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2024年7月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年8月7日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2024年(令和6年)7月25日(木曜日)

7月定例市長記者会見

 ・福山城築城記念日の制定について

 ・松永駅・神辺駅周辺のまちづくりについて

 ・≪Road to 2025≫
  ・世界バラ会連合地域大会スウェーデン大会の報告について
  ・世界バラ会議福山大会 大会登録受付の開始について
  ・クロネコヤマトのトラックへの大会ロゴステッカー貼付について

  7月定例市長記者会見 [PDFファイル/3.87MB]

会議録​​

市長

私の方から3点、報告をさせていただきたいと思います。

まず1点目でありますが、福山城築城記念日の登録についてであります。一般社団法人日本記念日協会という団体が、記念日を登録する活動をされておりますが、福山城を築城したことを幕府に報告したとされる8月28日を、福山城築城記念日として、登録をすることといたしました。この日は、城ができて、福山というまちを守り続けてきた先人の歩みを、改めて市民みんなが振り返り、そして、私たちのまちを後世につないでいく特別な日に今後もしていきたいと思っています。記念事業は、福山城博物館の無料開館と伏見櫓の特別公開を2つの柱といたしまして、その年ごとに市民がいろいろと工夫を凝らし、思いを込めた事業を組み合わせながら、私たちにとって特別な一日したいと思っています。今年はお城トークショーやお城ツアーを8月24日に、そして、記念日当日は博物館の無料開館。そして、31日の土曜日は喜多流大島能楽堂による能と伏見櫓の特別公開。そして引き続き、博物館の無料開館、夜にはほしぞらランタン。こうした取組をする1週間にしていきたいと思っています。なお、こうしたお城に関わる記念日が登録をされるのは、全国でも初めてと聞いております。

 

次であります。神辺駅・松永駅周辺のまちづくりについての動きであります。私はこれまでも、福山市の地域の活性化が次の段階に入りつつあると、このようなことを申し上げてきました。どういう意味かと申し上げますと、まずは、5つの挑戦で8年前にお約束をいたしました福山駅周辺のにぎわい再生に官民連携で取り組み、そして、そのにぎわい再生が一定の軌道に乗った段階になれば、今度はそれぞれの市内の各拠点づくりをしていき、その拠点がにぎわいを取り戻してくれることで、市全域が活気を再び取り戻すといった段階を経ながら、まちづくりに取り組んで参りました。そろそろ、この8年間を通して福山駅周辺の取組がいわば官から民に、円滑にバトンタッチされつつある段階になりましたことを受けて、まずは、松永と神辺の駅を拠点として、新しいにぎわいを作っていこうという取組を開始いたします。松永も神辺も同じような構成で議論を進めていきますが、どういう構成かと言いますと、まず未来会議という地元の住民や事業者、学生、外国人、これからの時代を担う様々な人たち、そして今に責任を持つ人たちに集まっていただいて、ビジョンを策定する取組をしていただきます。その上に、活性化協議会というのがありまして、その活性化協議会が今度は別の視点から、この未来会議が作ってくれるビジョン案をもとに協議をしながら、最終的に練り上げていきます。そして、その協議会には、福山駅前デザイン会議の座長を務めておられる清水さんが、アドバイザーとして参加し、福山駅周辺の取組から得た教訓やアイデアを、この松永の取り組みに生かしていただくということであります。第1回目の活性化協議会は、8月8日にキックオフをいたします。そして、1~2カ月後には未来会議を立ち上げて、いよいよ議論がスタートいたします。その未来会議で議論をスタートする前段階として、この協議会が松永駅のまちづくりの大きな方向性についての議論をすることによって、キックオフが始まるということだと思います。それから年度内いっぱいかけてビジョンを策定します。ビジョンを策定したあとも、すぐ実践というわけではありません。福山駅前のにぎわい再生においても、ビジョンを策定しました。ビジョンを策定したあとは、デザイン会議で官民集まって様々具体的な議論をいたしました。そういう議論を何度も積み重ねていく中で、みんなが何をやればいいのか、自分の役割は何なのか、官民連携の望ましいやり方は何なのか、そんな練り上げが行われていくというプロセスを踏襲していきたいと思っています。例えば、シンポジウムやエリア価値創造フォーラムのような取組もやり、そうする中でビジョンを共有し、機運が醸成され、人材も育ち始め、そこで初めて官民連携が実をなしていくことだろうと思います。次に神辺駅は、来年度末までには川南土地区画整理事業がほぼ終わります。そして、182号線の隣接したエリアに、土地区画整理事業が完成し、商業施設や住宅、公園など基本的な都市機能が張りついていきます。道路で、神辺駅と小さな拠点が結ばれるわけですが、駅を中心にこの土地区画整理事業のあたりまでを一体とした活性化の取組を行うのが、神辺駅周辺のまちづくりであります。構図は松永駅と同じでありますが、すでにこの取組は第1回目の協議会が7月5日に開催され、これを受けて未来会議は8月下旬から9月上旬に予定されています。早い段階から、実証実験も一緒にやっていこうという議論がなされているようであります。ビジョン策定の目途は、松永と同じです。そして、ビジョン策定後の取組のも松永や福山駅周辺と同じということになろうかと思います。メンバーにはそれぞれアドバイザーとして、清水さんが関わっていただくということであります。

