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2023年7月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年7月19日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 

 会見日:2023年(令和5年)7月3日(月曜日)

2023年7月定例市長記者会見

・スマート交流館について​

・スマート保育について​

・今後のデジタル化の推進について

・グリーンなものづくり企業プラットフォーム構築検討会議について

・こどもまんなか応援サポーター宣言

・市民・企業提案型事業募集のお知らせ

・平成 30 年 7 月豪雨の浸水被害と教訓

・抜本的な浸水対策

・主な事業と効果

・平成30年7 月豪雨のため池被害と教訓

・ため池に関する法整備と福山市の取組

・災害に強い森づくり事業(森林整備)

 2023年7月定例市長記者会見資料 [PDFファイル/3.52MB]

 

会議録​​


​市長

 まず始めに,スマート交流館についてご報告いたします。本市では行政版デジタル化実行計画に基づいて,2024年度までの取組をすでに公表しておりますが,その中の一つ,「行かない市役所」,あるいは行かない行政施設というんですかね,そうしたものをめざす取組です。来月の1日から5つの交流館(東交流館,伊勢丘交流館,加茂交流館,水呑交流館,今津交流館)において,施設予約システムとスマートロックを新たに導入いたします。現在交流館の利用にあたっては,事前に交流館に出向き,申請書に必要事項を記入し予約する必要がありました。また,実際の利用が夜間など交流館の閉まっている時間帯の場合,鍵を事前に交流館まで取りに行き利用するという使い方でありましたが,このスマート交流館の実施により,交流館に事前に出向くことなく,スマホやパソコンから予約の申請ができるようになります。

 そして,交流館側から許可メールが来ます。その中に,暗証番号が示されておりますので,その暗証番号を使って,当日開館をしていただく。こうしたやり方に変わります。これにより市民の利便性が大きく高まるものになると思っております。そして,今年度中には,さらに3つの交流館(西交流館,駅家西交流館,服部交流館)でも実施を予定しております。以上がスマート交流館についてであります。

 同じくデジタル化の取組についてもう1つ,スマート保育の拡充についてご報告いたします。スマート保育はすでに一昨年から導入しており,順次利用施設を拡大してきました。そして今年度には,すべての公立保育所・子ども園に導入いたします。本日7月3日から,西多治米保育所で導入し,順次年度内にはすべての施設に導入されます。

 併せて,これまで実施してきた園や,園児の保護者の皆さま方からの声を踏まえ,今回新たにいくつかの機能強化を実施いたします。1つは,保護者に伝えるお子さまの成長記録,これをデジタル化してまいります。これにより,お子さまの園での状況を,保護者の皆さまはリアルタイムで目にすることができるようになります。それから連絡帳機能ですが,これは園の保育士が,そこに通う子どもたちの状況をお互いに共有し合い,より望ましい保育につなげていくものであります。これにより,時間の短縮が図られて,短縮された時間をよりきめ細かなお子さまの保育,あるいは見守りに使うことができるというものであります。

 保護者からは,成長の記録がリアルタイムで見られるので嬉しい,保育士からは,操作時間が短縮でき朝の子どもとのあそびが充実してきている,といった声が寄せられています。この成長記録は保護者に対するメリット,連絡帳機能は保育士の皆さまの保育活動にメリットとなるのだろうと思います。

 今後についてですが,現在の行政版デジタル化実行計画の期限を2024年度までと設定しております。その計画に基づき,スマート交流館については,運用状況を踏まえ,今後は全交流館に導入をしたいと考えています。今年度中に8交流館で実施いたしますが,来年度には全交流館への導入をめざしてまいります。もちろん地元の要望もあると思いますので,そうした声も聞きながら,できるところからすべてに,というイメージです。

 それからスマート保育については,今年度中に全公立の保育所・子ども園に導入が完了いたしますが,対象施設をさらに拡充し,さらなる機能充実に向けて,保護者や園の声も引き続き聞いていきたいと思っております。以上がスマート交流館とスマート保育についてのご報告であります。

