2023年度 特別企画展
没後30年 井伏文学のふるさと 在所のことが気にかかる
会期 4月28日(金曜日)~7月17日(月・祝)
井伏鱒二は、この上なくふるさとを愛した作家で、生地福山地方を舞台とした作品を数多く残しています。地名を特定しない作品、架空の地名を持つ作品でも、この地域と推察できる作品は多く、それらすべてを含めると、その数は厖大になります。
井伏文学の出発は「谷間」「朽助のゐる谷間」「丹下氏邸」など、郷土をとりあげたものですが、戦後の再出発も郷土を舞台とした「追剥の話」「白毛」などでした。井伏は生まれ故郷を軸として、生涯ふるさとを書き続けた作家だといえるでしょう。
井伏は、ふるさとに何を見いだしたのでしょうか。そして、それをどう表現したのでしょうか。
本展では、場所のはっきりしている作品を中心に紹介します。谷間の朽助や、開墾村の与作が待つ「井伏文学のふるさと」へどうぞお越しください。
あんびるやすこ作品展
会期 9月15日(金曜日)~11月26日(日曜日)
小学生の女の子から絶大な人気を集める児童文学作家・あんびるやすこの作品展。
あんびるやすこは「なんでも魔女商会」「ルルとララ」「魔法の庭ものがたり」といったミリオンセラーを誇るシリーズのお話と、絵の両方を手がける児童文学作家です。
「魔法」「ドレス」「お菓子作り」「ハーブ」「ジュエリー」をとおして描かれる、華やかでかわいい物語の世界。思いやりや頑張ることの大切さなど、大事なことに気づく登場人物とともに、読者自身も成長していける、そんなたくさんの魅力がつまったあんびるやすこの作品は、「なんでも魔女商会」シリーズが始まってから20年になる現在でも、変わらずに愛され続けています。
本展では、各作品の原画をはじめ、登場キャラクターの紹介や、制作過程がうかがえるスケッチ、作家愛用の道具などを展示。あんびるやすこが生み出す作品の魅力に迫ります。
没後30年 座談の名手・井伏鱒二
会期 12月22日(金曜日)~3月3日(日曜日)
井伏鱒二の文学、人柄を慕って多くの人が井伏のもとに集まりました。それらの文化人との対談も全集(筑摩書房)を補う形で上下2巻が刊行されています。座談の話題は多岐にわたり、それらはすぐれた時代の証言にもなっています。
本展では、対談の中心となった話題をテーマごとにまとめて紹介するとともに、対談者と井伏の関係について解説展示します。