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新型コロナウイルス感染症に関する臨時市長記者会見
記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。
会見日:2020年(令和2年)12月7日(月曜日)
新型コロナウイルス感染症に関する臨時市長記者会見
・福山市内の陽性件数推移
・感染流行期ごとの年代別感染者の内訳
・感染流行期における市内感染者の感染経路推定可否の内訳
・感染流行期ごとの濃厚接触により感染した方の濃厚接触の内訳
・市民・事業者のみなさまへ
新型コロナウイルス感染症に関する臨時市長記者会見 [PDFファイル/649KB]
会議録
市長
一刻も早く皆様方に現在の状況,それから認識,そして市民に訴えたいことをお伝えしたいという思いでお集まりいただきました。後で順次申し上げますけれども,福山市の感染の状況は,危機的な状況に近付きつつあります。特に医療現場において,そうした強い懸念の声が上がっているということを受けたものである,ということをまずは申し上げたいと思います。
それではまずご説明いたしますが,今日申し上げたい項目は「福山市内の陽性件数推移」「感染流行期ごとの年代別感染者の内訳」「感染流行期における市内感染者の感染経路推定可否の内訳」「感染流行期ごとの濃厚接触により感染した方の濃厚接触の内訳」「市民・事業者のみなさまへ」の5項目であります。
ここのところ感染が急増しております。特に先月11月24日から昨日12月6日まで,わずか1日だけ新規の感染者がなかっただけであります。そして,1日最大12件の発生という本市では過去になかった状況も出てきています。11月24日以降38人の新規感染者が発生いたしました。これまでに6人が退院をしまして,現在患者は32人います。ただし,この内の2人は市外の病院に入院されておりますので,市内の病院には入院者は現在30人ということになります。この期間でこれだけ多くの陽性患者を出したということであります。
年代別の感染者の状況ですが,4月から6月の感染の山,7月からの感染の山,そして11月24日以降の山があり,ここのところは高齢者の感染割合が増えているということであります。特に4月の時にはおられなかった65歳以上でありますが,現在急増してきています。それから50~64歳までの年齢帯の患者の発生も多く確認をされています。前回,夏場の感染が若年層を中心の感染だったことを考えれば,大きく特徴が変わってきているということになると思います。それから,感染経路が推定できるかできないかということですが,感染経路推定が難しい患者の数が,4月から11月中旬の頃よりも約1.5倍に増えてきたということも今回の特徴であります。 また,どこで感染が広がっているかということを分類したところ,家庭内での感染が急増してきているということが見て取れます。この3つが今回の感染の特徴ということになります。
感染経路がなかなか推定できない患者が増えてきていると申し上げましたが,これは色々な見方ができるのだと思います。知らず知らずのうちに感染をしている。あるいは,感染防止対策を徹底しないまま人と接触をしている。こういうケースが推測されます。医療界の用語のようでありますが,市中感染が広がりつつある可能性も否定できないということです。
こういう状況がさらに進みますと,なかなか本市の患者の特定,囲い込み,感染防止の徹底,拡大の抑制,こういうものが難しくなってきます。そして,新たなクラスターの発生にもつながりかねません。そういう意味では,危機感を強めざるをえないということであります。
これまでの状況を振り返ってみますと,広島県が12月4日に「広島県警戒強化宣言」を発出しました。これはこのままの状態が続けば,行動自粛要請とか,あるいは店舗の営業時間短縮を要請せざるをえないという危機感に立ったものであります。私たちも当然そうした認識はもっております。そしてそれ以前からもっておりました。
そして本市では,11月30日に医療関係者からなる専門家会議を電話会議の形式で開いて,危機意識を共有しています。そして県が警戒強化宣言を発出した日と同じ12月4日に,改めて招集をいたしました。そこで医療関係者から出た,強い強いメッセージがありました。それは,軽症患者であっても突然重症化するケースがあるということです。福山市の場合は,これまで38人の感染者のうち,当初は軽症者として入院しましたが,入院中に重症化したケースが2例ありました。いずれも60歳以上です。いずれも基礎疾患を抱えているということです。こうしたケースについては,極めて強い警戒が必要だということを指摘されました。
そして実は,病床数がひっ迫しています。今,圏域内に病床は47確保していますが,そのうち30の病床が埋まっています。これは,福山市の経験からいってこれまでになかったことです。残りが17床ということであります。病床が圧迫されてきています。11月29日に,1日に12件の感染者の発生が見られたことがありました。そうすると,そうした感染が再び福山で発生すると,あっという間に病床がなくなってしまいます。これは今でさえ,医療現場から見れば,通常の医療を大きく圧迫しているそうです。救急医療にも支障が出かねない状況になっているということで,その医療関係者は医療崩壊の一歩手前にあるという認識を示しました。