 次に,グリーンなものづくり企業プラットフォームの構築に向けてであります。これまでも何度かご説明をする機会がありましたが,本市はものづくり企業がたくさん立地する産業都市でもあります。そうした企業の中には,環境への配慮を特長とする企業や,女性や障がい者,高齢者の雇用に積極的に取り組んでいる企業,働き方改革を積極的に進めている企業など,様々な特長のある企業があります。ものづくりというと,「機械を触る」「油がつく」といったイメージだけで捉えられがちですが,そういったイメージではないものづくり企業がたくさんあります。こうした取組をさらに広げて,福山市のものづくり企業のイメージを変えていきたい。あるいは,福山市のものづくりの企業のイメージを的確に,外に知ってもらう発信をしていきたい。そうした取組を増やしていきたい。それにより,福山のものづくり企業に対する若い人たちの関心が高まり,そうした企業への就職を思っていただける,そうした若者が増えていくことを期待したいと思っております。

 また,こうしたグリーンな取組を進めることで,企業の技術力の向上にも繋がっていくものと期待しています。これに向けて,まずは構築検討会議を立ち上げます。7月5日に最初の会議を予定しており,プラットフォームの中のコアなメンバーを中心として,プラットフォームで何を議論していくのかを話し合っていただきます。そこでの論点は,まずはどういった項目・目標をいつまでに設定するのかを議論していくことになると思います。柱としては環境・雇用・働き方であろうかと思っておりますが,もちろんその構築検討会議で,それら以外の項目や目標設定のあり方の議論が出てくることにも期待したいと思っています。そして,具体の取組をそれぞれ議論していただき,効果的な連携がその場で出来上がっていくよう,議論を進めたいと思っています。

 事業そのものは秋からのスタート,つまり,プラットフォームの立ち上げを今年の秋と,このように念頭に置きたいと思います。また,こうした企業の取組を,国はどのような支援策でサポートしていくのか,あるいは金融機関は金融面からどのように支援していくのかといった議論も併せて進めていきたいと思っております。以上がグリーンなものづくり企業プラットフォームについてのご説明であります。

 3つ目でありますが,本日,福山市は「こどもまんなか応援サポーター」宣言を行います。これはこども家庭庁が掲げる「こどもまんなか」の趣旨に賛同するものであります。今後は,行政が当初は旗振り役となり,市民には地域の子どもや子育て世帯のための施設・事業,あるいは行事・イベントなど「こどもまんなか」の魅力を発見してもらう。企業には,父親の育児・家事促進など「こどもまんなか」に取り組んでもらう。こうした取組への参加を幅広く促していきたいと思っています。行政は当面,ライフスタイル応援会議が旗振り役となり,まず行政でできることに取り組んでまいります。

 そして,ライフスタイル応援会議に幅広く市民や企業に参加いただき,それぞれの取組をする。そして,その取組を行政・企業・市民それぞれがSNSで「#こどもまんなかやってみた」をつけて発信していくことで,さらに輪を広げていく。こうした取組になろうかと思います。

 アクション例ですが,例えば電車の乗り降りでベビーカーを優先する,そうした取組でもいいでしょうし,トイレの行列でお子さま連れを優先的に入れていただく取組,あるいは荷物を持っているお子さま連れにドアを開けてあげる。お店の中に,お子さま連れの優先席を設定していただく。そうしたことに幅広く取り組むことで,社会全体で子どもを育てる意識をつくっていきたいと思っております。

 福山市では,子育てをサポートしようということで,県内のトップを切って「福山ネウボラ」を創設し,これまで取組を進めてまいりました。そして2025年度は,これまでの検証を踏まえ,ネウボラのセカンドステージへ,さらに取組を強化していこうと考えております。また,小学校4年生の児童全員をふくやま美術館に招待する。小学校5年生の児童全員を「ばらのまち福山国際音楽祭」のコンサートに招待する。そのように,社会全体で,子どもを大切にする取組を進めてまいりました。そうした流れの中で,県内で初めて,サポーター宣言をすることになりました。

 最後に1点,「Road to 2025」に向けた取組を,今後は機会あるごとにトピックスとして紹介していきたいと思っております。「Road to 2025」とは世界バラ会議を意識した標語でありますが,その世界バラ会議に向けて,このたび,市民・企業提案型事業の募集を開始いたします。対象は,ばらに何らか関わる新商品・新製品,あるいは取組の開発や推進を内容とする事業です。新商品の開発やイベント等の実施,記念作品の制作など,幅広く対象になりますが,補助額最大100万円で力強く支援していきたいと思っております。すでに取り組んでいる事業についても募集は可能であります。今日7月3日から10月31日までの募集期間で受け付けますが,事前に相談いただくことが必要であります。その事前相談を受け,この補助制度の要件に合うかどうかを説明しながら進めていきたいと思います。事前相談の期日は8月31日までですので,ご留意ください。

以上で私からの説明といたします。

 