次は、世界バラ会議福山大会の準備状況について大きく3点ご報告いたします。まずスウェーデン大会でPRを行って参りました。スウェーデン大会は、地域大会と位置付けられているもので、私たちが開催する世界大会に比べて小ぶりな大会であります。そして、活動内容としては大きく4点の活動を行って参りました。まず、特設ブースでの誘客PRでありますが、全参加者に資料が渡り、福山あるいは日本で行いたい、経験したいことの聞き取りを行いました。また、地域大会ではありますけれども、基本的には大会運営のやり方は同じであります。そこでユニークベニューでの歓迎夕食会の開催がどのような形で行われるのか、そしてデイツアーなどで訪れる庭園での解説や歓迎の方法、受付の方法、ツアーの運営方法など、かなり具体的なやりとりを連合の本部と現地で行って参っております。そして福山大会のプレゼンテーションも行いました。連合からの要請で、特に今回のプレゼンの主眼は、毎日の講義後に行われるデイツアー、これは比較的近隣の庭園やばら花壇などを訪れるものであります。ツアーの内容や候補地、プレツアー、ポストツアーの具体的な内容、訪問地などを詳細に出席者に説明してほしいという要請を受けてプレゼンを行いました。あわせてRose ExpoのPRを行い、また、7月16日からいよいよ登録受付を開始するということについてもプレゼンを行いました。来年の福山大会でばら会議をホストしていただく日本ばら会の志村理事長、それから今岡議長にもご同席をいただきました。そこで申し上げた内容をもう一度申し上げますと、7月16日から1月6日までをEarly Bird期間とし、その後は通常参加登録期間、後期参加登録期間ということで、まずこのEarly Bird期間に申し込みをされると、フルデイパス・ワンデイパスが割安な形で提供されるということをご報告いたしました。すべての日程に参加できるのをフルデイパスと言い、参加日を選んで1日参加のものをワンデイパスと言っています。フルデイパスの内容ですが、5日間行われる講義、その午後行われるデイツアー、毎日のモーニングティーや昼食、そういう経費がすべて入ります。また、歓迎レセプションや開会式、開会式のお昼に行われる歓迎昼食会もすべて含まれます。また、商店街での市民との交流会が5月21日夜行われますが、こういうものへも招待します。そしてさらには、Rose Expoに自由に出入りしていただける特典が加わっています。これに対して、ワンデイパスは各日、同じような内容が含まれています。これに加えて、開会式も出ていただけるし、交流会にも希望により参加ができるということであります。別途料金がかかるのが歓迎レセプションです。これだけ参加しようと思うと、料金がかかるということです。それから歓迎昼食会、最終日の閉会式とフェアウェルディナーはセットになっていまして、1万2,000円かかります。Rose Expoの入場料については現在、詳細を協議中であります。これらに加えて、市民の皆さんあるいは市民の代表からは、関心のある市民が気安く、気楽に体験してみたい、雰囲気を味わいたいとご希望がありました。これを受けて、開会式や毎日行われる講義へ市民が参加できる無料枠を設定することとしていますが、その枠の数は現在検討中であります。それから3つ目でありますが、ヤマト運輸株式会社と連携をして、車両に世界バラ会議のステッカーを貼っていただく協議が整いました。7月25日から、ステッカーを貼った車両が福山市内の配送エリアを走ります。165台にステッカーが貼られています。ステッカーのデザインは北口スクエアのイメージだと思いますが、ばらのアーチ越しに天守を望めるイラストが飾られています。以上で、私からの報告を終わります。

 

