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4月定例市長記者会見
記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。
会見日:2021年(令和3年)4月26日(月曜日)
4月定例市長記者会見
・新型コロナウイルス感染症の本市の対応及びワクチン接種について
・福山市域における大規模事業(道路,港湾,浸水対策)について
・最高デジタル責任者(CDO)の決定について
・「ふくやま子育て応援センター キッズコム」及び「えほんの国」のオープンについて
会議録
市長
まず,本市の新型コロナ関連のご報告をいたします。現在発症している患者数は63人です。再び3月末から,感染拡大期に入ったとみております。特に,変異株が大変多く発生しております。3月,4月の2カ月間で,100件の新規感染を確認しておりますが,その半数以上が変異株によるものとなっております。改めて,ステージ移行の目安に沿って福山市の状況をみると,感染者の増加とともに病床占有率が徐々に高まってきており,大変懸念をしております。医療従事者の協力によりまして,宿泊施設も含めて一定数の病床数,あるいはベッド数を確保しておりますが,予断は許しません。緊張感をもってこの数字をみております。それから,直近1週間の10万人当たりの新規報告者数の警戒基準値4人という数字を県ではよく注視をいたしますが,この4人という数字を大きく超える日が何日か確認をされているというのが一つの懸念状況です。それに伴って,急激にこの数値が上昇をしているということが足元の特徴であります。年代別の感染状況をみますと,前回の感染期と比べ,40代,50代が増加をしていることが一つ。それから, 10代以下が増加をしています。仮説でありますが,仕事などで県外との往来や人との接触が続き,それが家庭に持ち込まれ,大人から子どもに感染していくということを今後とも注意をしていかないといけないと思っています。感染経路別に前回と今回をみてみましたら,感染経路不明が増加をしています。調査を進めていく中で,感染経路不明の比率は下がってくるとは思いますけれども,同時に市中感染も広がっている可能性がなくはないと考えています。改めて本市の感染状況を整理します。
全国的にも,警戒感が強まっていることは言うまでもありません。先週,本市の医療関係者の意見を聴取する場をもちました。その中では,変異株が増えているため,いつ爆発的な感染,急増があってもおかしくないという強い意見もありました。また病床数への懸念,そして,小中学生への感染増加への懸念であります。これからゴールデンウィークを控えて,一層の警戒が必要だということだろうと思います。先ほど専門家の意見にもありましたが,小中学生への感染拡大防止については,今般新しく対応を講じることといたしました。それは,変異株の置き換わりと同時に,子どもへの感染拡大が全国的に確認をされているということ。それから,当面ワクチンの接種対象が16歳以上になっていますから,そういう意味でも,子どもたちをしっかりと感染のリスクから守ってあげないといけないということだろうと思います。本市では今回の感染拡大局面で,小学校4校,中学校1校で感染が確認されました。最近は,学年を越えて交流をするケースが学校現場では多いため,本市では一時的に,感染が確認された学校を休校し,接触者を早急に洗い出して検査を行い,安全が確認された段階からできるだけ早く学校を再開するという対応をとってまいりました。調査の結果,全体で接触者が500人ということで網掛けを終えました。そして,昨日4月25日までにおおむね7割の検査を終了いたしました。残りの3割についても今週中に完了する予定です。7割検査を終了して,安全が確認された3つの小学校については,本日4月26日から再開をいたします。感染の特徴でありますが,これまでは家庭内での感染が主な感染経路でありましたけれども,今回の事例の中には,学校外でいくつかの学校の子どもたちと共に活動する中で感染者が出たという事例が認められました。従ってこうしたところへの対応を考えていく必要が新たにあると受け止めました。改めて複数の学校の児童生徒が集まる活動に関わる指導者などに,PCR検査を早急に受けてもらうという取組を早速始めたいと考えています。また,学校や社会体育施設の利用制限を含む注意喚起も早期に行い,そういう活動の場の中から子どもたちが感染をしていく,あるいは感染が拡大をしていくという状況を遮断していく取組を始めたいと思っています。改めて,大切な家族や教育を守るために,その感染の種を外から家庭に持ち込まないということをお願いしたいと思います。
