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2022年9月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年9月12日更新

 

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2022年(令和4年)8月29日(月曜日)

20229月定例市長記者会見

 ・新型コロナウイルス感染症について

 ・市政運営に当たって(これまで)

 ・「新5つの挑戦」を確かな成果へ (これからの2年間)

 ・今後のまちづくりに向けて

 .デジタル化の推進

  2022年9月定例市長記者会見資料 [PDFファイル/3.03MB]

 

会議録​​

​​​​市長

 8月27日と28日に,福山城とその周辺で築城400年を記念するセレモニーを開催いたしました。連日,大勢の市民の方で場内が溢れんばかりの,にぎやかさでした。本当に大勢の方々が,福山城の大改修を喜んでくださり,うれしく思いました。特に,天守北側鉄板張りの価値について,何人かの有識者の方や,お城のファンの方からお話をいただきまして,あらためて,貴重な資源であることを実感いたしました。

 また,ライトアップセレモニーにより,福山城に新しい価値が加わりました。そして,私にとってうれしかったのは,福山駅北口スクエアが,あのように大勢の方で埋め尽くされていたことです。これからも,北口スクエアが大勢の方に楽しんで活用いただけるように努めてまいります。全体で約9万人の方々にお越しいただき,本当に良い2日間になりました。

 それでは,まず新型コロナウイルスの感染状況についてご報告いたします。直近1週間の10万人当たりの陽性者数は,8月23日をピークにいったん減少しており,ピークアウトしたようにもみえます。しかし,これはお盆の影響が過ぎたためととらえており,依然として,日々の陽性者数は高止まりの状況にあると考えておりますので,気を緩めることなく,必要な対策を続けてまいります。年代別の感染状況については,少しずつではありますが,60歳代以上の高齢者の比率が高まってきています。重症化リスクが高まっているという見方もできますので,しっかりとした感染対策をお願いいたします。

 併せて,高齢者の方々に感染させないような配慮を,若い世代の方々にはお願いいたします。また,医療提供体制のひっ迫の回避に向けた対応として,8月24日から確保病床を増やしております。さらに,重症者に対するケアや中等症以上の方の病状を悪化させないような対応に,より重点を置いてまいります。このため,新たな軽症者に対する健康観察として,従来は保健所からの電話連絡により行っておりましたが,健康観察ツールであるマイハーシスにご自身で入力していただく方法に変更いたします。そして,何か不安や心配事がある場合には,福山市自宅療養者相談センターに電話でお問い合わせください。重症化リスクの高い方については,引き続き保健所による電話連絡で対応してまいります。それから,引き続きワクチンの早期接種をお願いいたします。

 次に,9月定例市議会の案件について,ご説明いたします。9月議会につきましては,本日,招集告示を行い,9月5日から開会いたします。第1次分として提出いたします内容については,まず,報告案件として「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」を始め6件を予定しております。決算案件としては「令和3年度福山市病院事業会計決算認定について」を始め4件であります。予算案件としては「令和4年度福山市一般会計補正予算(第3号)」を始め5件であります。条例案件としては「福山市職員の定年等に関する条例等の一部改正等について」を始め4件であり,単行議決案件としては「(仮称)福山市立大学複合施設新築工事請負契約締結について」を始め10件となっております。以上,第1次分として29件を提出いたします。

 続きまして,補正の概要をご説明いたします。今回補正する会計は,一般会計のほか,病院事業会計,水道事業会計,工業用水道事業会計,下水道事業会計の4企業会計,合わせて5会計となっています。補正予算額は,一般会計が30億3,932万円,企業会計が4億7,428万4千円,合計で35億1,360万4千円を追加いたします。また,債務負担行為を一般会計で5件計上しております。

 まず,原油価格・物価高騰対策分についてでありますが,物価や光熱費等の価格が高騰しており,保育所や介護サービス事業所等の施設経営が圧迫されています。これら施設は,住民の生活を支える重要な社会インフラであるため,その経営に対して応援金という形で支援するものであります。保育所等については最大30万円,介護サービス事業所や障がい福祉サービス事業所等については最大40万円を,施設定員数やサービスの形態によって,それぞれ支援いたします。公共交通燃油価格高騰対策事業費補助は,市内のバス,タクシー,航路の交通事業者に対して,燃料費が大幅に高騰する前の令和3年9月を基準とし,令和4年4月以降の高騰相当額の2分の1を補助するものであります。対象期間は,令和4年4月から令和5年3月までの1年間です。また,広島県が同様の補助制度において,残りの2分の1を補助する予定となっております。一般会計の公共施設光熱費等高騰対策と下水道事業会計負担金の他,病院事業会計,水道事業会計,工業用水道事業会計,下水道事業会計については,各公共施設における光熱費等の増加に対応するものであります。