記者

2問、質問させていただきます。4月から同様の質問させていただいますが、市民の関心も高いということで、仙酔島の旧国民宿舎跡地の利活用について伺います。6月3日の記者会見では、6月末をもって基本協定を締結し、その段階で事業概要の公表を行いたいというようなお話もありました。現状と見通しについてお聞かせいただけますでしょうか。

 

市長

確かに6月3日の記者会見で、6月末を目途に基本協定を締結し、その段階で事業概要の公表を行いたいと申し上げました。実はその翌日ですが、事業者から基本協定の内容に関わるいくつかの具体的な条件についての提案があったようであります。そして今、具体的な提案内容についてのやりとりが進捗しています。加えて、当初は事業者と福山市の2者協定を前提に考えておりましたが、その後、広島県とも相談をする中で、県も含めて3者協定にしようではないかと、大きな基本が変わりました。これも基本協定の内容の見直しにつながっていく話であります。このように、いくつかの条件が出てきておりますので、それについての協議を行っている段階で、特に状況に大きな変化が出てきたとは担当からは聞いていません。現在、この事業者側から提案された内容について、市から回答を行い、その返答を待っている状況にあると聞いています。

 

記者

 それでは2つ目です。5月か6月に、ため池の決壊などのご説明があったかと思いますが、西日本豪雨から6年が経ちました。改めてため池決壊などの被害からの教訓とこの間の取り組み、そして7月1日未明の大雨で、残念ですけど床下浸水が2棟あったというふうに報告がありました。その辺の受け止めも教えていただけますでしょうか。

 

市長

最初の質問の6年前のため池被害からの教訓とこれまでの取り組みであります。当時は、決壊7カ所、損壊58カ所と大きな被害が出ました。そこで我々が得た教訓は、ため池の管理者が十分把握できていなかったこと。管理者がいても管理が十分ではない事案が確認されること。またリスクがこの下流域の住民に十分知らされていなかったこと。さらには、一旦、事故が起きると下流の住民の命に影響が出かねないため池、これは後に防災重点ため池と呼ぶようになりますが、このため池の基準を満たしているものの、指定がなされていないため池があったこと。これらが教訓として出てきたということであります。これを受けて、国が選定基準を見直し、新たな防災重点ため池の選定が行われました。当初は175カ所しか指定されていませんでしたが、新たな基準に基づけば、市内に1,077カ所もの防災重点ため池が存在するということが改めて整理をされました。そしてその後、2つの法律ができました。農業用ため池の管理者を明確に把握しなければいけないということで、届出の義務化が行われ、これについては、すべてが完了しました。そして、下流で生活をする人たちにリスクを知らせる、そのためのハザードマップの作成・周知がうたわれ、すべての防災重点ため池のハザードマップが作成されたということであります。これらが管理に関する法律に基づく取組であります。ため池工事特措法という、これは議員立法でありますが、10年の時限法によって、防災重点ため池の劣化・豪雨診断や耐震診断が行われ、必要なものが順次工事をされる、あるいは廃止すべきものについては廃止されるという取組を今、着実に進めているということであります。これによりまして、その前のページで申し上げました4つの教訓にすべて対応できているということになります。ため池管理保全法が管理者の確認であります。それから2番目が、管理者いても管理が十分でないものも着実に管理と必要な工事が進んでいるということであります。3つ目のリスクの周知であります。4つ目はしっかりとした指定です。これら4つの教訓を、すべてその後の取組で対応が終わっているということであります。それから7月1日と7月10日、それぞれ未明にかなりの強い雨が降りました。私たちもちょっと神経質になりまして、夜中に市役所に集結をしまして、状況の推移を見守ったわけでありますが、まず6年前は72時間で392mmの豪雨を記録しました。そして、河川堤防が耐えられる高さを超える水位のことを計画高水位と呼びますが、これを当時は超えたわけであります。そして、県管理河川も破堤や越水が県内最多に起きたという被害でありました。そこから我々は芦田川も絶対の安心はないこと。そして、県管理河川の流下能力が不足をしていたこと。河川末端の排水能力が脆弱であったこと。また、内水氾濫についても、その内水の排除機能が劣る箇所が確認できたこと。これらを教訓としていました。それを受けて、早速国・県・土地改良区と一緒になって、172の抜本的な浸水対策を取りまとめ、今年6月までに計画をしていたすべて169の事業を完了したということであります。この6月には県の事業でありますが、福川の排水機場が完成いたしまして、山手エリアの防災能力、浸水対策能力が大いに高まりました。これは6月に完成をしております。この7月1日と10日の雨を、平成30年のときの累加雨量と時間最大雨量とで比較をしました。この累加雨量については、6年前は3日間降り続きましたから、これは今回の方が累加雨量は少ないです。ただ、我々がちょっと警戒しましたのが時間最大雨量でありました。瀬戸川流域と手城川流域そして松永地域、特に瀬戸川流域と手城川流域は時間当たりの最大雨量は、前回6年前の1.5倍、1.7倍でした。そして、7月10日の雨を見ますと、芦田川の中流・北部エリアについてはちょっと雨が強くて、それぞれ時間雨量で6年前の約1.4倍の雨が降ったわけであります。ただ、そういう雨が降りましたが、これまでに新たなポンプを13施設で整備をしてきまして、1時間に15万6,000㎥の排出が可能になりました。これは6年前に比べて、排出能力が1.9倍に増強されています。また、河川の河道掘削により水位が上がりにくくなっていました。その結果、排水も順調に行われるということでありました。また、市内13カ所に雨水貯留施設を設けました。6年前に比べて、一旦雨水を貯留するという能力が1.5倍に増強されています。この結果、今回の雨のときに実際ポンプを操作してくださった方や、地域の方から聞き取りをいたしましたが、ポンプの操作員からは「ポンプの能力が増強されたので、ポンプの操作に余裕ができて、安心して管理ができた」という声をいただいております。また、地域の住民からは、「以前では浸水していた雨だったんだけども、ポンプが稼働してどんどん水路の水位が下がっていくことを実感できた」と、そのような声もいただいております。一定の成果は出ているのではないかと思いますが、引き続き、気を緩めることなく、残されたハード整備も進め、あるいはソフト対策もあわせて進めることで、地域の防災力を向上させていきたいと思っています。

