構成されるICT戦略でありますが,この中の行政分野の実行計画という位置づけで,「(仮称)福山市ICT推進計画」を今年度中に策定予定であります。2024年度(令和6年度)を最終年度として,五カ年間で行政のデジタル化を進めていこうと考えております。このICT推進計画は大きく3つの基本方針を考えています。1つは「行政サービスの利便性向上と充実」,2つは「行政内部事務の効率化・スマート化」,そして「市民のくらしを支える安心・安全なICT基盤の整備」です。

 1点目の項目でありますが,この中では3つの取組を,今年度から着手をしていきたいと思っています。最初は,いわゆる「チャットボットの導入」ということであります。それから「市役所手続きのキャッシュレス決済の推進」,それから「押印の廃止」,こういうものに取り組んでいこうということであります。まずチャットボットでありますが,福山市では今回初めて導入します。本日10月28日午後1時からサービスを開始いたしまして,市民の皆さん方からの日常相談が多い6項目で導入をいたします。今後もこうした市民サービスの向上につながるもの,24時間いつでも自宅のパソコンやスマホから質問ができるという意味での,市民サービスの向上の取組を順次拡大をしていきたいと考えています。先ほど言いましたICT推進計画の中で議論をしながら,最終的には15分野を目指しながら,取組を拡大していきたいと考えています。次にキャッシュレス決済でありますが,税や保険料の納付を自宅のスマホで決済が可能になるというものです。また,窓口収納におけるキャッシュレス決済の導入によりまして,非接触型の新たな窓口対応を可能にしていきたいと思っています。また,押印の廃止につきましても取り組んでいきます。これについては代表幹事社からご質問をいただくことになっておりますので,その場で詳しくご説明をいたします。

 次に大きく2つ目であります。事務の効率化・スマート化に資する取組であります。Web会議については,すでに一部実施をしておりますが,さらに本格的に実施しようということであります。それから,事務のスピード化に貢献する,あるいは経費の節減にも貢献する電子決裁をさらに推進していこうということでありますが,今回の目玉は「RPAの拡大」であります。このRPA拡大につきましては,7つの業務に今年度は導入をすることにしています。ロボットを使うことで,機械的な作業から解放される。そして必要な分野に,マンパワーを振り分けることができる。これがこのRPAの意味でありますが,今回の7項目で年間約1,870時間の時間削減が見込まれております。本市では,昨年度からこのRPAを4業務で導入しておりますが,当初の見込みでは年間950時間の削減が可能と見込んでおりましたが,導入開始後,現時点で10カ月経過していますが,10カ月ですでに900時間の時間削減効果が確認されております。このままの予定でいきますと,当初の削減効果を上回る効果が期待できるということになろうかと思います。引き続き,効率的な行政実務の運営に努めていきたいと思います。

 3つ目でありますが,7月補正で市内全域に,光ファイバー網の整備をお約束いたしました。着実に推進をしていきたいと思います。それからWi-Fiスポットの整備を,この計画の中で進めていきます。最終的にこの計画期間内の5年間で90施設程度でWi-Fiが可能になる,そうした公共施設の姿をイメージしていきたいと思っています。新しい生活様式への対応,そして業務の効率化による市民サービスの向上,こういう観点から,8つの項目について,早速取組を開始し,今後も順次取組の幅を拡大していきたいと考えております。以上が1点目の行政デジタル化の取組に関する報告であります。

 次に2点目の報告は,地域活性化会議についてであります。これは9月の所信表明でもお話をいたしましたが,この会議を本日10月28日この記者会見終了後に早速立ち上げたいと思います。今後の進め方を議論して,キックオフとしたいと思います。

 この地域活性化会議に関連して,市民の声を聞く取組を強化していきます。1つは,市政モニター制度の創設であります。当初は来年の4月から,第1回目の市政モニター制度の運用を開始し,市民アンケートを開始すると申し上げておりましたが,前倒しをいたしまして,来年の1月に第1回のアンケート調査を開始したいと思います。それから,支所等の広聴機能をより強化したいという強い思いをかねてからもっておりました。支所長を始めとする支所の職員が,それぞれの管内に出向いて,多様な立場の方々から,日頃思っている課題や市政に対する要望,そうしたものをしっかりと,そして直接聴き取ります。そしてそうした声を政策に反映をしていこうという取組であります。モニターからいただいた声,支所の広聴機能の発揮によって集められた声,それ以外にもさまざまな市民の声があると思いますが,こうした声を受け止めて集約をし,政策の形に練り上げていくのが地域活性化会議であります。もちろんここに至るまでに,各部局で対応できる地域の課題については,スピード感をもって対応してもらうということを考えております。

