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3月定例市議会市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年3月1日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2021年(令和3年)2月15日(月曜日)

3月定例市長記者会見

 ・本市における新型コロナウイルス感染症の状況について

 ・ワクチンの接種について

 ・新型コロナウイルスに係る支援策について

 ・3月定例市議会の議案・新年度予算について

  3月定例市議会市長記者会見資料 [PDFファイル/2.87MB]

会議録

市長 

 まず,一昨日2月13日の深夜,宮城県,福島県を中心に強い地震がありました。被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。早速,東日本大震災からの復興に関して,人材交流などでお付き合いのありました南相馬市,いわき市,郡山市にお見舞いの電話と協力の申し出をさせていただきました。幸い,現時点では何とか対応をしていけるという話を伺っております。また,南相馬市の市長からはご丁寧なお礼の電話をいただいたところであります。引き続き今後必要が生じれば,県を通して我々の協力のあり方についての要請があると思いますので,しっかりと対応していきたいと思います。

 それではまず,新型コロナウイルス感染症について本市の状況をご説明いたします。昨年の11月24日以降の状況でありますが,状況は改善してきております。直近1週間当たりの新規感染者の数は下降傾向をたどって,2月13日の時点では,県が示す警戒基準値を下回っています。その他にも,色々な目安がありますが,いずれも現時点では県が示す警戒基準値を下回っているという小康状態を,今福山はたどっております。依然として,1月1日以降,家庭内での感染,そして飲食での感染の割合が高まってきています。家庭が感染源となっているということは,これは結果であるということに留意しなければなりません。

 この中で,特に年明け以降,20代から30代の年齢層の割合が高くなっているということを懸念しております。飲食での感染の比率が高いこと,若年層の感染の比率が高いこと,こうしたことが接待を伴う飲食店におけるクラスターの発生とも関係しているのではないかという思いもありまして,2月8日からはPCRセンターで,新たに接待を伴う飲食店を利用した人についても無料での検査対象にするということをスタートさせました。PCRセンターを利用した検査者のうち,飲食店の従業員,接待を伴う飲食店の利用者のいずれも増えてはおりますが,もっともっと検査を受けていただきたいと思っています。2月8日以降,PCRセンターを利用した人が686件であります。このうち飲食店関連が217件です。この飲食店関連というのは,接待を伴う飲食店も含めた全体の飲食店関連であります。この217件のうち,このPCRセンターで陽性が確認された接待を伴う飲食店の利用者が3人いたということであります。先ほども言いましたが,もう少しこの接待を伴う飲食店に対する警戒を継続する必要があるということで,当初は昨日2月14日までとしておりましたこの接待を伴う飲食店を利用した人を検査対象にするという取組を,2月21日まで延長することとしています。今しばらく2月21日まで接待を伴う飲食店の関連についてしっかりした調査を進めていきたいと思っています。

 次は,ワクチンの接種についてであります。まず医療従事者,次に65歳以上の高齢者,次に基礎疾患のある人・高齢者施設などの従事者,そしてそれ以外の人という順番で接種をしていきます。本市の場合は,16歳以上が40万人ということであります。この4月以降,65歳以上の高齢者から一般の接種を開始していくことになりますが,福山では集団接種と個別接種を併用するというやり方を考えております。いわゆる練馬区方式です。この集団接種は,旧体育館をはじめとする市内の5カ所を念頭に置きます。そして,医療機関での個別接種につきましては,現在,医師会と調整をしまして,協力していただける医療機関の数の特定を急ぐということになっております。今週中には,おおむねの数字が確定することになると思います。

 接種までの流れは全国で進められているのと同じ内容でありますが,大体3月末くらいには接種券と予診票を高齢者のもとに郵送をする前提で今準備を進めております。この接種券が届いたら,電話あるいはWebで予約をしていただくことになりますが,具体的な予約方法は,現在広島県を中心に,県下統一したやり方にしていこうということで議論が進められています。新聞報道あるいはマスコミ報道では,ワクチンが40万回分届いているという状況でありますが,全国の医療従事者が人口の約3%と想定されておりまして,390万人ということになります。390万人ということは780万回ということでありまして,そのうち40万回分が現在国内にあるという状況で,今後ワクチン量の迅速な確保ということが大きな論点になってこようかと考えています。