移動の自粛,接触機会の減少についてはこれまでも申し上げてきましたが,改めてゴールデンウィークを控えて,大阪,兵庫をはじめとする感染拡大地域への往来を控えていただきたい。その現地へやむを得ず行った場合であっても,感染拡大地域では会食は絶対にしないでほしいとお願いをしたいと思います。それから,もちろん同時にPCR検査を積極的に利用していただくということを改めて呼びかけたい,徹底したいと考えています。以上がコロナの感染状況と対応についてであります。
次は,ワクチンについてであります。5月9日に集団接種のためのリハーサルを行います。場所は旧福山市体育館です。被接種者役として地域の方の参加をお願いしております。そういう方のご意見も反映させながら,円滑なワクチン接種に努めていきたいと思っています。それから本日4月26日,高齢者施設入所者の最初のワクチン接種を行います。そして今週中にはもう一つの施設で接種を行います。つまりこの1週間で二つの特別養護老人ホームにおいて,従事者も含めると約160人を対象にワクチン接種を開始いたします。以上がワクチン接種とリハーサルについてのご報告です。
それから,新型コロナ関連ということでご報告いたしますが,延期をして5月2日に開催することとしています成人式についてであります。現時点では開催の方向であります。ただ従来と違うのは,2カ所に分かれて開催をするということでありますが,開催当日までのお願いといたしましては,感染拡大地域からの出席は控えていただくというお願いをすでに各人宛てに発出しています。残念ですが,このような地域に今いる成人の出席は今回は控えていただきます。その代わり,市の公式YouTubeで状況を配信いたしますので,オンライン参加をお願いしたいと思っています。それから,出席をしていただく方につきましては,事前に全員がPCR検査を受けていただきたいというお願いを改めて徹底したいと思っています。これまで何度も申し上げてきました三つの検査所がありますので,そこで無料の検査を実施していただくということであります。当日のお願いについては,当然,基本的な感染対策をしていただきますが,加えて,式典後どうしても久しぶりに友人たちが集まって,羽を伸ばしたい,交友を確認したいということになると思いますけれども,今回はそのような会食は延期するなど,慎重に判断をしていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
コロナ関係の最後であります。子育て家庭支援策ということで,二つの支援策が今般スタートいたします。まず,市独自に行います「出産育児特別応援金」であります。これは昨年国の制度としてスタートし,それでは十分カバーしきれない新生児に対しては市が独自に応援金を配ってまいりましたが,今年度も市独自で継続をいたします。初回振り込みは,4月30日を予定しています。月3回,申請の状況に応じてお配りをしていくというやり方をとっていきたいと思います。来年4月1日までに出生した新生児が対象になります。2つ目の支援策でありますが,「子育て世帯生活支援特別給付金」であります。これは国の制度であります。国の制度で,4月分の児童扶養手当支給対象になるご家庭の児童1人当たり5万円。あるいは,児童扶養手当の支給を受けないまでも,それと同等の水準にある方に対しても,この国の制度は適用されます。そういうご家庭も含めると全体は5,500世帯が対象になるということであります。まずは,この4月分の児童扶養手当の支給を受けている方についてはもう確認ができていますので,早速明日4月27日から県内最速で支給をいたします。何度も申し上げておりますが,国の支援制度を迅速に,そして混乱なく,それぞれの家庭にお届けする。これが私たち自治体の重要な仕事の一つであります。スピード感をもって,必要な方へ支援が届くように段取りを今後も進めていきます。以上で,新型コロナ関連についてのご報告を終えます。