こうしたことを,私たちは強く意識しないといけないということで,まずは広島県に対して,中等症以下の病床の確保をすでに要請しました。それから,市内において軽症者などを受け入れる宿泊療養施設の確保を急ぎ,16日には稼働できるような調整が終わりました。したがって16日以降は,軽症者,そして基礎疾患のない方,そして比較的年齢層の低い方,そういう方は優先的にそちらの宿泊療養施設に誘導していくことになります。振り分けという言葉は良くないのかもわかりませんが,そういう振り分け,選択を,これからは強く意識して進めていきたいと思います。
また高齢者が多く入所されている高齢者施設につきましては,県と一緒になって,まずは職員に対する抗原検査を徹底します。そうした取組で高齢者,基礎疾患を抱えている方,そういう方を守ります。重症化を防ぎます。そういう取組に重点を移していきます。
こうしたことを踏まえまして,これは今日お越しのメディアの皆様方にもご協力をお願いしたいと思いますが,市民に向けて,改めてメッセージを出したいと思っています。ぜひお伝えいただければと思います。
まずは体調が不良だと感じた時には,自ら人との接触を控えて欲しいと思います。そしてかかりつけ医,または受診・相談センター(積極ガードダイアル)に相談していただきたいと思います。これは従来から市民に語りかけてきた電話番号と同じ番号です。24時間対応です。無料電話です。その無料相談電話で,まずは相談をしていただきたいと思います。これまでと違うところは,体調不良と感じた時には,安易な人との接触を繰り返さないで欲しいということであります。
それから,これから忘年会,新年会の季節を迎えますが,大人数での忘年会,新年会は,控えて欲しいと思います。少人数で,短時間で終えていただきたいと思います。また,忘年会,新年会の店を選ぶ際には,本市のガイドラインに基づくeラーニングを受講した証であります「修了証」が店頭に貼ってある。あるいは,広島県の「広島積極ガード店」の表示が店頭に貼ってある。そんなお店をぜひ選んでいただきたいと思います。感染防止対策が徹底されているお店を利用していただきたいという意味であります。
それから,事業者の皆様に対するお願いであります。感染拡大地域との往来は控えていただきたいと思います。どうしてもやむをえず行くケースもあるかもしれません。あるいは社用で来られるかもしれません。どうしてもやむをえず往来をする場合には,先方との会食は控えていただきたいと思います。やはり会食の機会を通じて感染が広がるということがこれまで散見されております。これをお願いしたいと思っております。そして体調管理には引き続き気を付けていただきたいと思います。
そして年末年始の移動であります。市民の方の年末年始の移動について,注意をしていただきたい。そして体調に異変があると感じた方は,移動を控えていただくなどの自覚をお願いしたいと思います。
12月から消費喚起キャンペーンの第2弾が開始していますが,その消費喚起キャンペーンが安心して継続できるよう,市民や事業者の皆様方に,改めて協力をお願いしたいと思っております。
私からは以上であります。
記者
まず,医療崩壊の一歩手前にあるというお話でしたけれども,市長としても,そういった認識でよろしいのかどうかお話いただけますか。
市長
それは医療現場の医療従事者の皆さん方の実感でありますから,それは危機感をもって受け止めていかないといけないと思います。
それと,先ほど47床のうち30床が埋まっていると言いましたが,これはとても心配な状況である。私としてもそれが実感として分かる。これ以上,空床が圧迫されると,おそらく現場には大変な負担がのしかかってくるということは私にも実感できる。そんな数字だと考えています。
記者
それからもう1点ですが,感染拡大地域とありますが,広島市でも今かなり患者が増えていますけれども,広島市も同様に感染拡大地域と考えてよろしいでしょうか。
市長
事業者が商用で行き来する時には,それはもちろん事業者個々の判断にゆだねたいとは思いますけれども,とにかく今の時期は,他地域との往来については極めて注意をしていただくというのが基本だと思います。
記者
今後の「買おう!食べよう!楽しもう!ふくふくキャンペーン」について,一定のご判断もありうるという考えでよろしいでしょうか。
市長
これはぜひ経済は止めたくない。ふくふくキャンペーンも,市民が安心して利用できるように,何とか環境を維持したい。その一念で,今は取り組んでいます。
記者
先ほどの医療現場で医療崩壊の一歩手前の認識ということだったので,これは先週のどの場でそういう意見が出たのか教えていただきたいのと,あと圏域内に47床あるということは,福山市内にということでよろしいでしょうか。
市長
医療現場からの認識が示されたのは,12月4日の専門家会議。緊急で招集した専門家会議の場で,複数の方からそうした表明があったということであります。それから47床は圏域内の病院ということになりますが,結果的にも市内の病院ということになります。
以上。