 次は,新型コロナウイルスに係る支援策であります。感染症対策設備導入支援事業,飲食店感染症対策衛生費支援事業,テレワーク推進事業についてはすでにご報告していますが,今回,「頑張る飲食店応援金制度」をスタートさせております。先行的に県から発表がありました,飲食店に対する一店あたり30万円の応援金を出す,このうちの10万円を各市町が負担します。福山市が10万円,県が20万円負担するというものであります。これにつきましては,3月補正の2次補正を念頭に置いています。2次補正もまた議会に上程いたしますが,その中でこの応援金制度を盛り込んでいきたいと思っています。福山市内約2,030店舗を念頭に置いて積算をしていきたいと思っています。以上が新型コロナウイルスに関する説明であります。

 次に,3月定例市議会の案件につきましてご説明いたします。3月議会につきましては,本日2月15日に招集告示を行い,2月22日から開会をいたします。

 第1次分として提出する内容をご説明いたします。まず,報告案件としては,「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」を始め2件であります。次は予算案件でありますが,「令和2年度福山市一般会計補正予算(第9号)」・「令和3年度福山市一般会計予算」を始め16件であります。次に,条例案件としては,「福山市農業振興ビジョン策定委員会条例の一部改正について」を始め18件であります。次に,単行議決案件としては,「公有水面埋立てに関する意見について」を始め6件であります。以上,3月議会へは1次分として42件を提出しております。

 それではまず,補正の概要についてご説明いたします。今回,補正する会計は一般会計のみで,補正予算額は,29億9,000万円の追加であります。また,繰越明許費を2件計上しています。まず,「新型コロナウイルス感染症対策」は,先ほどご説明いたしました新型コロナウイルスワクチン接種に係る接種費や運営費を計上するものです。次に「参議院議員選挙費」は,4月25日に行われる予定の再選挙に係る経費を計上するものです。また,以上2件につきまして,繰越明許費を計上しています。今回の計上額は,いずれも全額国費で賄われるということになりますが,このほかにワクチン接種事業については,緊急対応分として令和2年度予備費を約1億4,000万円使って対応しております。内容は,接種予約管理システムの構築・運用などであります。こうした予備費も活用しながら,迅速に対応していくというものであります。以上が補正予算の概要であります。

 続きまして,令和3年度の予算の概要についてご説明をいたします。令和3年度の予算一般会計総額でありますが,1,766億8,000万円で,これは過去最大の規模であります。また,特別会計・企業会計を合わせた全会計では,総額3,346億2,000万円余りとなりました。これについても,過去最大であります。

 新年度の予算編成でありますが,福山みらい創造ビジョンをまもなく策定いたしますが,そのビジョンの初年度にあたる予算ということであります。これまでの5つの挑戦をさらに発展させる,これまで起きていた福山市における変化をより確かなものにしていくための新たな5つの挑戦を進めていくというのが基本でありますが,同時にコロナ時代,新しい社会の中でどのような都市をめざしていくか,それは安心と希望に満ちた都市だと,こんな都市づくりに向けての予算になっていきます。

 この新年度予算の柱は大きく3つであります。安心のためのコロナ対策,そして希望を感じる都市魅力の創造,そして人口減少対策の強化,これらを念頭に新年度予算を編成しております。そしてこうした施策を進めていくための基盤,これはデジタル化の推進であろうという認識をもっています。

 まず,3つの柱のうちの最初の柱でありますが,新型コロナウイルス感染症対策は,検査体制を強化し,そして病床を確保して医療逼迫を回避していく,更には予防体制そのものを強化するという3つの視点になっていくと思っています。検査体制の強化は十分な行政検査件数が確保されるということだろうと思います。1日当たり30件,年間1万件を超える行政検査の件数を確保していく。それから病床の確保でありますが,基礎疾患を抱えている人がコロナにかかる,コロナは治った,だけども基礎疾患についての治療は必要だ,しかしそのままコロナ対応の医療機関に入院していると新たな患者を受け入れる余地がどんどん狭まっていく。そこで,後方医療機関というものが必要だということで,その事業を創設いたしました。転院先を確保して,新たなコロナ患者のための万が一のための病床を確保するということであります。色々と議論は行われておりますが,実際この運用が始まっていくというのは全国でも極めて早い事業だと思っております。