記者

 西日本豪雨から5年が経過しましたが,改めて,ため池の決壊などによる被害からの教訓と,この間,取り組んできた浸水対策や森林整備の取組状況について教えてください。

 

市長

 平成30年の豪雨災害から,大きな節目を迎えようとしております。ため池の決壊により,当時3歳の女の子が尊い命を落とされました。改めてお悔やみを申し上げます。その当時は大変幅広い範囲で市内が浸水いたしまして,二度とあのような光景を見たくないという思いから,いち早く抜本的な浸水対策に取り組んでまいりました。また,ため池の管理や改修工事にも取り組んできました。さらには災害に強い森づくり・山づくりにも取り組んできました。ご質問いただいた,浸水対策・ため池・森林整備の3つの論点に沿って,災害から得た教訓とその後の対策についてご説明したいと思います。

 まず当時の災害ですが,72時間,つまり3日で392mmという,観測史上最悪の豪雨を経験しました。1日当たりの最大雨量は238mmというすさまじいものでありました。芦田川も越水ぎりぎりのところまで水位が高まってしまいました。県管理河川では破堤が2河川,越水が28河川,これは県内で最も多い数でした。そして浸水面積は,想像を超える約2,000ha,床上浸水が約1,300棟といった大災害でありました。そこから得た教訓ですが,1つは,芦田川も絶対の安心はないことを,改めて感じました。

 そして,芦田川に注ぐ県管理河川の流下能力が不足していたこと,これは芦田川に注ぐ県管理河川以外の河川も同じでありますが,県管理河川の流下能力不足。そして,水路や河川末端のポンプの能力が脆弱だった。さらには,市街地の内水排除機能も不十分だった。これらが,我々がその時に得た教訓です。

 ここからその後の抜本的な浸水対策が構築され,実施されていきました。その目標は,平成30年7月と同規模の雨が降っても,床上浸水被害を起こさない,こうした決意を持ち,そのために必要な事業を進めてきました。そして,今年度末までの5か年間で172事業を実施してきました。国,県,市,土地改良区,それぞれの役割に従い,河川改修工事あるいはポンプの新設・能力増強を進めてきました。進捗は順調で,蔵王地区の雨水ポンプ場のみが,その後の調査で,地盤が想定以上に軟弱であったことから,工期がさらに延びることが判明し,完成が2年先延ばしになりましたが,残り171事業は今年度中にすべて完成する,もうすでに完成したものもありますが,そうした順調な実施をしてまいりました。この間,国の新たな制度をどんどん取り込んでまいりました。

 「大規模特定河川事業」が創設され,その第1号として福山市が採択されました。これはポンプの増設や新設といったものが事業内容になります。もちろん福山市以外にも同時に採択された地域があるようですが,制度創設後,福山市が最初に指定をされ,そして中国地方初の「100ミリ安心プラン」の登録をし,それに従い河川改修事業と下水道事業をお互い連携しながら同時に進めていく,こうした事業が可能になりました。

 主な事業ですが,国は芦田川の土砂の撤去で,これまで,草戸~水呑の区間で,11万㎥に近い土砂を撤去いたしました。この区間では深いところで50cm掘り下げたということであります。それから広島県は河川改修事業やポンプの能力増強・新設を行っています。特に,福川から瀬戸川に水を吐き出すところに,福川排水機場を新設いたしました。これまでは,福川第一佐波排水機場のみで福川の水を吐き出していましたが,その新しい排水機場ができることによって,排水機能が3.1倍に増えました。

 そして市でありますが,ポンプ場の新設・増設,あるいは貯留施設の増強を行ってまいりました。沼隈町では新たに雨水貯留施設が完成し,沼隈エリアに当時降った雨に相当する雨量を,全てこの施設に一時的に貯留し,下流に水が流れないといった機能も新たに加わりました。この中で手城川流域については,流下能力が弱く,どうしても排水氾濫が発生しやすい。これが手城川流域のこれまでの姿でありましたが,約3.2kmにわたる雨水幹線を整備し,今年度中に完成いたします。

 そして2年後には,この雨水幹線内に落とし込まれた内水を手城川に強制排水する雨水ポンプ場が完成いたします。完成の暁には,5年前の当時,浸水面積が約250haありましたが,浸水は95%減少し,約13haにまで範囲を狭めることが可能になります。そしてその結果,床上浸水が当時36戸ありましたが,これをすべて解消できます。また,床下浸水は25戸発生しましたが,この9割が解消できる。こうした大きな効果をもたらすものと期待しています。このポンプ場が完成するまでは,この雨水幹線は一時的な雨水貯留施設として活用していくことにより,内水氾濫を一定程度防ぐ大きな役割を果たしてくれます。

