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新型コロナウイルス感染症対策について市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年9月10日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2021年(令和3年)8月17日(火曜日)

新型コロナウイルス感染症対策について市長記者会見

 ・新型コロナウイルス感染症対策について

  新型コロナウイルス感染症対策について市長記者会見資料 [PDFファイル/401KB]

会議録

市長

 以前から,この新しい波について懸念を表明してきました。そして,市民の皆さまにもご協力をいただきながら何とか乗り切りたいという思いをお伝えしてきました。また,医療のひっ迫状況は福山市のような地方の中小都市においては,あっという間に急変する懸念も何度かお伝えしてきましたが,昨日8月16日,多くの感染者数が確認され,改めて深刻な局面入りをしている認識をもちました。そうしたことから,緊急の記者会見をもたせていただきました。

 まず,7月,8月の日々の感染の状況ですが,7月から1週ごとの合計が週ごとにほぼ一貫して増えてきています。8月に入りまして,日々の感染者数の増加が特に顕著であります。8月1日から8月10日は,7月の4連休の影響がほぼ出始める時期となります。そして,8月11日から8月15日は30人台となり,感染者数が増加をしました。これは8月に入ってから,夏休みが本格化する時期と合致するのではないかとみております。そして昨日8月16日,この数字を見て私も危機感をさらに強めました。1日当たり57人という陽性者数を確認しましたが,今後どうなるかはもちろんわかりません。時期としては,8月の三連休の人の流れが影響する時期とほぼ合致するとみています。今後,このお盆の時期の影響が加わることがあるかもしれません。これは深刻な局面入りをしたものであり,今後もさらに予断を許さない時期に入っていくのではないかとみております。

 これまで積極的疫学調査というのを基本にしてきました。そして,濃厚接触者,接触者をしっかりと把握をしてPCR検査につなげる。そして感染拡大を防止することを基本にしてきました。また,私はよく封じ込めという言葉を使ったと思いますが,封じ込めについては,これまで一定程度の成果をあげてきたと思っています。過去4回の波を医療のひっ迫を回避しながら収めてきたということでありますが,現状は全国的な感染拡大に伴うリスクの増大が顕著になり,積極的疫学調査による封じ込めは,今や困難になりつつあります。残念ながら,保健所のマンパワーを考えても,この57人というようなレベルが今後も続けば,積極的疫学調査は困難になるということであります。それは,さらなる感染拡大のリスクを含んでいるということでもあります。従って,今後,改めて市民の皆さまには,こうした状況をしっかりと踏まえていただきながら,それぞれが責任ある行動,慎重な行動をとっていただきたいということをお願いします。さらに,私どもの取組の強化と合わせて,まずは感染の急拡大を少しでも抑制していく。そして,早くピークアウトさせることに,当面の目標を置いていく必要があると思っています。

 第4波の当初は,1週間の10万人当たりの陽性者数4という警戒基準値を下回るということを目標にしてきましたが,今や短期間の間に大きく上回ってきている状況です。今は県内で,最も悪い数字になっているのではないでしょうか。患者数も305人になりました。7月30日の記者会見の時に報告した患者数は49人でした。わずか2週間で,約6倍になったということであります。それに伴い,入院,宿泊療養者数も大きく増えています。特に,宿泊療養で軽症者の方を受け入れてケアをしている状況で進めてまいりましたが,実は,この宿泊療養数は昨日8月16日の段階で,本市におけるベッド数を超えた状態になりました。もちろん超えた部分は,本市以外の宿泊療養施設に受け入れていただいているということであり,宿泊療養施設に入れないからという理由で自宅待機をしている事例はありません。やむを得ず自宅待機を余儀なくされているという事例は,本市においてはありません。そういう意味では,広島県内全体としては,宿泊療養の体制にまだ余裕が若干あるので,県内全体で県と調整のうえで,安全な状況が確保できているということでありますが,福山市においては,確保しているベッド数を超えたということであります。8月16日の新規感染者も57人となります。入院病床は110あり,そのうち39が埋まっています。まだ余裕はあるようにみえますが,これも何度も申し上げますように,一気に状況は急変する可能性がある状況です。

