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1月7日市長記者会見(緊急事態宣言が発出されることを受けて)
記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。
会見日:2021年(令和3年)1月7日(木曜日)
緊急事態宣言が発出されることを受けての市長記者会見
・福山市内の新型コロナウイルス感染症の発生状況
・感染流行期ごとの年代別感染者の内訳
・感染流行期における市内感染者の感染経路推定可否の内訳
・感染流行期ごとの感染経路の内訳
・ステージ移行の目安と福山市の状況について
・市民・事業者のみなさまへ
緊急事態宣言が発出されることを受けて市長記者会見資料 [PDFファイル/345KB]
会議録
市長
緊急事態宣言が発出されることを受けて,先ほど知事の会見もあったようですが,改めてそうした動きを踏まえて,福山市の状況を確認し,そして福山市民に対して,投げかけるべきメッセージを発出したいと思っております。
まず,改めて福山市の状況を確認いたします。11月24日以降の感染症の発生状況ですが,これまでの期間40日少々で292例が確認されています。この292例の中で,10のクラスターが発生したということはすでにお伝えしておりますが,注目すべきは,初発の事例として53件がこの中に含まれているということです。1件出て,その濃厚接触者が感染し,さらに接触者が感染しという,そのグループだけではなくて,新たな感染の芽を数えたら,53の芽がこの間に確認されたということに注目する必要があると思っています。
改めて,11月24日から1月5日までの年代別の感染者を確認します。全体でみますと,65歳以上と,50歳以上64歳までが半分以上を占めます。これはもちろん,院内クラスターを加味しているからです。院内クラスターを除くと,サンプル数は159になりますが,それをみてもやはり50歳以上の年代が増えているということが分かります。
感染経路の推定が可能かどうかですが,院内クラスターを除いてみますと,感染経路不明割合が,それ以前に比べて増えていることがはっきり見て取れます。
感染経路の内訳ですが,院内クラスターを含む分析では,院内が圧倒的に増えているわけです。院内クラスターを除いた例でみますと,家庭での感染,そして飲食店を感染経路とするこの二つの事例が増えていっています。もちろん,家庭内というのは結果でありますから,どこかから家庭内に持ち込まれてくるという意味合いをもつものでありますが,福山市においては,飲食店の割合が増えていっています。もちろん母数そのものも増えていっていますから,そういう意味では,こうした特徴として受け止める必要があると思っております。
こうした状況を踏まえまして,ステージ移行の目安に沿って福山市の状況をみてみます。ステージ3は感染拡大の状況です。ステージ4が感染爆発と言われています。福山市でありますが,病床の逼迫を示す指標は二通りありますが,現時点の確保病床数を分母に置いた占有率で見るのが,より現実的だろうということでこちらをみてみますと,7割近いベッドが埋まっています。ステージ3が25%以上ですから,それを大きく上回っているということになります。10万人当たりの全療養者数でありますが,福山市は34人です。ステージ3が15人以上でありますから,上回っています。そして,直近一週間の10万人当たりの感染者数をみますと,15.78人となっております。これもステージ3をわずかでありますが上回る状況になっています。直近一週間の患者数の先週比較をみますと,これも先週より多くなっているという状況です。こういうことを考えますと,福山市は現在ステージ2ですけれども,ステージ3に限りなく近づいていると受け止めなければならない状況。しかもそれぞれの指標が,直前に把握した指標よりも,数を増やしていっているという状況にあります。
そして,国や県の受け止めと福山市の実情との違いを改めてここで確認をしたいと思います。県内では,感染の急拡大に歯止めがかかったと総括をしています。ただし,予断は許さない状況だということであります。注意しないといけないのは,広島市の事例を主として念頭に置いた評価だということだろうと思います。急拡大は歯止めがかかったけれども,高止まりの状態にあるという評価であります。ただ,それに対して,足元の福山市の状況は,感染拡大が止まっていません。拡大が止まっていないということに注意しないといけない。
それから,国の専門家会議では,感染拡大防止のための知恵として,急所を押さえる。そして,そこに集中的・限定的な対応をしていくと言われていますが,福山市の場合は,今やどこで感染しても不思議ではないと受け止めなければいけないんだろうと思います。
こうしたことから,我々は強い危機感をもっています。そして,ステージ3に限りなく近づきつつあるということを強く意識しないといけないし,現に医療現場が逼迫しているという受け止め方をしています。
こうした我々の受け止めに立って,市民に対して,大きく4点のメッセージを伝えていきたいと考えています。