 それでは先ほどご説明いたしました,円滑なワクチン接種の実施についてであります。ワクチンの供給の状況は,まだまだ情報が不足していますけれども,それはそれとして出来ることはしっかりしていくということであります。コロナ対策の2番目は,引き続き大変困っておられる方々に適切な支援策をお届けするということだろうと思っています。4月2日から来年4月1日までに生まれる出生児に対する特別応援金を作ります。1人当たり5万円であります。それから,ひとり親家庭に対する特別な応援金を新年度引き続き実施をいたします。それから高齢者や障がい者の安否確認を兼ねた配食サービスを増やし,見守りを強化していきます。また,コロナによる離職者の緊急的な雇用を20人確保いたします。次に中小企業者の支援でありますが,引き続き事業継続のための下支えとしての利子補給制度を継続いたします。また,生産性向上にもつなげるために,ICTを導入するあるいはテレワーク環境を作る中小企業を支援するため,国の補助事業でもありますが,ビジネスモデル転換支援を行っていきます。また,雇用の維持は極めて重要であります。人材が不足をしているところ,人材が過剰だと感じているところそれぞれありますが,過剰だと感じているところからは雇用が失われていきます。そういう離職者をできるだけ人材が不足している事業者に結び付けてあげる,これはワーカーシェアリングと言っていますけれども,そういう人材シェアリングの推進を産業雇用安定センターと連携をしながら強化をしていくという取組であります。こうしたことで,コロナ対策をしっかりやっていきたいと思います。

 次は都市魅力の創造であります。駅周辺はウォーカブルな空間づくりのため,駅前広場の再編事業に着手します。官民による協議会を設置して,基本方針の検討に着手をします。基本方針の策定自体は2022年度です。それから送迎バスの乗降場は駅の南側に12バース確保し,RiMは2022年の4月の再開に向けて工事にいよいよ着手をいたします。1階の外壁を一部撤去して,まちに開かれたRiMの1階のスペース作りを進めていきます。旧キャスパの再生も進みます。更地からいよいよ槌音が聞こえてくるのが新年度であります。駅の北側でありますが,築城400年事業との関連となる駅北口スクエア広場の整備を進めていきます。また,無電柱化も進めていきます。道路も美装化いたします。

 それから,まちの中心だけではなくて周辺も一体となって活気が及んでいかないといけません。地域資源の磨き上げ,個性の磨き上げのために,地域戦略の策定に向けた取組が2021年度本格化いたします。また,農業振興ビジョン・林業振興ビジョン・水産振興ビジョン,それぞれに独立していた計画を一本化します。その他にも3つの計画を一緒にした,合計6つの計画を一体化した農林水産振興ビジョンを作ります。これは10年間の計画であります。

 それから,デジタル化社会に向けてデジタルサービスをしっかりと享受できる地域づくりを進めていきます。7つの地域あるいはモデル的に3つの学区でそうした取組をスタートさせていきます。鞆のまちづくりにつきましては,鞆町町並み保存拠点が完成いたします。また,平地区のふれあい広場が設計作業に入っていきます。また,山側バイパスと平地区をアクセスする道路整備の工事着手に入っていきます。こういうさまざまな地域での取組がスタートするのも新年度であります。

 医療提供体制につきましては,市民病院の本館の建て替えに向けて基本設計をしてまいります。また,4月には小児救急医療拠点病院への指定がなされる予定であります。また,地域の医療をしっかり守っていくため,産婦人科の強化,それから医師不足を解消するために臨床研修医に奨学金を出し残っていただきたい,こんな取組も行います。

 防災でありますが,抜本的な浸水対策が着実に進んでいます。これまでさまざまな事業が進んできましたが,今回大きな転換があります。それは,事業間連携下水道事業であります。市街地の冠水を防ぐために,巨大な雨水幹線を地下に埋設をして,浸水を未然に防ぐという事業がいよいよ本格化いたします。手城川流域であります。土地の地形といいますか,土質が軟弱だということが分かったため,事業期間が若干伸びますけれども,しっかりとした浸水対策がスタートするのが新年度であります。また,事業間連携河川事業につきましてもスタートいたします。都市インフラの整備は引き続き実施していきます。幹線道路網,福山北産業団地第2期事業,特にこの北産業団地につきましては,分譲の公募を開始するのが新年度であります。予定通り進んでおりまして,そのための工事も着手し,23年度が完成時期になっております。また港湾機能も強化されます。次期ごみ処理施設の工事にも着手いたします。