 大体,年2回の開催を考えております。春の会議,秋の会議ということになろうかと思います。春の会議では,日頃集められた市民の声を集約し,そして課題を整理し,項目を決定して,課題解決の方策を担当部局に指示をする。これが春の会議の主な中身になろうかと思います。そして秋口は各部局が来年度予算に向けた政策を整理する時期にあたりますが,この頃に,春に受け取った課題を担当部局が政策の形で練り上げて,この地域活性化会議で議論をする。最終的な政策の形,予算要求の形にそれを練り上げていくということであります。そして,財政当局との部内における戦いが始まると,しっかり予算を取ると,政策を実行すると,こういう段階にも入っていくわけであります。

 当面のスケジュールでありますが,今年度は年度途中からのスタートとなるため,通常のスケジュールとは違います。本日10月28日にキックオフをいたします。そして12月下旬に政策を取りまとめる,課題解決の方策を取りまとめる。そして少しタイミングが遅いですけれども,来年度予算編成に盛り込んでいく,間に合わせていくという突貫工事をまずは進めていきます。モニターにつきましては今後募集をし,そしてアンケートのためのテーマを設定し,第1回目のモニターアンケートをお願いします。通常の年でありましたら,大体年3,4回程度を考えています。来年の1月に行うアンケートの内容ですが,現時点で考えていることは,今年度福山市では中期ビジョンを作ります。そして中期ビジョンの,中間取りまとめを年内に行います。その中間取りまとめの内容について,市民の評価をいただきたい。これが1つの柱です。もう1つの柱は,第1回のアンケートでもあるということから,市政全般について,要望,期待,あるいは批判,そうしたさまざまな全般的な声をいただくところからスタートしていきたいと思っています。支所における広聴活動でありますが,就任2期目をスタートさせた直後から,すでに支所には取組を開始して欲しいと指示をしております。もうすでに地域を回って声を集めていただいているものと考えております。こうした声を定期的に報告してもらう予定にしています。2カ月に1回程度,年間で6回~8回,地域の声の報告を受けていきたいと思っています。

 最後に市政モニターであります。まず,無作為抽出した市民3,000人の方々に,依頼書を来月中にお送りいたします。そして,あわせて一般公募も行います。これら二つの募集方法を組み合わせながら,幅広い世代,満遍なく,さまざまな立場の方々から声をいただける。そんなモニターの選出,選定をしていきたいと思っています。また,特に子育て施策について,今の市政はとても力を入れております。あるいは女性活躍,若者にとって輝く都市の実現,こういう観点から,こういう立場の方々や世代の方々には,積極的に参加をして欲しい,声を集めたいと思っています。また,これまで市政運営に積極的に取り組んで参加していただいた方々がおられます。「ふくやま未来づくり100人委員会」の委員の方々,802名の「福山アンバサダー」の方々,それから今回コロナ対策で福山の市外にいる学生に応援パックを差し上げましたが,そこに応募してくれた学生さん,あるいは,かつて行われていた「福山知っとる検定」の合格者の皆さん方。これにとどまりませんが,こうした方々にも引き続き市政に参加をしていただきたい。このように思っています。

 現場主義を徹底していきます。市民の声をしっかりと反映する市政運営に努めていきます。以上です。

記者

 幹事社から2点質問があります。まず1点目は,9月に発足した菅政権が,各省庁に押印の原則廃止を指示して,これに追随して全国的に脱ハンコが進んでおります。押印に関する福山市の今後の方針が具体的にありましたらお願いいたします。

 2点目は,JR福山駅の土地交換についてです。JR西日本側は土地交換の延期を福山市に求めて約2カ月半が経過しました。現在の協議の進捗状況を教えてください。またこの土地交換に関連して,計画に反対する住民が9月末に土地交換の差し止めを求めて提訴しましたが,それを受けて福山市の今後の方針についてお願いします。