 本市の感染の特徴を整理しました。8月に入ってからは,医療機関からの届出の数が急増しています。もちろん行政検査によって確認される数も増えてきていますが,それよりも医療機関で確認される事例が,大きく数を伸ばしています。この意味として,行政検査は積極的疫学調査を前提としますので,濃厚接触者,接触者を検査する割合が高いことになります。それに対して,医療機関で検査を受けられる方は,感染経路が分からない方となります。体調が良くない,そういう方が医療機関に行きます。つまり,市中感染が増えているということを意味し,我々が把握しきれないところで感染者が増えている可能性があるということを端的に示しているのではないかということであります。

 2番目の特徴でありますが,感染経路が不明な割合が3分の1を占めています。この数,あるいはこの割合が少なくならないと収束への見通しが立ちません。それから感染の起因を市内,市外,不明の3つに分けますと,やはり市外から持ち込まれたと推定される割合が一番高くなっています。日々の報告で,市外と市内を行き来されていることを多く聞きます。もちろんそれが直接の感染の原因かどうかは分かりませんが,多くの方が仕事や友人,場合によっては観光など,さまざまな目的で市外と往来をされているということであります。外からウイルスが持ち込まれていることを示しています。自治体としてできることは限られていますが,感染拡大は市民の協力もいただきながら抑えていかなければいけません。それと同時に適切な医療が受けられないという悲惨な事態だけは何としても回避したい。我々としてできることは,やはり宿泊療養の数を引き続きしっかりと確保をしていくことを県と調整をしながら進めていくことですが,これは市内のホテル,市外のホテルなのかに限らず,本来ホテルで療養すべき人を自宅に待機させることがないように,さらなる確保に努めていきたいと思います。課題は看護師の確保です。医療従事者の中でも,特に看護師の確保が課題です。県と一緒に課題に対する問題点を共有しながら,我々も,看護師の確保に医師会とも協力しながら取り組んでいきたいと思っています。また,ホテルに入っている方が一時的に体調を悪くする,あるいは自宅で療養されている方が一時的に体調を悪くするというケースも想定されます。そういうことに備えまして,酸素濃縮器を市独自で10台確保いたしました。引き合いが全国から多く,確保することはとても難しい状況になっていますが,市として酸素濃縮器を10台確保して効果的に運用して,万が一の場合の備えとしていきたいと思っています。以上,本市の現状と今後の見通しについての報告となります。

記者

宿泊療養について,福山市のベッド数を超えたということですが,今は市外のホテル等を利用しているということで,これは福山市以外のところ,広島県全体としてベッド数が追いつめられるような状況となっていくことが想定されるということでしょうか。また,看護師の確保について,なぜ看護師が今足りない状況なのでしょうか。

市長

想定のご質問ですが,万が一,宿泊療養施設の確保が感染者の増加に追いつかない場合は,それは大都会でも今問題になっているように,やむを得ず自宅に待機をしていただくという状況が起こらないとも限りません。しかしそういう状況は起こしてはならないということで,県もいろいろと努力をしてくれています。我々も県と一緒になって,確保のためのさまざまな努力をしていきます。

それから,看護師不足という課題は以前からあります。そのうえで,こうした新型コロナウイルスの対応で看護師を確保することについては,通常の医療を維持しながら,看護師をさらに確保するということの難しさがあると感じています。そうは言っても,医師会等と議論しながら,協力をお願いし,看護師の確保に努めています。

記者

ホテル等に常駐する看護師ということでしょうか。

市長

そうです。24時間,宿泊者の容態管理をしていただくための看護師です。

記者

中等症の方々は,病院等に入院されるケースだと思うのですが,今の問題点はどうでしょうか。

市長

現在,110の病床があります。そのうちの39が埋まり,この中には重症の方も中等症の方もおられます。基本的には中等症以上の方は病床でしっかりとした医療ケアを受けていただくことになります。まだ現状ではこうした余裕をもった病床運営がなされているということであります。補足として,現在,本市では重症の方が1人,中等症が5人であり,病院におられます。