 以上が,抜本的な浸水対策の概要です。次は,ため池の機能強化,防災力向上であります。福山市のため池は,県内で3番目に多い約2,200箇所ありました。そして当時,県内2番目の数である7箇所が決壊し,58箇所が損壊いたしました。そこから得た教訓ですが,ため池の管理者を把握しきれていなかったこと。また,ため池の管理者がいても,その数の減少や高齢化により,十分な管理ができていなかったこと。ため池の場所などの情報が下流の住民,特にため池が万が一決壊した時に被害が及ぶであろうエリアに居住する人たちに十分知らされていなかったこと。さらには,防災重点ため池,これは一旦被害が起こると影響が甚大な,人命にも関わってくるようなため池のことですが,そうした防災重点ため池の指定が十分に行われていなかったこと。これらを改めて気付かされました。

 これを教訓に,まずは,新たな選定基準に基づき,防災重点ため池が選定されました。数は約6倍に増えました。そして,「ため池管理保全法」「ため池工事特措法」の2つの法律ができました。まず,「ため池管理保全法」ですが,これに基づき,農業用ため池,これは防災重点ため池を含めた農業用ため池全体が対象になりますが,その農業用ため池の管理者の届出の義務化により,管理者を特定できました。そして管理者不在のため池も新たに把握され,それを廃止していく道筋をつけました。

 また,ハザードマップを作成し,防災重点ため池の下流の住民に,どのようなリスクがあるのかということをご説明いたしました。そして2番目の法律である「ため池工事特措法」でありますが,これは先ほど申し上げたため池の管理とともに,必要な防災工事を進めていくものであります。このためにはまず,劣化・豪雨診断をする,また,耐震診断をする。その診断結果を受けて,必要な改修工事につなげていく。こうした道筋が作られましたが,この劣化・豪雨診断を受けて改修が必要と判断されたものについては,改修を急がなければなりません。

 そうした意味から,劣化・豪雨診断については,今年度中にすべてを完了する予定と,県からは聞いています。耐震診断は着実に進めていきます。そして,これまでの診断結果に基づいて,豪雨対策あるいは耐震対策,さらには廃止といった工事を,これまで進めてきており,これからも着実に進めていきます。なお,工事特措法の時限は2030年度までで,10年間をかけて集中的に実施をしていく考えであります。

 次は森林整備についてです。災害に強い森づくり事業と銘打って福山市では事業を進めております。これは森林環境譲与税を活用して,土砂災害警戒区域内の間伐等を行うもので,これは県内で初めての取組です。これまでは植生調査を行い,まずは試行的に2年間整備をしていこうということで,試行期間の初年度である2022年度は,加茂町・芦田町・神辺町の3箇所で4haの整備を行いました。そして今年度は新たな整備区域を現在選定中であります。こうした試行的な整備を踏まえ,今後の間伐方法や整備の順序の考え方を整理した「災害に強い森づくり基本方針」を取りまとめ,来年度からはさらに必要な事業に取り組んでまいります。

 

記者

 抜本的な浸水対策について伺います。5か年で172事業実施ということで,蔵王地区の雨水ポンプ場のみがもう少し先になるようですが,その他について,現時点で完了している事業を教えてください。

 

市長

 詳しくは担当者から補足しますが,分かりやすい事例で申し上げますと,手城川流域では,東深津に雨水貯留施設をつくりました。巨大なプールのようなもので,地表に一定程度水が浮いてきますと,その地表の水を自動的に貯留施設に流し込むものであります。約8,000㎥の水を流し込むことができます。この5年の間にゲリラ豪雨のような雨が何度か福山市でも降りましたが,その時にも大いに機能しました。これまでであれば,地表に水が溜まり床下浸水も危惧されるような雨でありますが,その雨水貯留施設のおかげで,そうした事案はこれまで発生しておりません。また,松永中学校のグラウンドの地下に,これも雨水貯留施設ですが,大きな空間を作り,そこに雨水を流し込む。こうした事業も完成しています。

 

建設局長

 172事業のうち,現時点で整備が完了したものは149事業です。今年度完成見込みの事業が22事業であり,合計で171事業が完了します。蔵王地区のポンプ場は令和7年度に完成する見込みです。

 