 MICEについてであります。大きなMICEと位置付けるのが,築城400年,そして世界バラ会議であります。これ以外にも,いくつかの全国大会,全国会議の誘致に取り組んでいきますが,そのための福山の特徴は,産業MICEとエリアMICEということになります。特に,エリアMICEということは,福山発の言葉,発想だと思いますが,いくつかの中小規模の施設や地域をコンベンション会場に見立てて,それらをつなぎながら,魅力ある福山らしいMICEに仕立て上げていくという取組であります。そのためにも,多言語案内表示の整備計画の策定に向けた取組がスタートいたします。築城400年事業については,プレイベントがそれぞれの節目で行われていくことになります。

 また,世界バラ会議につきましても本格始動いたします。実施計画が今年度中に策定されます。それを踏まえて,大阪・関西万博との連携が今回スタートしました。TEAM EXPO 共創チャレンジに自治体としては全国で初めて登録されます。これからは,万博がPRされる取組の中で,福山の取組があわせて連携事業として紹介されていくということになります。また,今後は官民の協力を得ながら進めていくことになりますので,そのような体制づくり,また専用ホームページによる海外への情報発信を進めていきます。また,国土交通省のガーデンツーリズムへの登録申請を行うことで,ばらを素材としたマイクロツーリズムを発信していきたいと思います。

 3番目の柱の人口減少対策では,引き続きネウボラの強化であります。「あのね」と「えほんの国」を天満屋で再開いたします。5月の連休に間に合わせます。そしてその「あのね」では,フィナンシャルプランナーによる若い子育て世代を支援する取組も月1回始まります。やはり経済的な不安が先に立つのが若い世代でありますが,どうすれば不安を解消できるのか,そして楽しい子育てにつながっていくのか,そうしたアドバイスをここで行います。また,男性の育児休業取得の支援は,育児休業を積極的に推奨する企業が,その人手不足を一時的に代替人材を雇用することでしのいでいくということがありますが,その支援をするということであります。これは,福山ワークライフバランス認定企業を念頭に置きながら,支援をしていきたいと思っています。新たに県の子ども家庭センターなどの関係機関と連携した子ども家庭総合支援拠点の機能をネウボラ推進課に設置いたします。ここでは11人の専門家が常駐しながら,悩みを抱える家庭の相談に応じます。そして特に深刻な状況があれば,それぞれの専門機関につないでいくという手厚い支援の場,拠点ができるということであります。

 それから,(仮称)子ども未来館基本構想の策定に向けた取組がいよいよスタートいたします。さて,未来を支える人材育成,あるいは人材の確保策でありますが,今回の補正で(仮称)福山市未来創生人材育成基金というものを造成し,それを活用した事業が大きく3本柱でスタートいたします。デジタル人材,保育士,看護師といった人材を確保するための奨学金を出します。これは金融機関から奨学金を融資するという形で,まずは金融機関が先行的に出してくれます。そしてそうした人材が福山に残ってくれることを前提として,その元利を奨学金として補填するという制度であります。また,先ほども申し上げましたが,初期臨床研修という段階にある研修医を支援するために,一人当たり25万円を奨学金として出します。企業の人材確保支援の強化でありますが,新しく入ってきた人が,学生時代に何らかの奨学金をもらっていた,奨学金を返済していかないといけない,企業によってはその返済を支援する制度がありますが,これからどんどん福山の企業もそういう支援制度をつくってほしいという思いで,支援制度をつくってくれた場合に,その企業が負担していた奨学金の返済資金のうちの3分の1を行政が負担するという人材確保の支援制度であります。引き続き,ワーケーションの取組も進めてまいります。