次は,本市のインフラ整備についての国の新年度予算措置の概要についてご報告いたします。本市では,抜本的な浸水対策や幹線道路網の整備,福山港の整備について,国・県に対して整備促進のための重点的な財政支援を強く重ねて要望してきました。国は昨年12月に,「防災・減災,国土強靭化のための3か年緊急対策」に続く「防災・減災,国土強靭化のための5か年加速化対策」を閣議決定しました。3カ年が終わって,間断なく,今度は5カ年対策に引き継がれていったということであります。そして,令和2年度の3次補正と令和3年度の当初予算を合わせた,いわゆる15カ月予算と呼びますが,15カ月予算の考え方により,切れ目なく対応を進めるということにいたしました。この結果,本市のインフラ整備に関しましても,事業の加速化を可能にする予算の大幅な増額措置が決定をされました。1点目の抜本的な浸水対策のポイントは,市の事業である事業間連携下水道事業と事業間連携河川事業,つまり,河川事業と,内水排除である下水道事業を互いに効果的に連携させながら,一体的に事業を促進していくという補助制度がいよいよ本格化いたします。これまでも議論になりましたが,手城川流域の雨水幹線と排水ポンプ場の整備であります。排水ポンプの整備については,地形の事情,制約があって,2年ほど遅れますが,雨水ポンプについては予定通り進みます。それに関連する事業でありますが,今回,令和2年度に比べて,17億円の増加となるまとまった予算が届くことになりました。これによりまして順調に事業が進む目途がついたということであります。これまで申し上げましたように,平成30年7月豪雨に匹敵する雨に対しても,床上浸水被害は起こさない。そうした事業が今後本格化していくということであります。次は,福山道路,そして県の事業であります福山沼隈道路の事業進捗も,それぞれ図られるということであります。特に福山道路につきましては,昨年当初に比べて,倍増以上の国費がついたということであります。福山港でありますが,箕沖地区については,今回の予算措置により,予定通り令和3年度の概成が可能になります。そして令和5年度に向けて今後は,箕島地区の整備が本格化していくということであります。これは箕沖地区の国際コンテナターミナルの岸壁,航路及び泊地が水深10メートルに整備されていくという事業です。それから,駅周辺の再生事業につきましては,それぞれの事業が今,同時並行で進んでいます。ウォーカブルエリアの中で,核となる事業がそれぞれ着実に進んでいっているということであります。特にこの度,新しいまちづくりのモデル都市全国13都市のうちの一つに,引き続き福山が指定されたことにより,従来からの国の支援策が継続していく目途が立ったということだろうと思います。以上で,インフラ整備についてのご報告を終えます。
3点目の報告でありますが,CDO(最高デジタル責任者)が決定をいたしました。CDOについては,デジタル化推進の司令塔として,民間から専門人材を招聘するということを申し上げてきました。あわせて,CDOを補佐する補佐官についても同様に,民間から登用をすることとしておりました。CDOにつきましては,株式会社ビズリーチで公募したところ全国から331名の応募をいただきました。その中から,大手IT企業でDXコンサルタントやシステム構築などのプロジェクトマネージャーの経験のある江波龍一(えなみりゅういち)さんにご就任をいただくことにしました。また,CDOのもとで,2人の補佐官や我々の組織を統括する,あるいはCDOとの橋渡し役をしていただく統括補佐官という役割には,TIS株式会社のプロジェクトマネージメントエキスパートをされております,浦田有佳里(うらたゆかり)さんに。また,そのもとで補佐官として活躍していただくお2人のうち,お1人はLINE株式会社の公共政策室企画チームに所属をされております米倉隆介(よねくらりゅうすけ)さん,そして,GMOインターネットグループデジタルガバメント支援室の窪田哲郎(くぼたてつろう)さんにそれぞれ就任をしていただこうと思っています。以上がデジタル化推進体制であります。