まず1点目は,緊急事態宣言が発出される地域はもちろんのこと,それ以外の感染拡大地域に対しても,往来を控えていただきたいというお願いを改めてしたいと思います。
それから2点目ですが,日常生活において人との接触はできるだけ減らしてほしい。このようにお願いをします。体調不良を感じたら,人と会わない。そうした配慮を求めたいと思います。
3点目は,会食の機会を減らしてほしい。そして,会食の場合であっても少人数・短時間でお願いをしたいということであります。そして,感染拡大防止策が行き届いた店を利用して欲しいと訴えたいと思います。今回,「第2次福山市感染症対策設備導入支援事業」を1月12日からスタートさせます。これは年内にも実施した事業でありますが,言ってみれば,予算を使い切ったということで,一応終結をしておりましたが,さらなる感染拡大防止に努めていただきたいという思いで,1月12日から再開をいたします。福山市のこの事業は,飲食店だけにとどまらず,小売やサービスや製造業,そうした場所で,感染拡大防止のためのさまざまな設備や機器を導入設置するために使っていただけるということです。上限30万円,補助率4分の3であります。実は,類似の事業が県にもあります。県は同じように,上限10万円。そしてこれとは別途に,同じ感染防止設備であるパーテーションだけの補助金を作っています。ただ,県の場合は,飲食店だけを対象にするものになっています。福山市の場合は,それ以外の事業所でも使っていただけるものであります。どうか,こうした支援制度を十分活用いただいて,今後に備えていただきたいということであります。
4点目であります。12月から始めました消費喚起キャンペーンの第2弾でありますが,12月のひと月間で,30億円を超える消費をすでに喚起しています。所期の目的を達成したことから,本日1月7日から10日後の1月17日をもって,このキャンペーンを終了いたします。
以上,こうしたことを強くこれから市民に訴えていく必要があると思っております。何としても,ステージ3の前で食い止める。こうした強い思いをもって,市民とともに取り組んでいきたいと考えています。
私の方からお伝えしたいことは以上であります。
記者
まず,第2次福山市感染症対策設備導入支援事業補助金の件なんですが,これは総額などどれぐらいを想定されているんでしょうか。
経済部長
9,000万円です。300社,30万円で9,000万円を予定しています。
記者
10件のクラスターが11月24日以降発生したということで,改めて市長の受け止めと,まだ現在進行形で検査も進んでいるわけですけれども,今後の支援も含めて,もしお考えがあればお聞かせください。
市長
二つの医療機関でクラスターが発生して,いずれも調査中であります。寺岡記念病院については,1月に入ってから1回,2例が発生をしておりますが,全体的に見て,新たな発生件数は減りつつあるんではないかと見ています。しっかりと,この事案が終結に向かうように,努力をしていきたいと思っています。一方の福山医療センターのクラスターですけれども,現時点ではまだそうした収束の目途が立っていません。こうしたことから,昨日は感染症の専門家が広島からお二人来られました。それから,福山市民病院の認定看護師も参加をしながら,院内の感染拡大防止体制について改めて確認をしました。また,必要があれば,国のクラスター班の要請についても市は仲立ちをすると院長に私の方から直接伝えてあります。専門家との協議を踏まえて,感染防止策を徹底してくれるものと期待をしています。
記者
医療の逼迫について伺いますが,福山医療センターが昨日から外来,一昨日から救急の受け入れを停止もしくは制限という形になっております。福山医療センターも,福山市の基幹病院でもありますし,そういった医療機関が,事実上機能が停止しているような状態というのは,市民にとって大変不安で深刻な事態だと思いますが,そのあたりの市長の認識を伺ってよろしいでしょうか。
市長
関係機関が連携協力して,市民に不安が及ばないように,冷静に対応していく,しっかりとサポートしていく,フォローしていくということが重要だと思います。市民病院を始めとして,連携をしっかり取っていきます。また場合によっては,市内の病院関係者にも,いろいろな支援を要請していくということも今後あるかも分かりません。いずれにしても,従事者が全体として課題を共有しながら,医療提供に支障がないように努めていきたいと考えています。
記者
飲食関係の方に対してなんですが,できるだけ会食の機会を控えるようにというようなメッセージがございましたけれども,確か市長は以前,飲食業者に対して時短の要請等はしないとおっしゃっていたと思うんですが,そのお考えに変わりないでしょうか。
市長
時短要請そのものは,県が判断されるんだろうと思っています。したがって,現時点で私も県に対してそういうことをお願いするつもりはありません。ただ,飲食店あるいは飲食店にとどまらず,市民が出向く場所の感染防止策はさらに徹底していただきたいとお願いをしたいと思います。
記者
3学期に入って学校現場が休校とか,そういう措置に介入するお考えはございますか。
市長