 次に新型コロナウイルス感染症対策分についてです。特別養護老人ホーム等施設建設費補助は家族面会室等のゾーニングに係る整備費を,小規模福祉施設等整備費補助は換気設備の整備費を,介護ロボット導入支援事業費補助は移動式リフトの導入費用を助成するものであります。

 続いて,通常分であります。福山城築城400年記念事業の推進は,いただいた企業版ふるさと納税を,実行委員会の市民企画事業に活用させていただくものであります。世界バラ会議福山大会に向けた取組は,ばらの植栽デザイン計画に基づき,ばら苗の生産から育成・納品までを実施するもので,令和5年度までの債務負担行為も併せて設定するものとなっています。医療・福祉の充実のうち,特別養護老人ホーム等施設建設費補助は施設整備や開設準備経費などを助成するもの,小規模福祉施設等整備費補助は防災改修や非常用自家発電設備の整備費を助成するもの,予防接種費は,子宮頚がん予防のためのHPVワクチンの接種を受けないまま,定期接種の対象年齢を超えてしまった方へのキャッチアップ接種の実施に必要なワクチン購入費や接種委託料などを計上するものであります。

 教育環境の充実は,図書の充実などに対していただいたご寄附を活用し,学校図書館環境整備事業に取り組むもので,当初の10校に新たに10校を追加して,合計20校の整備を今年度行うものであります。地域防災力の強化のうち,消防団加入促進事業費は,新たに消防局庁舎へデジタルサイネージを整備し,地元専門学校と連携して作成する消防団PR動画による加入促進や啓発活動などに活用するものであります。

 公共施設等の整備について,まず,国庫補助事業は,国庫補助内示の増に伴い市営住宅の外壁改修や,自転車通行空間の整理,通学路の安全対策などを実施するものであります。市単独事業のうち,浸水対策費は,排水機整備として神辺町八尋地区の事業を前倒して実施し,令和5年度までの債務負担行為を合わせて設定するほか,駅家町上山守地区の事業費の増加に対応するものであります。支所庁舎等施設維持整備費は,加茂支所の移転先である加茂福祉会館の改修や,あしだ交流館等の空調設備の更新を行うものであります。建物撤去費は,旧福山市体育館等の解体設計及び建物等の事前調査を行うものであります。寄附金対応は,寄附者の方々のそれぞれの思いに沿った事業に活用させていただくものです。制度上補正を必要とするものは,消防団員の令和4年中の退団者の増加に対応するものなどであります。

 その他のうち,観光宣伝事業費は,インバウンドの推進に向け,訪日意欲が高いアジア圏,主に台湾をターゲットとしたプロモーションを実施するものであります。債務負担行為としては,植栽デザイン整備事業や水路維持改良事業など,一般会計で5件計上するものであります。

 以上が,今回予定しております,令和4年第4回定例市議会に提出する補正予算の概要であります。

 

記者

 福山城のリニューアルオープンを終え,就任当初から「一丁目一番地」と位置付ける市中心部の活性化についても,協議が進んでいます。市長の2期目の任期も折り返しとなり,残り2年という時間的な制約もありますが,次なるまちづくりの大きな方針があるのでしょうか,もしくは,これまで進めてきた事業の総仕上げに残りの任期を充てるのでしょうか。お考えを,お聞かせください。

 

市長

 これまで,市政運営の基本方針に基づいて,「5つの挑戦」と「新5つの挑戦」に取り組んできました。そこに込めた私の思いは,三つございます。一つ目は,福山市の魅力の価値をもっと高めて発信すること,二つ目は,少子化対策が叫ばれる中で,安心して子育てができる環境をつくること,三つ目は,備後の中核都市でありますから,都市インフラをしっかりと確固たるものにすることです。このような思いで,この6年間市政運営を続けてきた結果,市政に変化が感じられ始めたという声を伺うようになりました。

 魅力の価値を高めることとしては,まず,福山城について,築城400年記念事業を通じ,さまざまな取組を行ってきました。鞆の浦は,日本遺産,ユネスコ「世界の記憶」,重要伝統的建造物群保存地区という,これら三つの認定,選定を受ける地区になりました。これら三つの評価を受けているのは,全国で鞆の浦しかありません。ばらについても,本市の大きな特色でありますが,世界バラ会議の誘致を決め,それに向けて集中3カ年対策に今取り組んでおります。また,2023年5月のG7広島サミットにおいても,この世界バラ会議を世界の首脳にアピールしていくことをめざし,大急ぎで検討しております。