市長

 まず押印の廃止についての本市の取組であります。積極的に押印廃止について取り組んでいきたいと思います。まず経緯からお話しますと,1995年に,本市では押印廃止の見直しを行っています。当時1,200少々押印を必要とする手続きがありましたが,そのうち345件の廃止を当時行っています。そしてその後色々な事務が加わったり,あるいは事務が廃止されたりしまして,現状は押印を求めている申請書が約1,600件あります。この1,600件のうち,本市で判断できるものが250件あります。今積極的に廃止に向けた準備をしています。年内には廃止ができるというところまで,今精査が進んでおります。そして残りが1,350件あります。今後押印の廃止に向けた検討,見直しを行うものが,1,350件あるということです。ただ1,350件の中には,本市で独自に判断できないものがあります。特に法律等で義務づけられた手続き,そして押印が求められている手続きが約250件あります。これは現在おそらく国で,その押印の廃止に向けての議論,見直しが行われていると思いますので,国に準じて対応していきたいと思います。その他110件,さまざまな手続きがあります。例えば法律上の権利義務を規定している書類や,金銭等の授受などです。こういうものにつきましては,引き続き精査をしながら,来年の4月1日以降,今年度内に一定の方向性を出したいと思います。つまり今年度中の来年1月早々には,250件の押印が廃止できる。そして来年の4月1日以降は,これに一部が加わった押印廃止手続きが実現するということになっていきます。以上が押印廃止に向けた,本市の取組であります。

 それから2点目でありますが,福山駅北口の整備についてのJRとの協議の進捗状況についてのお尋ねでありました。昨日10月27日,本市とJR西日本との間で,再協定に向けた確認書を取り交わしました。これは8月13日にJRから現協定の見直しについての要望書が出され,その扱いを両者が確認をするという趣旨のものであります。

 確認をした項目は3点であります。1点目は,来年の3月末を期限として,本市とJR西日本が再協議を行うということ。2点目は,駅南北の土地の価格については,最近の社会情勢を踏まえ再評価をするというもの。また3点目は,JR西日本は現計画からホテル用途を除いた,よりよい計画を本市に提出すること。この3点を互いに確認をいたしました。この確認書の写しについては,この会見終了後記者の皆様方にお配りする予定です。それから訴訟についてでありますが,現時点でまだ裁判所から訴状が送付されてきておりません。送付されましたら,内容を精査の上,適切に対応していきたいと思っています。以上がJRとの協議の進捗状況,並びに訴訟に対する本市のスタンスであります。

記者

 ICT推進計画についてお伺いします。コロナ禍だとか,最近の動きだとか,そのような背景の中で,この計画を策定されることの意義についてお伺いします。また,今年度中の策定ということですけども,具体的な時期だとか策定の流れだとかそういったこともお伺いします。

市長

 ICT推進計画策定の意義でありますが,私は9月の所信表明で申し上げましたが,今後の新たな日常を作っていく上で,社会のデジタル化は不可欠だと考えています。そしてそうした日常生活を推進していく上で,1つのモデルになるべきが行政でもあると思っています。行政が率先して,デジタル社会への対応を進めていく。そして,デジタル技術,ICT基盤の整備,これが市民の生活を支える基盤であることにほかならないのだという認識に対して,社会をより豊かなものにする。そうしたことにもつながっていくと考えています。特に人口が減っていく,高齢化が進んでいく,過疎が進んでいく,そういう地域こそ,デジタル技術の恩恵がより大きい地域であるということも,かねてより申し上げてきました。そういう意味で,コロナ時代に生活する,ツールとしてのデジタル技術を積極的に導入していきたいという思いであります。

記者

 策定の時期については。

市長 

 来年の3月を目途に進めていきたいと思います。

記者

 AIチャットボットの件ですけども,多言語対応されているということですが,外国の方のニーズというのをお考えなのか,県内でも外国の方の居住者が多い自治体だと思いますが,そこに関してはいかがでしょうか。

総務局長

 今回多言語対応をさせていただいておりまして,対応する言語が日本語の他に,英語,中国語,韓国語,ポルトガル語,スペイン語,ベトナム語ということで,市内に居住されている方が多いところの7言語に対応していく予定でございます。