 

記者

スウェーデン大会訪問の件について伺います。実際に現地を訪れてPRをされて、どのような成果や手応えを感じられ、また、来年5月の福山大会にどう生かしていくのかという点について伺いたいと思います。

 

市長

私の今回の主な役割は、福山大会のプレゼンテーションをして誘客につなげるということでありました。それについて、私からお答えし、現地での活動全般については、改めて事務方からお答えをさせていただきます。私はプレゼンテーションで約20分ちょっとお話をいたしました。その中で、福山のばらのまちづくりの歴史にも触れながら、日本の魅力もあわせて伝えることができたらなという思いでお話をさせていただきましたが、何回か、参加者の皆さん方から笑いの声が漏れたり、あるいは話しているときもうなずいていただいたり、久しぶりの日本での大会についての関心が高いように受け止められました。直後に、8カ国19人の方からの参加登録がありまして、順調なスタートを切れたかなと担当からは聞いています。ほとんどがフルデイパスでの参加です。それから、これは地域大会ですから、ちょっと意味合いが違うと思いますが、カルマルの教会前の広場でばら祭をするということで、私もそれも視察をしないといけないという思いで見に行ってみたら、仮設のばらの展示でした。私たちのように、市内500カ所にばら花壇がある。ローズロードの周辺には、ずっとばらが植えられている。ばら公園も開園以来初の大掛かりなリニューアルをして、新しいばらの見せ方を準備している。これは世界大会と地域大会の違いかもしれませんが、ばらのまち福山の自信を改めて深める視察でもありました。

 

世界バラ会議推進室長

実際に現地に行きましたので、私の方から少し報告させていただきます。特設ブースを設けさせていただいて、参加者全員160名ぐらいおられましたが、その方に一人一人手渡しで資料を渡して、福山からの良さや福山のばらのまちづくりの良さなどを、お話をさせていただいて、直接、福山に来られてどんなことをされたいかということの聞き取りもすることができました。それから視察ツアーなどでは、福山大会でも福山城で夕食会のようなことをしますけれども、そういったところでのケータリングのやり方や地元食材を使ったやり方、原材料表記のやり方など、参考になることがありました。あと福山でも視察などもありますけれども、そのときの庭園ボランティアによる活動の紹介やばら園の説明、コーヒーやお菓子の提供など、そういったところもすごく参考になるところがありました。全体のツアーの運営方法でいきますと、ボランティアの方がバスに乗られて、活躍をされたりしておりましたから、全体に福山大会でもボランティアの方や市民の方が活躍できるように、いろいろ参考になることがありますので、そういったことにつなげていきたいと思います。