 子育てできる環境づくりについては,ネウボラであります。県内初の取組として,中核市では一番多い市内13カ所の「あのね」を設置し,これまで累計9万2千件の子育て世代からの相談をこなしてまいりました。また,中学生までの子ども医療費助成も実施いたしました。子育て世代に対するさまざまな取組,そして,教育環境の整備にも努めてきたわけであります。こうした結果,市民に対してのアンケートで,この地域で子育てしたいと思いますかという問いに対し,2015年度では,88.6%がイエスと答えていただいておりましたが,2020年度には,それが94.7%まで大きく増加しました。こうした子育て世代の期待に,これからも一層応えてまいります。

 都市インフラの整備については,福山駅周辺の再生,福山港の港湾機能の強化,国際競争力の強化に取り組んでいます。また,福山北産業団地第2期事業を立ち上げまして,現在までに,17区画中15区画で事業者が内定しており,順調な結果につながりました。なお,その事業者が雇用する人々は,600人以上になると聞いております。そして,平成30年7月豪雨のような浸水被害を二度と起こさないために,概ね5年間の抜本的な浸水対策に取り組んできました。

 「5つの挑戦」と「新5つの挑戦」に取り組んできた中で,すでに実現し結果を残したものもありますが,さらに,これからの2年間で,幾つかの事業が完成期を迎えることになります。特に,2023年度には,挑戦ごとにさまざまな事業が完成時期を迎えますので,まずは,計画通りに完成させることを第一義的に考えてまいります。一方,中には,もっと息の長い事業もあります。例えば,福山駅前の整備につきましては,10年20年という時間軸で取り組む事業です。今後は,駅南側の広場機能のあり方に関する基本計画を策定し,2025年度以降,いよいよ事業を実施していく予定です。それから,次期ごみ処理施設につきましては,2024年の完成を予定し,順調に工事が進んでいます。高効率の環境にやさしいごみ処理施設であり,ここから発電した電気が,福山未来エナジー株式会社に供給されていきます。従来のRDFからの電気供給よりも,多くの電気を供給することができますので,本市における再生可能エネルギーの使用率がさらに高まることになります。

 (仮称)子ども未来館についても,着実に議論が行われていますし,鞆の交流拠点のうち,平地区のふれあい広場も2024年度には完成いたします。また,ローズアリーナの屋内プール,竹ヶ端のテニス場,このような,市民が楽しんでスポーツでき,世界大会規模のテニス大会も開催できる運動施設が,2024年に完成いたします。こうしたロードマップをしっかりと念頭に置きながら,着実に一歩一歩,都市力を高めていくことが,「新5つの挑戦」のめざすものであります。

 さらに,今の課題を克服するために,どのような切り口で施策を考えていくのかという議論を続ける中で,まず,活力ある地域づくりということを考えました。この言葉自体は,言い古されたものでありますが,本市にとっては,大きな施策のウェイトシフトを意味します。今までは,「福山市に活力がない」,「誰も福山のことを知らない」といった声を市民の皆さまからたくさん聞きまして,まずは玄関口を快適でにぎやかに,そして豊かに作り直さないといけないと考えました。

 そこで,市の中心部である駅周辺や市街地,あるいは商店街といったものの活力を取り戻すという観点で,まずは,施策を市の中心部に集中させました。市の中心部が活力を取り戻すことによって,その活力がそれぞれの地域に波及していくというプロセスを念頭に置いたものであります。こうしたプロセスにおいて,例えば伏見町のエリア価値が高まった,あるいは駅周辺の再生が地方再生のモデル都市に国から選定された,さらには,民間事業者がどんどん自立的に事業を立ち上げていったなど,次点の局面がみられるようになりました。よって,もう中心部は民間事業者や若い人たちに,そろそろ任せても良い段階に入りつつあると判断し,次のステップに移っていくものです。次のステップでは,それぞれの地域が,それぞれの活力の源を認識,共有しながら高めていき,そのストーリーを共有できる地域で繋がっていくこと,そして,市内外から個人や企業がその地域に入ってきて,それぞれの地域の価値や魅力を体験して学ぶ中で,新たな地域の担い手が生まれてくるような取組を行ってまいります。