 そうしたものを支える基盤でありますが,外部人材をCDO(最高デジタル責任者)として雇用いたします。そして同じ外部人材から,そのCDOの補佐官,そしてCIO(最高情報責任者)補佐官を確保したいと思います。外部の専門人材によって社会のデジタル化を推進していく体制を構築していくものであります。産業と地域を担当するCDO補佐官,行政のデジタル化を担当するCIO補佐官,そして行政が一体となって進めていきます。びんごデジタルラボの取組も進めていきます。再度申し上げますが,社会のデジタル化の推進は3つの視点からなります。産業,地域,行政,それぞれのために今事業を構築しています。これらをCDOがしっかりとみるという体制であります。また,ふくやまビジネスキャンプをやりながら,首都圏のデジタル関連企業が福山の学生や企業経営者に大きな刺激を与えるような場づくりをやっていきたいと思います。そして,行政のデジタル化は確実に市民ニーズを踏まえながら,着実に進めていきます。誰でも,どこでも,いつでも行政サービスを受けられる,これを念頭に置きます。以上が重点政策の説明であります。

 改めて,新年度予算のポイントですが,重点的な政策への集中を高めました。一般会計総額では合計約175億円になります。これは,一般会計の政策経費の約50%を占めることになります。昨年度が約39%でしたので,より重点化が進んでいるということであります。3つの柱である,新型コロナウイルス感染症対策の強化に約8億円,都市魅力の創造に約105億円,人口減少対策の強化に約19億円,そして3つの柱を支える基盤となるデジタル化の推進に約5億円の予算を振り分けています。また,投資的経費につきましては引き続き積極的に投入していきます。まちづくり,基盤づくりを進めていくということであります。投資的経費が約238億円であります。これは一般会計総額の約13.4%を占めますが,2020年度が約12.6%でしたので,より重点化が進んだということであろうかと思います。BCP棟の整備を始めとする本庁舎の整備,ごみ処理施設の建設,福山城整備が主なものとなっています。

 一方で,持続可能な財政の確保として,行政のデジタル化を進めることによる約3億円の財政節減効果,あるいは遊休財産の売却などによる収入の拡大,民間活力の導入による節減効果など,合計約18億円が見込まれています。こうしたものを踏まえながら,新年度の財政の姿をみてみますと,経常収支比率が低ければ低いほど財政は弾力性をもっているということになります。その比率は84.8%で,2006年度以降の16年間で3番目に低い数値を維持しております。2020年度は84.4%でしたので,0.4%上がっておりますが,引き続き低い値にとどまっています。また,負担の抑制状況がどうかということでありますが,実質公債費比率が1.2%で2020年度が1.5%ですから,それよりもさらに改善をしたということであります。将来負担比率も比率なしを7年連続続けています。市債発行額も,しっかりと抑制をしたということであります。投資的経費が2020年度に比べて約18億円増えていますが,一方で市債発行額は約4億円増に抑制をしています。この増額分をそのまま市債発行で賄うような安易な財政運営をしていないということです。差額の約14億円は,国や県の補助金を取り込んでくるなど,さまざまな工夫によってやり繰りができたということだろうと思います。建設事業等の市債発行額は約4億円増えておりますが,工夫によって投資的経費をしっかりと賄えているということです。市民1人当たりの市債残高は33.2万円と若干増えていますが,引き続き我々が目標とする1人当たり35万円を維持できているということであります。以上が予算の姿であります。

 最後に,第20回世界バラ会議福山大会ロゴマークの決定についてご報告をいたします。一般投票の結果,4,233票の投票をいただきました。その結果,東京都にお住まいの増田豊(ますだゆたか)さんの作品が1,547票の最多得票を獲得しました。この作品は,今までのばらの認識やイメージを超えるシンボリックで多様性を感じさせるデザインと,グッズなどへの展開のしやすさが高く評価されたものです。作品のコンセプトは,「さまざまな色の花びらが中心に向かって集結し,一つのばらを形作っている。これは“ばらのまち福山”に世界の人々が集うことを表している。シンプルな円弧のパーツが組み合わさった様は,日本の伝統工芸を思わせ,この地でバラ会議が行われる意義を印象付けるもの」となっています。今後はのぼり旗やバナーのほか,さまざまなグッズに活用し,世界バラ会議の機運醸成,大会周知に取り組んでまいります。ロゴマークを通じて,より多くの人に世界バラ会議福山大会を身近に感じていただければと考えています。

 以上で私からの報告を終わります。

記者

 2019年の参議院議員選挙を巡って公職選挙法違反の罪で有罪判決を受けた河井案里氏が議員辞職しました。その議員辞職への感想と,4月に実施される再選挙はどのような選挙になることを望んでいますか。