今の段階で,教育委員会からそのような話は聞いておりません。感染対策をしっかりと施しながら,教育が継続されるということなんだろうと思っています。
記者
先ほどの医療逼迫に関することなんですが,福山医療センターでのクラスター発生を受けて,今朝の中国5県の知事会の中で,広島県知事から岡山県の方に要請があり,岡山県の方からも,緊急性のある妊産婦の受け入れを前向きに検討したいというコメントがあったということなんですが,これに関して何かあれば教えてください。
市長
私は聞いていません。
記者
その事実があったとしたならば,どうでしょうか。
保健所長
私も把握していません。
市長
さまざまな形で,近隣県が協力をしていただける,そして,備後圏域の医療を支えていただける。それはありがたいことだと思っています。
記者
いわゆる往来の自粛のお願いというのは,これまでもたびたびされてきていますし,備後圏域の市長,町長も連名で出されていた記憶があります。これほどたびたび自粛のお願いというのをしている中で,やはり動いてしまわざるをえない,動かざるをえないような方々も多くいらっしゃると思うんですが,もう一歩踏み込んだ,もっと強いお願いといいますか,規制とまで言ってしまっていいのかわかりませんが,そういうのを県,国との関係もあると思いますが,市独自でもっと強制的なものをやるというような段階に来るとか,もしくは考えているというようなことはないんでしょうか。
市長
現時点でそうした動きを県に対して取るということは考えていませんが,状況によっては,それは知事との間の議論の議題になってくるかも分かりません。今,足元の状況は,おそらくクリスマス前後の状況が発生数になって現れているんだと思います。福山市の場合には,感染してから1週間から10日ぐらいで発症するということが多いようでありますので,そういう計算になると。今後,年末年始の動きがどう発生件数に出てくるのか。さらには,三連休が控えております。そういうものがどういう形になって現れてくるのか,そういうことを見極める必要があると思います。今は,まずは,何度も何度も事業者に対して,そういうお願いをしていくという段階にあるのではないかと,このように思っています。
記者
東京の方は感染者数が依然,今日も過去最高という数字になっているということで,東京の感染者の広がりが,徐々に地方にも広がってくるというのがこれまでのケースでありましたけれども,今後さらに患者も増えてくるという事態も予想されます。現に今の二次医療機関の福山医療センターも止まってしまい,市民病院の緊張感もかなりのものだと思うんですけれども,今後に備えて,何かお考えがあれば教えてください。
市長
市民向けメッセージにも書きましたが,だからこそ要望的な対応を強化しないといけないという思いで,今回のメッセージを発出することに決めたわけです。受け止めとしては,地方に感染の波が迫ってきているという実感をもっています。したがって,先ほど申し上げましたが,今後の状況を見ながら,県ともしっかりと対応を協議する機会も考えていかないといけないし,あり得るんじゃないかと思っています。どちらにしてもこうした動きは,一市町だけの取組では効果が期待できませんので,現時点では,我々でできる限りのことを市民にお願いする,事業者にお願いする。それで及ばなくなったときには,今度は広域自治体である県が,そして近隣の県が連携をしながら対応に当たっていく必要が出てくる。そんな局面が出てくるかも分からないということで,危機感をもって受け止めています。
記者
昨年末の発表で,新型コロナウイルス予防接種検討会議を年明け早々にも立ち上げるということでしたが,何か予定があるのでしょうか。
市長
明日1月8日に立ち上げます。検討を急ぎます。
記者
ふくふくキャンペーンの中止について,中止が1月17日ということですが,もうちょっと早くというか,この17日になった理由がもしあれば教えてください。
市長
即座に状況を踏まえながら判断をしました。ただ,システム上の問題もありますので,そうした手当を完了する一番早い段階が17日ということです。
記者
これまで福山市は,クラスター名を公表するなどして,独自で調べるといいますか,そういう努力をしてこられています。現状,これから先行き不透明なところもある中で,どのように取り組んでいかれたいか,決意のほどを一言聞かせていただければと思います。
市長
それはクラスター対策という意味ですか。
記者
全体に関してです。
市長
この度の感染の山,首都圏を中心とした感染の山の大きさには,大変強い危機感をもっています。やはり一度緩んでしまったものを,もう1回緊張感を戻していくということの難しさも感じています。改めて,感染する側にもならないし,感染させる側にもなってはいけないという思いを市民が等しくもって,今の時点では,福山市でできる最大限のことをやっていくと,そういう思いを共有したいと思っています。そして,さらに,そうしたことだけでは不十分だと感じたときには,間髪を入れずに,県等にも事態の収拾に向けた協力を要請していくというように,緊張感をもって取り組んでいきたいと思っています。
以上です。