次は,市役所内の手続きのワンストップ化を進めるための窓口の開設についてであります。今般,死亡届関連,そして出生届関連,この二つの手続きについてそれぞれワンストップ化を図ることといたしました。これまでは,複数の部署や複数のフロアへの移動,待ち時間の発生,そして同じ内容を複数の窓口で何度も申請書に記入をする。こうした負担をお掛けしていました。また実際市民からも負担が大きいとの声をいただいておりました。また,1月に行いました市政モニターアンケートの中でも部署が分かれていて分かりにくい,一つの窓口ですべての手続きが終わるようになればいいといったご意見をいただきました。これを受けまして,まず5月13日から「おくやみワンストップ窓口サービス」を進めたいと思います。コンセプトは「待たない」「書かない」「移動しない」ということでありまして,今回のワンストップ化でこれまで最長2時間かかっていた手続きが,約40分で完了するということになろうかと思います。この手続きには予約が必要ということで,5月10日から予約をスタートいたします。窓口の場所は,現総合案内の窓口になります。まずは市民課で手続きをした後,移動し,順番待ちをしながら,それぞれの場所で手続きを重ねていくということが従来のプロセスでしたが,今回は事前に電話で予約をいただきますと,その方に必要な書類を市役所の職員が事前に関係課から取り寄せて準備をしておきます。そして,来庁の際には窓口に用意された各人用の申請書を書いていただくということで,かなりの部分の手続きがそこで終わるということです。申請書そのものは,それぞれの内容に合わせて書いていただきますが,例えば住所とか名前とか,そういうものについてはあらかじめ市役所側で印字をしておきますので,同じことを何度も書く必要はなくなります。ただ,どうしても個別に判断が必要な手続きについては,担当課に行っていただかざるを得ません。そして,このときの手続きには発生しない別途手続きが後日確定するということもありますが,それはまた後日の手続きということになります。ワンストップ化することで,時間短縮効果が見込まれるということであります。それから,出生届についても大体似たような形です。これは市民課でワンストップサービスを行うということであります。死亡届関連の手続きと同じ日,5月13日から手続きがスタートします。予約は不要です。こちらも時間短縮効果が見込まれるということであります。
最後のご報告でありますが,5月1日11時から天満屋の8階で,子育て世帯からご要望の強かった「えほんの国」が再オープンいたします。ふくやま子育て応援センターキッズコムと隣接した形で,一体的に活用できるということになります。ニーズの強かったあそびの広場,授乳室がキッズコムには設置されます。また,たくさんの絵本,そして,楽しいコーナーなども復活いたします。また,コロナ対策も念頭に置きながらのオープンになります。利用者の数に応じて,利用時間制限をお願いすることになりますが,ご協力をよろしくお願いいたします。以上で私からの報告を終わります。
記者
1点目は,昨日4月25日に投開票がございました参議院広島県選出議員再選挙の結果に関して,市長の受け止めをお聞かせください。あわせて,西田さん,宮口さんそれぞれへのメッセージがございましたらお願いします。
2点目はJR福山駅北口広場訴訟が終結し,市長として市民の声を今回どのように受け止められましたか。
市長
まず,再選挙の結果についてであります。私は,前回の選挙で失うことになってしまった地元の声をしっかりと受け止めていただく与党の議席が復活することが望ましい,そういうものを期待したいということで,与党候補を支援してまいりました。結果は,コロナの収束がなかなか見通せない中,いわゆる政治とカネについて県民の厳しい,そして明確な判断が,審判が下ったということだろうと思います。このままでは終わらせないという民意なんだろうと感じました。こうした声を受けて,与党は政治の信頼回復に向けて引き続き努力をされるのだろうと思っています。そうした取組に期待をしたいと思います。また宮口さんについては,コロナ禍で苦しむ県民の声をしっかりと受け止めていただき,ご活躍を期待したいと思っております。