記者

 ニーズというのが何かあるのでしょうか。

総務局長

 今申しました通り,今市内には1万人近くの外国人の方がいらっしゃいますが,その中で多いのがベトナムの方や中国の方です。それから観光客の方や転入される方など,そういったところも意識して,まずは居住されている方が多いところのニーズに対応するという意味で,今回7言語の対応にしたというところでございます。

記者

 チャットボット導入に関しては,当初は7月の予定だったと思うのですが,時間がかかった理由を伺いたいのと,あと市政モニター制度で,来年4月に1回目のアンケートというのが,この度1月ということで前倒しになったということで,そのねらいや理由と,あとモニターを最終的に何人ぐらいに絞ろうとしているのか教えてください。

市長

 チャットボットにつきましては,本市で初めて導入しようということで,より使いやすい機能を備えるものにしたいという思いから,導入の時期がこの時期になったということであります。もちろんこれからも,利用回数が増えていくと思いますので,そうした内容を学びまして,より使いやすい内容に日々更新をしていきたいと思っています。

 それから市政モニター制度を1月に前倒しをしたということでありますが,率直な思いは,早く市民の声を聞きたい,来年の4月までは待てないという強い思いがあったということであります。それから新しい5つの挑戦を取りまとめることになるであろう5カ年計画,中期ビジョンである「(仮称)福山みらい創造ビジョン」の中間取りまとめの段階で,ぜひ市民の皆様の声を聞いておきたいということであります。それから3点目は先ほども申し上げましたが,まずは2期目をスタートするにあたって,あるいは2期目の最初の予算編成を控えた1月に,市政全般についての市民の皆様の声を踏まえた形で,新しい予算をスタートさせたいという思いであります。

 それからWeb環境を使った意見をいただける。そういう利点を生かして,3,000人というかなり大人数のモニター登録をまずは基本にします。ただ結果的には,世代間にばらつきが出るとか,さまざまな特徴が出てくると思います。できるだけ満遍に,多くの方々の意見を聞きたいという意味で一般公募もしていく。だから最終的に何千人をめざしているかという目標は今のところありません。3,000人をベースに,そこに一般公募分が加わってバランスのとれたモニターが構成されるというイメージです。ただできれば多くの声を聞いていきたいと思っています。

記者

 例えばモニターになると謝礼とかメリットとか,何かそういうものは考えておられますか。

市長

 いえ,今特に考えていませんが,やはり市政に一緒になって参加していただくという思いを共有していただきたいという思いです。

記者

 だいたい3,000人ぐらい依頼書を届けた方にはモニターになってもらいたいということでしょうか。

杉野副市長

 3,000人に出して,希望者ですので,なりたい人もそうでない人もいらっしゃいますので,3,000人よりは少なくなると思います。

記者

 北口の話ですけれども,昨日確認書を交わして,3月末を期限に再協議を行うということですが,これは念のために確認ですが,交換をするという方向には変わりないのかという認識でよろしいのでしょうか。あるいはゼロベースなのでしょうか。

市長

 どちらかというと後者に近いかもしれません。つまり,8月13日にJRから申し入れがあった。そのホテル計画が,白紙に戻った。そういうベースが変わったということで,それを機にまたよりよい計画にしていこうということになっている。これが大きな流れです。現協定,あるいは現計画は,専門家の声も聞きながら,市民の声も聞きながら,作ってきた計画でありますが,その計画の前提が崩れるわけです。だから,本当の意味で,よりよい計画にしていきたい。そんな計画がJRから出てくるのを我々は心待ちにしているという段階にあるわけです。だから,そういう議論をする中で,土地交換をするという結論になるということは十分あると思います。

記者

 8月13日にJRから申し出があった時点では,JRは土地交換はしたいというようなことだったと思うのですけども,それは土地交換をするのが前提ではなく再協議をするということですか。

市長

 そのすべての議論が,全体的に再協議になっているわけです。その新たな協議がまとまる中で,土地交換が望ましいということであれば,それはぜひそうした形にするということだと思います。

記者

 今市長の中では,協議の進展によっては土地交換をしない可能性もあるということでしょうか。

市長

 JRからは,よりよい計画にしたい,よりよい計画を出すとおっしゃっていただいていますから,そのよりよい計画のために土地交換が必要であれば,それはぜひやりたい。ただ,今,何も出てきていないのに,土地交換を前提とするとか,何かを前提とするとか,そういう議論にはなりませんということを申し上げています。別に土地交換に否定的だとか,後ろ向きだとか,そういうことを言うつもりはありません。