市長

 政治は信頼だと思います。河井さんには,今回の判決を受けてこれで終わりということではなく,ご自身の言葉で説明責任を果たしていただきたいと思っています。また,これを受けて行われる4月の再選挙においては,法令順守を徹底し,有権者の声がしっかりと国政に反映される選挙となることを期待しています。そして,広島県の政界に対する信頼の回復につながることを願っています。

記者

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では鞆の浦も登場し,将軍・足利義昭もクローズアップされました。ドラマ放映を機に今後,どのように鞆の浦をPRしていきますか。

市長

 私も個人的にFacebookアカウントをもっていて投稿していますが,そこにも大変大きな反響をいただきました。福山市でも物語の展開に合わせて,公式SNSで2回情報発信を行いました。初めて鞆が登場したときには,711の「いいね」が寄せられました。また,リツイート件数も331件ありました。いずれも通常の公式SNSの投稿への反応・反響の10倍以上の数だったと聞いています。また,鞆の浦歴史民俗資料館では,特別展「鞆幕府 将軍足利義昭」を10月から開催し,6,000人以上の来場者を記録しました。いずれも,今鞆がとても注目されていると感じています。旅行商品をつくっていくということも今後の取組の一つでありますが,福山市公式SNSアカウントや日本遺産鞆の浦の公式ホームページ「VISIT鞆の浦」など,さまざまなツールを活用しながら,鞆を引き続き発信していきたいと思っています。

記者

 予算案の3つの柱のうちの,新型コロナウイルス感染症対策の強化についてお尋ねします。医療体制の充実や,市民・中小事業者への支援が盛り込まれていますが,改めて,予算を編成するにあたっての市長の思いをお聞かせください。

市長

 市民への生活支援,中小事業者への支援は重要な要素であると思いますし,ご苦労されていると思います。しっかりと事業継続に向けた環境が整うように努力をしていきたいと思います。あわせて,社会的に弱い立場にある人,あるいはご苦労されている人に対する配慮をしっかり意識して,コロナ対策を進めていかなければならないと思っています。もちろん,感染予防に努めること,あるいは感染対策に努めることは重要ですが,こうしたさまざまな分野への支援が一体となった対応を新しい年度でも進めていくことで,福山市に安心が戻ってくるだろうと思っています。全力を尽くしてまいります。

記者

 予算額としては過去最大で,重点政策に配分した予算も2020年度より一般会計だけでも1.3倍ほど増えています。2期目がスタートして本格的な予算の年度であると思いますので,改めて予算を編成されるにあたっての意識された点を教えてください。

市長

 コロナ禍で社会経済活動が停滞してきますと,自然収入の見通しが厳しくなってきます。そういう中であっても,あるいはそういう状況であるからこそ公共の役割が大きいのだと思います。ただ,全てを将来世代への「つけ」として残してしまうということはあってはならないという意味で,色々な工夫をいたしました。財源確保策などさまざまな努力をしながら,過去最大の予算を作り上げたということであります。決して,漫然と額が積み上がったというつもりはありません。しっかりと精査をしながら,今だからこそやらないといけないことをしっかりと盛り込んだ予算が新年度予算です。そしてその先には,安心と希望をもたらしてくれるだろうという思いで編成をいたしました。

記者

 昨年8月に再選され,9月から支所の広聴機能を強化されて,今回の予算にも新たに4つの市民の声を反映した事業を盛り込まれたと思いますが,これを盛り込むにあたっての経緯を教えてください。また,771人の市政モニターへのアンケートを年に何回か実施されると思いますが,こうした声をどういった場面で活かしていこうとお考えでしょうか。

市長

 地域活性化会議の場を通じて,あるいは支所の広聴機能を通じて,市民から地域の課題をこれまで拾ってまいりました。もちろん,まだまだ十分ではなく,まずは短期間で拾ってみようという取組の中で,さまざま出てきた課題への対応につきましては,新年度予算の中に盛り込みました。空き家対策であり,有害鳥獣の駆除であり,そうしたこれまで長く声があがってきたけれども,なかなか有効な手立てを講じることができなかったというものが中心であります。ただ,これだけでは終わりませんので,引き続き地域活性化会議を通じて,しっかりと声を踏まえながら,急ぐものは補正予算として計上しながら対応していきたいという思いです。市政モニターですが,年間3~4回,あるいは必要に応じて個別に意見を伺うということも考えています。予算が成立すれば,予算の執行に向けて,市民の声を聴きながらより効率的な執行に努めていくということも当面出てくるかもしれません。さまざまな局面で771人の声をしっかりと受け止めていくという政治姿勢,行政運営を貫いていきたいと思っています。