記者

軽症の方でも,病院に入院されている方もいらっしゃるということでしょうか。

市長

そうです。

記者

今回感染者が非常に増えている原因ですが,8月7日,8日,9日の人の流れに起因するのではないかとおっしゃっていましたが,例えばお盆の帰省の関わりがあるとか,大阪とかの行き来が多いとか,推測になりますが,原因はどのように考えられていますでしょうか。

市長

お盆の影響が出てくるのは,これからになります。この影響は8月7日,8日,9日の人の流れの可能性があると申し上げました。感染経路がどこなのか,大阪なのか東京なのかいろいろありますが,さまざまなところに行かれている方もいます。市外を超えて行ったからといって,そこからウイルスが持ち込まれたかどうかという調査を深めていかないと,はっきりしません。今この時点で,はっきりとどこの地域から持ち込まれた傾向があるかということについては控えさせてもらいます。

記者

市外から持ち込まれたと推定される割合が増えているということで,仕事や友人との交流,観光なども含めて,やはり市外との人の流れの拡大が感染拡大につながっているのは間違いないということでしょうか。

市長

感染者が急増しましたが,そこで何が起きていたかというと,特に首都圏における感染の増加があります。あるいは関西圏もそうかもしれません。従って,そうしたところから持ち込まれた可能性というのは,私は非常に大きいと考えています。そうしたところから持ち込まれて,市中感染の種になっている可能性も否定できません。あるいは,それ以外の要因によって,市中感染が広がりつつあるのではないかという懸念をもっています。

記者

高齢者より若い方が増えている,夏休みに入っていることを考えると,帰省等で市外と行き来するなかで,感染者が増えていると考えることが自然と思うのですが,そのあたり市長は違う見方をされているということでしょうか。

市長

私たちもそういう見方をしています。今まで以上に家庭内での感染が目立ちます。第4波以前の感染においては,仮に外から家庭にウイルスが持ち込まれても,幼い子どもの感染はあまり確認されなかった。あるいは,家族が全員感染するという事例はそこまで確認されませんでしたが,今回の波では,家族全員が感染をするという事例が以前よりも増えているような気がします。従って,年代を問わず感染力の強いウイルスが現在市中感染の原因になっている,あるいは感染の原因になっているかもしれません。

記者

家族の中での感染が広がっていることについて,帰省などで市外から戻られ,その方が感染源になっているケースが積極的疫学調査の中であるということでしょうか。

市長

そういう事例もあります。やはり夏休みで帰省をされている方,それはやはり一定程度,認められます。

記者

8月6日に県の集中対策重点区域の指定があって,公共施設の一部閉鎖や飲食店の営業時間の時短要請をされていますが,対策がとられていない飲食店等を中心に感染が広がっているということでしょうか。

市長

私の印象では,必ずしも飲食店を中心に市中感染が広がっているという感じではありません。どこで感染しても不思議ではない状況だと思います。もちろん飲食店からも感染は認められていますが,あらゆる場面での注意が必要になっていると思います。                                          

記者

市内で初めてデルタ株が確認されましたが,デルタ株の感染が広がっているかどうかのデータはありますでしょうか。

保健所長

8月4日に,デルタ株について3例ゲノム解析がされたというご報告を市長の方からさせていただきましたが,それ以降も検査は継続しておりますので,改めて数をまとめてご報告させていただきます。やはり全国的な傾向と同じように,増えてきているのは間違いないと思います。デルタ株とゲノム解析されていなくても,いわゆる変異株の疑いがあるということはこれまでもご報告させていただいております。きちんと確定し,改めてご報告させていただきたいと思います。