 今年度,地域資源について調査いたしますので,その結果を踏まえながら,具体的な施策を今後打ち出してまいります。もちろん,地域の活力の源をどこに求めるかについては,民間の知恵も活用いたします。今度は,そうして元気になった地域と,先に取組を始めてきた中心部が繋がることで,市全体に活力が及んでいくステップに移っていきたいと思います。

 もう一つは,デジタル化の効率的な推進であります。行政,産業,地域のデジタル化の実現のために,まず行政のデジタル化を徹底します。紙による作業の廃止や,定型的な事業でのAI活用を徹底するなど,そうした取組を行政が徹底することで,産業のデジタル化を誘発させ,地域のデジタル化の進展のきっかけになると考えています。もちろん,行政手続きをデジタル化して欲しいという産業界の声を引き上げて,行政のデジタル化の取組に加えていくことも十分あり得ることだと思います。こうしたことを念頭に置きながら,今後の施策を組み立ててまいります。

 

記者

 生まれ変わった福山城を,今後の駅前周辺のにぎわいづくりや,まちづくりにどのように活かしていくのか,市長のお考えをお聞かせください。

 

市長

 拠点と拠点や魅力と魅力をつなげて,地域の回遊性を高めることは,とても重要なことだと思います。そのために,駅周辺のにぎわい再生の中でも,南北の回遊性を高めることを,あらためて重要な視点として意識いたします。そうすることで,北口スクエアや福山城,駅南側の商店街,飲食店など,そうしたものとの行き来ができて,互いの魅力の発信になっていくのだと思っております。また,築城の年が終われば,どのように福山城の魅力をさらに高めていくかという議論も,いずれする必要があると考えていますので,また時期が来ましたら,市民の皆さま方に我々の考えをお示しする,あるいは市民の皆さま方のご意見も伺うような機会を作ってまいります。

 

記者

 福山城自体は,これからどのように活用されていくのでしょうか。

 

市長

 これまでに,文化財を活用するという発想はあまりなかったのですが,新しく法律が変わりまして,保存保護だけではなく,利活用という方向に文化財の使い方が変わってきております。ちょうどそうしたタイミングで,令和の大普請がありましたので,この機を捉えて,月見櫓の城泊であるキャッスルステイ,そして,天空の間の市民開放など,そうしたことを考えてまいります。また,田村淳さんからは,国の重要文化財である伏見櫓の利活用について,もっと活発に市民が見られるようにしてあげて欲しいという,とても貴重なご意見をいただきました。そういうことにも取り組んでいきたいですし,まだまだ,いろいろな活用方法があると思っております。

 

記者

 物価高騰対策に関わって,物価高が市内に与えている影響を,どのように認識されているのか教えてください。

 

市長

 商工会議所とも深く意見交換をしながら実情把握に努めていきますが,さまざまな企業活動の圧迫要因となっているのが,物価高騰だと捉えています。これに対しては,国が今度新しく支援策を打ち出すということを聞いておりますし,本市でも,さまざまな事業者から声を拾い,この9月議会に物価高騰対策として補正予算をあげました。今後も機を逸することなく,事業者等の声を反映した施策を打ち出していき,場合によっては,臨時議会をお願いするということも,今後出てこようかと思っておりますが,当面第1弾として,この9月議会に,こうした案件を計上するということであります。

 

記者

 市長就任後に,旧統一教会や友好団体の地域組織から,これまでに3回の寄附を市で受けられており,そのうち2回は,市長が直接面会し目録等を受け取られたと伺っております。寄附の趣旨は置いておいて,首長との面会が団体の宣伝に使われるというような指摘がありますが,こういった寄附について,どのように対応されるのでしょうか。

 

市長

 まず,旧統一教会あるいはその関連団体から,イベントへの出席や祝電の依頼は何度となくありましたが,こうしたことについては一切お応えしておりません。ただ,寄附につきましては,コロナ対策や教育環境整備といった寄附の目的を踏まえて,私が3回のうち2回対応いたしました。ご寄附を市がお受けする時には,その市を代表するものが,しっかりと謝意を伝えるということが原則だと思っておりますので,できる限り私は対応してきましたし,今後もそうするつもりです。ただし,今回の問題に対する市民感情や,世論の意見を踏まえて,今後の対応については,慎重に判断をしてまいります。

 

記者

 例えば,そういった直接面会される場で撮影された記念写真が,その団体の宣伝活動に使われるというようなことを,市の方で認識されたことは今まであったのでしょうか。

 

市長

 そこまでは,強く意識することはありませんでした。ただ,そうした意図があるのであれば,そこは慎重に対応してまいります。

 

以上。

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