JR福山駅北口広場訴訟についてであります。これまで福山駅周辺の再生や築城400年に向けて,デザイン会議や都市再生協議会,市民アンケートなど,さまざま市民の声を伺いながら,話を進めてきました。そして,求められている玄関口機能や送迎機能などを,基本方針に基づき再整備をするという取組を進めてきました。いわば,市民の声を聴きながら,一歩一歩手順を踏んでこれまで進めてきたということだろうと思っています。これに対して,現状のような広場のままでいいという声もあったわけであります。ただ現状の駅の北口広場は狭く,そしていつも車で混雑しています。車やバスが雑然と駐車する先に見える福山城の景観は決して好ましいものではない,玄関口としてふさわしいものではないと思っています。今でも良質な景観を伴う広場の再整備が必要だと考えています。JR西日本との協定は,JR側の事情により白紙に戻りましたが,にぎわい再生への歩みを止めることはありません。今後については,駅南北が一体となって,歩いて楽しい駅周辺エリアが形成されるよう,駅周辺の良質なにぎわい再生に向けた整備を着実に進めてまいります。これまで以上に幅広く専門家や市民の意見も聴いていく必要があると考えています。必要があれば民間の活力,民間の知恵の導入ももちろん積極的に取り入れていきます。今年度秋口に立ち上げる官民で構成する駅南側広場の再整備に向けた協議会での議論の進展を見極めつつ,具体化をしてまいりたいと考えております。
記者
参院選の再選挙の関係で,西田さんの今回の敗因をどのようにみておられますか。また投票率が県内33.61%,福山市は唯一3割を割るということで,その辺りの原因などを分析できましたら教えてください。
市長
政治とカネに対する県民の怒りがあったと,はっきりとした意志が表明されたということだと思います。投票率の低下については,さまざまな見方があると思いますが,従来の与党支持層が今回ばかりは投票に行くことを躊躇されたという要因も否定できないのではないかと思っています。
記者
駅北口の関係でJRが計画を断念し,従来の開発は白紙に戻っていますが,今後については駅の南口の再整備の議論の進展を見ながらというお話がありましたが,北口に関しては市有地も多く,何らかの再整備をするのであれば,市が主導していかなければならないのかなと思いますが,時期的にはいつ頃から計画を改めて立てていかれるのでしょうか。
市長
来年2022年には築城400年の記念事業が控えています。こうなった以上は,築城400年の年に,その膝元の北口広場で重機が音を立てているという風景はつくらないほうがいいんだろうと思っています。これはもとよりそのようなスケジュール感で,北口整備を進めてきました。従って,おそらく来年は,北口については築城400年のイベント広場などで活用する。そのために必要な整備をこれから進めていくということになるのだと思います。一方で南側の広場の検討が今年来年と2年間かけて整理をされ,来年度後半には基本方針ができます。その中では当然,北口と一体となった南側の広場の在り方という視点からの議論が行われると思います。そういう中で出てきた意見を踏まえながら,築城400年の取組が終わった直後には,整備計画の議論の再開が行われるというスケジュール感を念頭に置いています。
記者
天守の鉄板張りをこれから再現していかれるということですが,先日,鉄板張りに使われたとみられる鉄板の一部が民間で見つかったというニュースがあったと思いますが,これに対する市長の受け止めと,鉄板の表面がどういったもので加工されているかとか,もしかしたら産地とかも分かってくるのかなという期待をしています。今後の鉄板に関する調査と,どのようにこの鉄板を今後築城400年に向けて生かしていこうと思われているのか教えてください。
市長
今まで写真や文書などの資料では,鉄板張りの存在というのは確認できていましたが,今回実際のものと思われるものが見つかったというのは大きなニュースとして報じられていました。私もその通りだと思います。もっと大きなものかなと思ったのですが意外と小さかったものですので,これは復元するのは大変だなという気も正直しました。いろいろ材質も調べてできるだけ似たようなものにしていくのがいいのか,あるいは,天守の構造に与える負荷をできるだけ少なくする軽量化されたものがいいのか。そこはぜひ,専門家に判断をしていただきながら進めていきたいと思います。色合いは,できるだけ当時のものと思われる色合いが望ましいと思っています。それから固定用の釘も出てきましたが,鞆の船釘と何らかの関連性があるような調査結果も出てくれば,またこれも大きな話題になるかも知れないという思いをもちながら,希望をもって鉄板張りを計画的に進めていきたいと思っています。
記者