記者

なぜ家族の中で感染が広がっているのか,そのあたりの原因はわからないのでしょうか。

市長

おそらく感染力の強い,感染スピードが速いと言われている変異株が影響していると思います。

記者

積極的疫学調査が困難になりつつあるとのことですが,現在はどのような状況でしょうか。

市長

私はマンパワーの限界に近づいていると思います。積極的疫学調査というのは本当に時間のかかる,専門的な知識も必要となる難しい仕事です。一定の時間もかかります。何度も何度も調査を重ねないと事実につき当たらない,行き届かないという難しさもあります。特に福山市の場合は,今までも丁寧な調査を行い,これまで封じ込めをしてきました。そういう意味からも,今はかなりしんどい状況に入りつつあると思っています。

保健所長

昨日8月16日に57人の陽性者が確認されました。非常に時間もかかり,マンパワーも必要です。ある程度,短期間で陽性者数を下げることができるのであれば,我々も頑張ってできるだろうと思います。ただし,長期間続く,もしくは陽性者数が増加するのであれば難しくなる可能性はあると思います。ただ,我々としては,積極的疫学調査はまん延期だからあきらめるということは決してありません。場合によってメリハリをつける,いわゆるリスクのある方や,例えば感染すれば重症化する方,そういう方は必ず捕捉します。また,例えば若い方やワクチンを接種した方,そういう方については,もちろん調査対象として調査を行っていきますが,メリハリをつけるというやり方も将来的には選択肢としてあると思います。繰り返しになりますが,決して積極的疫学調査を諦めるということはありません。いわゆるまん延期だからどうしようもないということは決してありません。調査の方法を変えながら,取り組んでいきたいと考えております。

記者

私から2点あります。まず1点目は,今後について市民の慎重な行動により感染スピードを抑制するとありますが,市民の慎重な行動というのはどういう行動をとればいいのか,特にどういう行動を慎んでほしいという具体があれば教えてください。もう1点は,宿泊療養の数が増えていることに伴って,今後このペースでいきますと市が望まないことであっても自宅療養の方の数が増えるのではないかとの予測もできます。その可能性も排除すべきではないと個人的には考えます。その際に今のうちから自宅療養の方の数が増えた場合に備えて体制の構築という点に着手しておく必要があるのではないかと思うのですが,その点についてのお考えはいかがでしょうか。

市長

昼間や特に休日となりますと市の中心部には一定程度の人の外出がみられます。接触の機会を減らすという意味で,外出の機会を減らしていただくということをお願いしたいと思います。また,特に暑い季節ですので,通りを歩いていると,マスクを外して歩いておられる方も見受けられます。大変暑い中で恐縮ですが,マスクをしっかりとつけて日々の生活をしていただきたいと思います。特に新しいことをお願いするわけではありません。まだ試行錯誤ですが,いろいろなことをお願いしてきました。そうしたことを改めて徹底していただきたいということであります。それから万が一に備えて検討を始めておくべきではないかというご質問ですが,ご質問のとおりだと思います。今回の宿泊療養施設が満杯になってしまったということについても,あっという間の出来事でした。宿泊療養施設がなければ,自宅かどうかわかりませんが,宿泊療養施設以外の代替的な施設で,宿泊療養に準じて陽性者をケアできる体制をどう考えていくのかということについて,市としてどこまでできるのか医療関係者とも議論を始めておく,それは必要だと思います。

記者

8月に入って感染者数が増えていますが,その中でクラスターの発生数というものはあまり増えていないように思います。その理由は家族などクローズドの中での感染が増えているということなのでしょうか。それとも,広域化して捉えにくくなっている,もしくは数が増えているので絞っているなど,クラスターの発表が減っている理由としては,どのようなことが考えられるのでしょうか。

保健所長

クラスターの数について,我々が捉えられなくて出てこないということではありません。これまでも事業所や,教育機関とかそういうところで出た場合は必ずきちんと検査を行い,陽性者が例えば5人以上を超えた場合にクラスターと認定しています。我々は決して検査ができない,調査ができないということはございません。たまたま今はそういう数に収まっているということであり,感染者の増加によっては,また発生する可能性はあると思います。そこは極力,早期にみつけて抑えたいと思っています。

 

以上。

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