 

記者

観光について2点お伺いしたいと思います。先ほど、仙酔島の状況についてもお答えいただきましたが、先日、政府の方でも全国の国立公園に高級リゾートホテルを誘致していくというような方針などを示されました。国との動きとの関係であったり、協力したりすることはありますでしょうか。2点目はそういったことをきっかけに、鞆の浦の観光の活性化が期待されると思うのですが、そこで来られた人々を福山城やその他市全体エリアに波及させていく上で何かお考えや、課題として思われていることはありますでしょうか。

 

市長

これは、いずれ事業者が決まって、施設の概要を公表できるような段階になれば、事業者とともに、そうした政府の方針をどう取り込んでいくかという議論を行っていきたいと思っています。実際、開業までの間の準備行為としてです。ただ、まずは事業者との基本協定の締結に、すべてのエネルギーを注いでいきたいと思っております。意識をしながら、取り組んでいきたいと思っています。それからインバウンドも含めて、鞆に来ていただいたお客さんを、福山城やばらの季節であればばら公園などにどう結びつけていくかというふうな周遊ルートの策定は、これは重要なことだと思っています。事業者が決まれば、その施設を利用される客層のニーズもしっかり踏まえながら、そうしたニーズに合致した周遊ルート、サービスの提供のあり方について考えていきたいと思っています。

 

記者

文化行政全般についてご質問させていただこうと思っております。2期目の任期中には福山城築城400年を迎えまして、福山市民の多くの方が、地域の歴史に思いをはせることができたと思っております。私が新聞記者として着任した2018年当時、多くの人から「福山市は文化を大切にしない」という声が多く聞かれました。福山の文化振興はこの8年でどの変わってきたのか、また、そして2期目で果たし得なかった文化行政の課題はございますでしょうか。

 

市長

5つの挑戦の中にも、歴史・文化の香るまちづくりを掲げて注力をしてきました。本物にまさる魅力はないと、このようにも思ってきました。そういう中で、福山市には本物の芸術や文化、歴史の資源がたくさんあります。必ずしも磨かれていない、埋もれているものさえあるという思いで、文化振興・芸術振興、歴史への取組をしてまいりました。先ほどお話がありました築城の取組もそうです。今回の世界バラ会議福山大会の誘致もそうです。鞆の浦では日本遺産への認定を勝ち取り、今回、それを延長していただくこともできました。そのように私たちの長い歴史に基づく様々な本物を大切にしました。それと同時に、これからの世代を担っていく、子どもたちが心豊かな大人に育って欲しいという思いから、美術館の美術鑑賞を小学校4年生に、ばらのまち福山国際音楽祭のコンサートへ小学5年生全員を招待しました。そして新たに加わりましたオーケストラ福山定期には、すべての中学校2年生を招待します。これは府中市の中学2年生もあわせて招待します。こういうことで、本物に触れていただく機会を増やしていきたいという思いを持っています。もちろんすべての文化・芸術への取組が終わったわけではありません。私の中にありますのは、例えばお城で言えば、本丸・二之丸にめぐらされている多聞櫓が、福山城の特徴の1つでありますが、多聞櫓の復元。そしてまだまだ調査をする必要ありますが、二之丸西側石垣の復元。そういうものがハード整備として、今後議論の俎上に上っていくべきかと思っています。それから北部に存在をする砂留です。砂留については、芦田で言いますと400を超える砂留群が確認をされています。これはおそらく日本有数の中世の砂防施設だろうと思っています。こうしたものもしっかりと調査をしながら、福山が持つ歴史・伝統のコンテンツとして、ぜひ発信していきたいと思っています。また、お城に戻りますが、ナイトタイムエコノミーというのを進めています。ナイトタイムエコノミーをどう充実させ、定着させ、市民が喜ぶ現代的な文化を創出していければなと思っています。さらに、世界バラ会議のレガシーをどう共有し、発展させていくか、多くの楽しみな取組が控えているのだろうと思います。

 

記者

先ほどまちづくりの話がありましたけども、1カ月ちょっとで、駅前にNEW CASPAがグランドオープンする予定になっているかと思います。まずこれについて市長の受け止めをお伺いさせてください。

 