記者

 先日商工会議所の林会頭が,MICE機能はどうでしょうかという提案があったと思うのですけど,市の方で何かJR側に,ホテルの代わりに,例えばこういう機能がどうかというような意見が,事務レベルでは協議されていたと思いますけど,その辺は伝えてあるのでしょうか。

市長

 事務レベルではさまざま自由に色々な可能性を言っているのだと思います。ただ私は正式な回答を待っているということです。JRの提案をお待ちしているということです。

記者

 今の質問に関連して,福山駅北口がどうあるべきであるかということについて,改めて市長の見解を教えてください。

市長

 駅南口を含めて駅の周辺は,福山のにぎわいの中核になるべきだと思っています。良質なにぎわいです。そして景観ともマッチし,交通も整然とした,交通が確保された,そしてウォーカブルな空間であるべきだという思いから,これまで駅周辺の整備を進めてきました。駅の北口もそうした基本的なコンセプトに沿った形で,新しい景色に変わっていく必要があると思っています。そういう意味で,今回JR西日本から提案をいただきました。お互い良好なパートナーとして,やっていけるということでこれまで議論を進めてきました。今後もそういう思いを強く持っています。そういう中で,JRから協議の見直しについての提案が8月にありました。これは急激な経済環境の変化,経営環境の変化を踏まえたものですから,民間の株式会社としては当然のご判断だと思います。それはしっかりと受けとめ,理解をします。その上で,JRからのよりよい計画が提示されることを今,願いつつ待っているということであります。遅れはしますけれども,大きな方向性とすれば,順調に進んでいくことを今も強く期待をしています。

記者

 今の北口の発言で,結局のところJRとの土地交換が順調に進むことを,市長ご自身としては願っているけれども,JRからの提示される計画次第では,ゼロベースになることもありえるということでしょうか。

市長

 ホテルに代わる,よりよい計画を出したいというJRからの提案がありました。それを待っています。であれば,市民も納得されるだろうと思っています。だから,それをとにかく今待っている段階で,前提をつけることはしないということです。何かを前提として,協議を進めるということはありません。ただ,よりよい計画が出てくるだろうと思っています。

記者

 それを市民が納得するような計画であれば,喜んで受け入れますということですか。

市長

 はい。そうです。

記者

 6月から行っている道路占用許可の関係で,先週大臣が11月末までの道路占用許可の期限を恒久化しますというようなことを言われたそうですが,これをもって福山市として,何か戦略を打ち出していこうというようなお考えがあるのでしょうか。また市議会で度々,国家戦略特区について,市長は国の動向を見ながら考えていくというようなことを言われているので,国の動向がある程度見えてきたということで,戦略特区を今後どうするのか,具体的にお考えがあればお聞かせください。

市長

 今すぐに具体的な方針を固めたということではありません。あるいは方針が絞り込まれたということではありません。ただ国家戦略特区の指定を受けることによって,もう少し自由なオープンカフェが実現するということは事実のようでありますので,もし他に手段がないようでしたら,ぜひ国家戦略特区の申請,参加を進めていきたいと思っています。現在今回の法改正を踏まえて,このオープンカフェの取組が非常に有効であるという国の意識がさまざまな場で出てきていますから,よりよいやり方,より自由なやり方が提示されてくれば,当面はそれで進めていきたいと思っています。

記者

 福山駅の北口について,そこは将来,にぎわいの中核となるべき非常に大切な土地ですから,来年3月までにJRが出せるという魅力的な計画を出してみてくださいと,市のスタンスとしてはその時点で判断させていただく。つまりそういう意味ではゼロベース,という理解でよろしいでしょうか。

市長

 そうです。その上であえて言えば,これまで良好なパートナーとしてやってきておりますから,言葉通りのより良い計画が出てくることを,待ち望んでいるということです。

記者

 福山城について2つほど質問させていただきます。今月,約60年ぶりに福山城の耐震化工事が始まりました。60年前の再建工事のことを調べると,市教委の中に福山城再建事務所というものが設けられており,工事記録などを調べようと思ったのですけれども,記録が残されていなかったということがあり,当時の工事を振り返るために,元市職員の方に話を伺ったことがございました。今回の工事に関しましても,工事記録,どういった方が何人ほど工事に携わったのか,どういった方々が寄附を申し出られたのか。そういった一切合切の記録をまとめていただいて,市民の方にわかりやすく公表していただく。特に60年前の工事では,福山市史にも記録があまりないようですので,ぜひ今回の令和の大普請を記録に残していただきたいと思います。