中央公園の慰霊碑がスケートボードによって削れている,汚れがついているという話を聞きまして,市長の思いと復元など今後の対応,方針があればお聞かせください。2点目は,商圏人口プラットフォームを秋にオープンデータ化されると思うのですが,全国的にも先進事例だと思います。どの程度,市の施策を重視していくのか,どういう位置付けになっていくのかということと,公共施設の再配置などにどのように生かしてくのかなど,具体的な活用事例など想定しているものがあれば教えてください。
市長
まずスケートボード遊びによって,慰霊碑の台座に汚れが出た,こすれ傷ができたという話でありますが,原爆死没者の慰霊碑や戦災死没者の慰霊碑の像があるところで,このような事案が起きたということは大変悲しいことであると同時に,やはり強い怒りを覚えざるを得ない,そんな思いをもって受け止めました。二度とそのようなところでのスケートボード遊びはしないでいただきたい。私もよくあの辺りを夜散歩するのですが,以前は確かに音がしており,そういうスケートボードを持った若い人の姿も見えましたが,最近は見えなくなりました。ご協力をいただいていると思います。修復については,できるだけ早くしていきたいと思っています。台座に付着した塗料の除去をどういうやり方でやるのが一番効果的なのか,担当の方でいろいろ検討していますので,できるだけ早く,元の状態に復していきたいと思っております。同時にスケートボードをされる方については,スケートボードパークをつくっていますので,ぜひそうした決められたところで,楽しんでいただくということを改めてお願いしたいと思います。
それから商圏人口プラットフォームの件についてでありますが,これからさまざまな取組を行うときに,必ずしっかりと,一方では意識しながら,まちづくりの方向性を議論していかなければいけない,そのための基礎資料として大変重要なメッセージを与えてくれるデータだと思います。今,企画政策部で地域戦略というのを作っていきます。それぞれの地域の特徴や誇りや,自慢,そしてそういうものを将来も生かし続けていくために,自分たちの地域がどうなっていくのだろうかということを一方では念頭に置きながら,そうした地域戦略を作り上げていくというのも一つの活用方法だと思っています。その他,さまざま各部局でそれぞれの事業を今後計画していく際においても,今後は行政としても検討の素材になっていくものだと考えています。
記者
新型コロナ対応について伺います。成人式を予定通り開催される予定ということで,緊急事態宣言発出エリアから来る成人の方には,自粛を呼びかけるということですが,ゴールデンウィークを控えて,ゴールデンウィーク期間中に成人式以外にも,県外から観光客などたくさん訪れることが予想されます。そういった方にも往来の自粛を呼びかけるということになるのでしょうか。
市長
これは県としっかり連携してやっていきたいと思います。一部のエリアだけで対策を講じるよりは,どこまでの広さをとるかにもよりますが,より広域的な取組をする方が,効果が上がると考えています。県も当然考えていますし,我々からも県に対して,県外からの往来の制限の在り方について,しっかりとしたメッセージを出してもらうように申し入れていきたいと考えています。
記者
ゴールデンウィークが明けてから,福山市でばら祭が予定されていますが,ばら祭の運営の在り方というのはどのように考えておられますか。
市長
実行委員会の方では,ウィズコロナにおけるばら祭の在り方を検討してこられました。昨年はオンラインでの発信がメインでありましたが,今回もそれをベースに,よりばらに親しめる,ばらの原点に立ち戻るということを考えながら,期間も2週間に長くし,できるだけ密な状態を避けつつ,ばら祭は引き続き途絶えさせないということで頑張っていただいていると思います。従って,今の状況が一定程度維持できるということであれば,これまでの公表しております企画案で実施をしてみたいと思っています。
記者
ばら祭の関係で,昨日4月25日も世界バラ会議の実行委員会がありましたが,ばら祭を通じて世界バラ会議に向けてどのように発信していきたいか,市長の思いをお聞かせください。
市長
YouTubeを通じて世界にばら祭を発信するという試みを昨年からしていただいています。そうしたさまざまなツールを通じて,世界バラ会議では実施計画ができた,そしてPR動画も作った,さらにはロゴマークもできた,この間に準備をした世界バラ会議のさまざまなコンテンツの一部を,まずは発信していきたいと思っています。またばら祭の会場の一部には,世界バラ会議のブースもできると聞いています。さまざまな手段を使って発信をできればいいなと思っています。