記者

 予算に関して,市税が686億円と平成18年度以降で最少ということで,市の収入が減っているということ,財政調整基金を10億円取り崩しているということに対する市長の受け止めを教えてください。

市長

 確かに,財政調整基金を10億円取り崩して当初予算を編成するというのは8年振りということになります。そういう意味では,異例のことかもしれません。ただ,これは足元の見通しに基づいて適切な財源の割り振りによって編成をしておりますが,1年を通じて財政運営をする中で,頻繁にその都度財政状況を見ながら,場合によっては財政調整基金に繰り戻すという余地が出てくるかも分かりませんし,さまざま国や県の支援策を途中段階から取り組んでいくことによって,財政に余裕を回復させることもありえるかもしれません。今の段階で,危機的な状況が財政に生じているという認識はありません。しっかりとしたやり繰りができるだろうという思いをもっていますが,決して慢心することなく,日々の状況をしっかりとチェックしながら,財政運営に努めていきたいと思っています。

記者

 二つ目の質問ですが,コロナ関連で,後方医療機関支援事業の創設について,岡山大学の医学関係者に聞くと,全国的にも非常に珍しい事業で,これに取り組む市町村は全国を見渡してもないのではないか,非常に力を入れていると言われていて,なぜ力を入れるのか,これを今回創設した狙いを教えてください。

市長

 福山市では,昨年の4月2日からコロナ患者が発生し,色々山谷ありましたが,一時も気を抜くことなく担当者は緊張感をもって対応してきました。全国の事例を見ても,関係者にとって一番の負担は,医療現場の逼迫です。特に人口50万人規模で,そこまで大きな団体ではないところでは,一気に医療現場が緊張感を増すということはありえないことではない。そんな緊張感をもって,病床数の確保,これは宿泊療養施設も含めてですけれども,療養施設の確保に努めてきました。おかげで,今福山市の状況は,言ってみればホテルも含めて余裕を確保できているという状況になっています。ただ,基礎疾患をもっている人については,引き続き手厚い医療の看護が求められます。そういう意味からも,コロナは治ったとしても,その後の引き受け手である医療機関を確保するということは極めて重要だと思ってきました。福山市は,大変医療機関の協力があるところです。全国的にも後方医療機関の構想はありますが,実際手を挙げてくれる医療機関がないという実情の中で,まだ確たる施設名を申し上げる段階ではありませんが,福山では20施設近くの医療機関にお願いをしていけるのではないかという状況にあります。これは極めて特徴的なことだと思います。医療機関の皆さまには改めて感謝を申し上げたいと思いますが,そういう思いでこの後方医療機関支援の取組を進め,新年度で事業として実施する目途が立ったということです。

記者

 福山駅前についてです。市長の2期目のスタート時に,これまでの取組を確かなものにしていくという声もありましたが,これまでに多くの予算を計上してこられましたけれども,改めて新年度に向けての意気込みをお聞かせください。

市長

 やはり県東部の玄関口,せとうちツーリズムの玄関口など,さまざまな位置付けがJR福山駅周辺に当てはまるのだろうと思います。したがって,福山だけでなく,備後地域の今後の成長を支えるのが福山駅前,福山駅周辺だと思っています。そのためにも,都市機能の集積が必要で,そういう受け皿になる駅前づくり,駅周辺づくりをしてまいりました。加えて,周辺地域と福山市の中心である駅周辺とが互いに交流し,循環することで,周辺地域にも活力が及んでいき,福山市全体の元気が底上げされる起点にもなりうるのが,福山駅前であります。若い世代や高齢者が,ゆったりと時を過ごせるような新しい駅前像が求められる中で,この駅周辺の再生,とりわけ駅前広場をウォーカブルな空間づくりにするという歩みは緩めてはいけない,さらに加速をしていきたいという思いを改めてもっています。

記者

 人口減少対策の中で,福山ネウボラの強化ですとか,小児救急医療拠点病院の指定などが掲げられていますが,子育て世代にとってどんなまちにしたいというビジョンをもって今回の重点政策を設けられたのでしょうか。