記者

 ため池に関する取組について,ため池工事特措法によって県の診断が行われ,その後防災工事が行われるとのことで,なかなか時間がかかるものだと思いますが,この進み具合について,市長としてどのように考えられているか,教えてください。

 

市長

 なにぶん,たくさんのため池があります。そして,農業利用も減ってきました。管理者も高齢化し,少なくなってきています。そうしたなかで,廃止も含めて,改修工事のニーズが非常に高い。つまり,今後に控えている事業量は膨大なものだと思っております。2030年度までの工事特措法ですべて終えるかどうか,現時点では見通しは立っておりませんが,しかし工事の前提となる劣化・豪雨診断については,県は今年度中にそれを終えると言っておりますので,それに従い,できる限りスピード感を持って改修工事につなげていきたい。優先順位もしっかり踏まえながら,効率的な事業にしていきたいと思っております。

 

記者

 ため池の取組に関して,管理者不在で廃止を予定しているため池が142箇所と説明がありましたが,その142箇所の廃止にどれぐらい時間がかかるのでしょうか。また,廃止予定のため池も診断をして,廃止予定だが対応が必要であれば改修をするというお考えでしょうか。

 

市長

 どのくらいの時間を要するのかということについては,担当者から答えさせますが,少なくとも,管理者不在の防災重点ため池については,廃止を前提にしたいと思っております。届出済の961箇所についても,様々な管理上の不安や農業利用の状況などを踏まえながら,危ないものについては廃止をしていく取組が今後必要になってくると思います。現在,廃止予定の農業防災重点ため池は,管理者不在で廃止を予定している142箇所を含め,全部で170箇所を予定しています。

 

農林土木担当部長

 管理者不在で廃止を予定している142箇所に加え,廃止をしてきたものを含めると計170箇所ありますが,今後農家の方が農業を辞められるなどで,廃止の数も増えてくるかと思います。それも含め,特措法の期限である2030年度までに工事着手していく考えではございますが,廃止するにあたっては土地の所有者や関係者の調整もありますので,地域の方としっかりと話をして,できる限り早く廃止を進めていきたいと考えております。

 

記者

 管理者不在で廃止を予定している142箇所のため池についても,診断をして,対応が必要であれば改修をするというお考えでしょうか。

 

農林土木担当部長

 廃止がすでにわかっているものについては,診断はせずに,できる限り早く廃止を進めていく考えです。

 

記者

 昨年11月に緑町公園で用水路転落事故があり,つい先日,「水路等転落事故防止対策基本方針」も策定されたところです。先日,民事訴訟の第一回口頭弁論もありましたが,あらためて市側の管理のスタンスを教えていただけますでしょうか。

 

市長

 まず幼い命が失われたことについては,大変痛ましいことであると受け止めております。二度とこのような事故を起こさないように,その後,有識者を交えた検討委員会をつくり,必要な整備を今後進めていく予定です。公園を含む公共施設に隣接する水路については,必要な対策工事を今年度中にすべて終える予定です。それ以外の,道路から水路に転落する危険性がある場合や,ため池に落ちる可能性がある場合などを含め,今後5年間で必要な対策を進めていきたい。こうした基本方針を6月に策定し,これから安全対策をより強化していきたいと思っております。訴えが提起されておりますが,今後はそうした場で,市としての考えをまずはしっかりと説明していきたいと思っております。

 

記者

 水路転落の件で,第1回口頭弁論が先日開かれ,弁論書を拝見する上で市側は棄却を求めていますが,この主張内容を今後明らかにするとおっしゃっているなかで,先に結論として棄却を求める旨主張されております。係争中の案件とは存じ上げておりますが,どういった理由で棄却を求めているのか,考えを教えてください。

 

市長

 まずは市として説明すべきことがあるということであります。これから,起こされた訴えに対して,市としての考え方をしっかりと説明させていただく。そうした手順に則った対応を現在させていただいております。それが棄却を,ということになると思います。

 

記者

 痛ましい事故が二度起きた上で,市としても水路転落防止に関して,色々と対策が講じられてきた事実があるかと思いますが,今のところ市としては,当日亡くなった方の動きなど,原告側の主張をまず聞いてから,市としての立場を明らかにしていくということでしょうか。

 

市長

 市として説明すべきことはしっかり説明をさせていただきたい,こうした思いであります。

 

記者

 説明というのは,安全対策をどのくらい講じている,といったことでしょうか。

 

市長

 説明の内容については,係争中ですのでコメントは控えます。

以上。

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