記者
再選挙の関係で,宮口さんが福山市の出身者だということで,改めて国政での期待を教えてください。
市長
私はコロナで大変な思いをされている方々の声をしっかりと受け止めた支援策,あるいは経済対策を期待してきました。そういうことを期待するという声もマイクを握って訴えをさせていただきました。ぜひそうした福山の声を受け止めていただき,国政でご活躍をいただきたいと期待申し上げています。
記者
コロナ対策の関係で,新年度から後方医療機関支援という全国的にも珍しい取組を進められようとしています。医療提供体制が今逼迫しつつあるとの話もあったと思うのですが,現状の体制がどのくらい整ってきているか分かる範囲でお答えください。
市長
後方医療機関の名前を挙げ,考え方を整理し,そして皆さんに公表しました。その時点では全国の市町の自治体では,先行的な取組でしたが,今や他の市町でもこうした考え方は普及しているようです。今,14施設ぐらいが我々の考える後方医療機関に足りうるということでお願いをしています。一部の病院では,すでにそうした患者さんを受け入れていただく実績もあります。今後とも引き続き,最終的にOKをいただける病院の数を増やしていきたいと思っています。
記者
成人式の関連で,先ほど市長は出席される方は全員が無料で事前にPCR検査を受けてくださいと言われましたが,市長の気持ちとしてお願いベースの話なのでしょうか。
市長
はい。強くお願いをしたいと思います。
記者
他の自治体でも成人式をする場合にはPCR検査を受けてくださいというのはお願いしているのでしょうか。
市民局長
全国の自治体においてその動きは確認できていません。湯崎知事の発言が最初であったと思います。
記者
CDOについてですが,公募されて331人の申込があり,選ばれた方の詳細な紹介ができない事情があるのでしょうか。
市長
会社に籍を置きながら副業で参加をしていただいています。従って,会社といろいろやりとりをする中で,社名は非公表にしてほしいと言われていますので,それを我々が受け止めたということであります。
記者
非公表にしても,それは福山市のデジタル化推進のために,この人の知見を生かしたいということで引き受けてもらったということでしょうか。
市長
福山市に対してどのようなことをしてくれるのか,書面審査と2回の面接で絞り込んできました。その結果としての人選です。マスコミの方に社名をお伝えできないのは,相手側の会社の事情があるためということをご理解いただきたいと思います。
記者
マスコミというよりも,市から非常勤の方に報酬をお支払いし,こういう方を公募し,このような結果になりましたというご報告がもうちょっとできれば市民も理解しやすいと思います。
市長
そういうことであれば,先方に改めて社名の公表の可否についてお願いをしてみたいと思います。
記者
年齢や福山に関係ある方なのかどうかも含めて教えていただければと思います。
市長
できる限りオープンにできるものは市民に対してオープンにしていきたいと思っています。先方には改めて伝えたいと思います。
記者
児童生徒への感染防止対策として,複数の学校の生徒が集まる活動に関わる指導者等の早期受検とありますが, PCRセンターなどを通して,その活動がある何日か前までに受けてくださいということをお願いされるということでしょうか。
市長
場所は先ほどから申し上げている三つのPCRセンターなどが一番早いと思っています。ただ,何日までに受けてくださいということについては,できるだけ早く,可能な人は今週からでもまず受けていただきます。まずは,その最初の検査で安心を確認するということが,子どもを預けている保護者の安心にもつながります。その後,定期的にやるのか,どういう頻度で継続して安全を確認していくのかについては,今後検討していきます。まずは,当面の安全を確認したいと考えています。
記者
それは,定期的に行われている活動に関わっている指導者ということでしょうか。
市長
はい,そうです。
記者
例えば,学校の先生方に定期的に,施設の従事者と同じように受けていただくというような検討はされていますでしょうか。
市長
これまでは特段検討はしていませんが,今後の状況を見極めながら,そうした必要があれば考えてみたいと思っています。
以上。