市長

 一言で言えば,「安心できる」「子育てに希望がもてる」の2点です。そういう思いを個別具体の施策にして,実施をしていくという思いであります。

記者

 福山駅の南北の土地交換はどうなっているのでしょうか。

市長

 土地交換については,これまでも申し上げてきましたが,現在協定の見直しが行われていて,土地交換を前提とした議論にはなっていないということです。そして,その協定の見直しについてより良いものが出てくれば,その時点から,どんな連携のあり方がJRとの間で出てくるのかが議論されるということをこれまで申し上げてきました。JRの方でも議論が進んでいるようで,近々回答があるのではないかということを担当から聞いています。それを踏まえて,どういう形になっていくのか検討してみたいと思います。

記者

 公表できる段階になれば,公表していただけるということでしょうか。

市長

 はい。

記者

 青山商事と福山市のクーポン券事業に関して,市長の姿勢について伺います。まず,今回の包括連携協定ですが,包括連携協定は契約内容としては随意契約であろうと思います。随意契約であるならば,根拠法は地方自治法施行令となります。ただ施行令は,随意契約にはさまざまな要件が必要になってくると書かれています。この要件のうち,本件はどれに該当するのか教えてください。また,先の市議会文教経済委員会において,経済部長は「本来ならば,広く事業者を募って実施するべきところではあるが,事業期間が取れない。」と述べられ,今回の契約の性質が,随意契約に実のところは適当ではないと,暗におっしゃっているようなご答弁の仕方でした。事業期間が3か月しかないということは,根拠法の要件にある「緊急性」に合致するのでしょうか。「緊急性」は,災害時や市民サービスへの不利益が生じる場合ではなかろうかと思います。最高裁判決も確認しましたが,契約担当者の裁量を認める趣旨の判決内容も多数散見されました。とは言え,法の趣旨に鑑みて,契約者である枝広市長の裁量権というものが逸脱しているのではないかと思いますが,市長はどのようにお考えでしょうか。

市長

 法令に則った具体的な回答については,後ほど担当から回答させていただきます。常任委員会での経済部長の発言について,私は詳しく承知しておりませんので,それについてのコメントは致しません。そのような前提で私の思いを申し上げますと,この事業は,企業を支援するものではありません。高校3年生を支援するものであります。そして,参加していただいている企業には負担をしていただいています。そういう立場であります。新聞報道にもありましたが,一者のみへの公金支出という議論もあるようですが,それは正しくないのだろうと思います。なぜこの個別の企業と連携をした事業スキームを作ったかということでありますが,連携協定の中に高校生を支援するという項目があったということ。そして,高校生は4,400人いますから,そうした支援の受け手が混乱なく,市からのお祝いを受けられるという,分かりやすさや混乱を招かないやり方が必要になってくるのだと思います。もちろんいくつかの事業者が参加をするということもあると思いますが,それぞれが少なくとも4,400人全員のスーツのプレゼントに対して,それが負担できる体力のある企業でないと,なかなか簡潔なスキームというのは設えることができないという思いをもっていました。そういう意味で今回,青山商事と連携を組んで支援をしよう,青山商事にもご負担をいただきながら,高校生の門出を祝っていこうという支援策を打ち出したわけであります。先ほど申し上げましたが,ご質問の法令に基づく整理については,担当からご説明をさせていただきます。

記者

 3つの柱の都市魅力の創造の中に,医療提供体制の充実ということで周産期医療体制の強化をあげておられますが,現在,近隣では総合周産期母子医療センターは倉敷中央病院にしかないことから,リスクのある周産期の母子はそちらに搬送されているという実態が福山市でもあると思いますが,今後具体的に何年後にどういう整理をしていくというビジョンがありますか。

保健福祉局長

 福山・府中圏域においては,福山医療センターが地域の周産期医療の機能を発揮されております。これを今後どういった構想で,この福山・府中圏域に確固とした体制を築くか。すなわちそれは,総合周産期母子医療センター,いわゆる倉敷中央病院と同じような対応ができる病院をどう築き上げていくかということは,岡山大学と今後協議していく中身でございます。イメージとしては,福山市民病院を一つの大きな考え方の基礎にはもっておりますが,それは今後議論が行われることになると思います。

 以上。

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