 そしてもう1つは,国宝調査について今年3年目を迎えました。国宝調査については,これまで資料の収集について積極的にお願いをしてきたところです。この資料収集は私だけの質問ではなく,多くの地域の方々からもそういう声を聞いております。そういったことで国宝に至る,至らないとは別にして,そういった資料を積極的に市長から呼びかけていただいて,何かしら新しい文化的な発見,そういったものに結びつけばいいと思っておりますが,この2点についてお考えをお聞かせください。

市長

 福山城,令和の大普請ということで,市民の多くの期待を集めながら,いよいよ天守の耐震化工事が始まりました。おっしゃるように,しっかりとした記録を残しておかないといけないと私も思っています。さまざまな手法,最新の手法も使いながら,後世に今回の取組を伝えていきたいと思っています。定期的な定点撮影をする,ドローン撮影を駆使するということもやりますし,市民の皆様方にも,工事の進捗状況,現状をリアルタイムに見れるような取組もします。そういう動画を可能な限り多く集めた福山城改修ムービーのようなものを作る,残したい,残す,こうしたことを考えていきたいと思います。また文書ファイルについても,これは確かな歴史的文書です。そういう思いから体系的に,しっかりとした学問的な文書として,有識者の知恵も借りながら残していきたいと思います。これまで私も過去の取組を参考にするときに,確か築城370年の時の状況を取りまとめた書類などを目にしましたが,市民の有志が作られたというものであったと記憶をしています。ぜひ我々として,しっかりと取り組みたいと思います。

 それから国宝化に向けた調査についてであります。伏見櫓と筋鉄御門について国宝の可能性を今ももっています。2018年2019年と2カ年間調査をいたしましたが,残念ながら調査の結果,新たな事実は認められませんでした。引き続き,城郭史に大変な造詣を持っておられ,我々がこれまでよりどころにしてきた三浦教授のご意見もいただきながら,さらに,どのような調査をすることが有効なのか,検討してまいります。おそらく,今後の追加的調査の項目に上がってくるのが,伏見城の松の丸の現地調査。そこから移築されたということでありますから,そういう伏見城の関連の調査や,部材の調査,そして痕跡調査,こんなものが可能性としてはあがってくると思いますが,いずれにしても有識者の意見を聞きながらまずは調査をします。資料収集についてもっと積極的にするべきというご示唆がありました。もう少し積極的にやるべきだったというような思いもあります。これまで長い年月かけて,多くの資料を見させていただいているという思いが,庁内の専門家の間にあったのだろうと思います。そういう意味では,すでにやってきたことだからという意味で力が入っていなかったのかもしれませんが,改めて資料収集の呼びかけのあり方も考えていきたいと思います。

 それから新市にあります,備後一宮吉備津神社で,今回屋根の大修復工事が行われています。その中で墨書が新たに発見されました。1648年,慶安元年という墨書が発見されました。これは築造時の資料ということで最終的に確認をされれば,1648年に水野勝成公がその本殿を造ったということになって,これは非常に大きな発見になりうると考えております。したがってその確認作業を進める中で,備後一宮吉備津神社の国宝化に向けた取組も,今後の選択肢に加わってくるという思いも持っています。一体として,この築城400年事業関連の取組としていきたいと思っています。

記者

 自民党の総裁に関連して,先月,地元としては岸田総理が誕生するのが素晴らしいというご所見を示されましたが,実際には菅さんがなられました。市長ご自身は自民党や野党からのご推薦をもらっている立場でありますけれども,感想や評価などをお聞かせください。

市長

 菅政権のもとで,このコロナ時代の国民生活がしっかり守られていく,国の安全,平和がしっかりと保たれていくということを,強く期待したいと思います。総裁選は総裁選の話。新しい政府に期待する思いとすれば,先ほど申し上げたことになろうかと思います。大きな期待をもっています。 

 以上。

 

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