市長

旧キャスパが閉店したのが2012年。この間12年間、駅の前に人が入れない巨大なビルが残っている時代が続きました。これは都市景観を大きく阻害してきたことは間違いないと思います。そういうところが、新たなにぎわいを取り戻すことになります。これは大変大きな転換だと思っています。1階と2階にはNEW CASPAがオープンをいたしますが、福山や備後の特徴を活かした、あるいは発信してくれる事業者が入ってくれて、魅力が作られていくということが、基本の取組の1つになっているようであります。そしてまた敷地内がオープンに構成されて、目の前のこれから整備が進むであろう駅前広場と一体化できる空間ができます。さらには、NEW CASPAの西側にあるエフピコRiM。新しいにぎわいの拠点になっていますが、そことつながっていく機能も期待をされています。市民の皆さん方が、建物の中の利用だけではなくて、建物の外を活用していただいて、明るい、にぎやかなイベントなども開催していただければ、とてもありがたいと期待をしています。

 

記者

もう1つ、今の言及と重なる部分もあるかもしれませんけども、今年度中に市で駅前広場の基本計画の策定を予定されているかと思いますけども、この基本計画とNEW CASPAとの連動性や関連性みたいなものについて、どのように生かしていきたいというところについても、もう少し具体的にお伺いできればと思います。

 

経済環境局長兼建設局参事

これはNEW CASPAに限った問題ではなく、伏見町にも関わってくると思います。また南部、北部にも関わっていると思います。NEW CASPAに限って言いますと、セットバックしていただいて、すでにもうNEW CASPA 1階・2階部分も、新しい駅前広場と一体的に使われるように回遊性を重視していただいているところであります。そしてまた、市長申し上げましたように、福山の玄関口にふさわしい福山らしさを表現するような建物になっております。この4つのエリアを結ぶ広場の基本計画を策定しているところですけれども、この4つのエリアとの中心にふさわしい広場となるように、エリアの特性なども生かして基本計画を策定したいと考えております。

 

記者

福山城の城泊事業についてですけれども、先週、旅行会社の社員などを対象にしてレセプションが行われた一方で、この前のレセプションの時点ではまだ予約が入っていないといった状況もありました。予約に限らず、城泊事業をやるにあたって、現状の受け止めと今後どうしていくかという展望をお聞きしたいです。

 

市長

今の問い合わせ状況ですが、宿泊希望者も含め14件の問い合わせをいただいています。

この他に今度、JNTOが主催をする海外向けの旅行商談会に参加をして福山城城泊をアピールするなど、今回のオープニングレセプションもその一環でありますが、さらなる受注獲得に向けた取組をどんどん積極化させています。こういう中で、福山の魅力や城泊の魅力が伝わっていく、そして、宿泊予約につながっていくということを期待しております。

 

記者

ニュースを視聴した方からは、「ちょっと料金が高いな」というコメントなども拝見しますが、基本的に料金などの基本体系は変えずに進めていくというお考えでしょうか。

 

市長

料金にふさわしい、非日常の体験を提供するというのが福山城城泊のキーコンセプトであります。現時点では、変える予定はありません。

 

記者

城泊に関連して、一義的には主催するふくやま芸術文化財団が考えるべきことかと思うのですけども、4月の市長会見で城泊の予約開始という発表もされていますので、引き続き関連して伺います。7月1日から宿泊は始まりましたが、予約自体は4月19日からでした。

すると3カ月過ぎているわけですけども、この間の問い合わせが14件“だけ”なのか、14件“も”なのか分かりませんけども、宿泊予約は0ということで苦戦しているのかなという見方もできるかと思います。その辺のお考えをお願いいたします。

 

市長

苦戦をしていると聞いていません。今日実施主体であります、ふくやま芸術文化財団の事務局長が来ていますから、主催者の感触もお伝えしたいと思います。

 

ふくやま芸術文化財団事務局長

感触ということでございます。この事業は7月1日から、やっと泊まれるようになったという事業でございます。他の大洲城など先行して城泊事業取り組んでいる自治体もございますけれども、そういったところに聞きましても、なかなか最初の頃、助走期間は非常に苦戦をしたというのがございます。福山城も同様でして、これからバリューマネジメント、運営事業者でございますけれども、そういったところでありますとか、福山市文化振興課と協力しながら、強力に推し進めて、これ5年間の事業でございますので、ぜひ成功させていきたいと考えております。

 

市長

すべての宿泊客受け入れのための準備が完了したということをもって、この22日にオープンレセプションを開いたということでありますから、いよいよこれから誘客に向けて、本格的に取組がスタートするというふうに受け止めていただければと思います。

 

以上。

 

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